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機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINYについて取り扱うブログです。ブルーディスティニーに関するいろいろなコラムを書いています。

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2024-04-26-Fri 21:49:24 │EDIT
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2009-01-21-Wed 03:40:01 │EDIT
先日のガンダムレガシーのコラムにありました、第2次ネオジオン抗争の頃のユウ・カジマの話。公式設定として認知された感がありますが、この設定は、原作ゲームの段階では存在していませんでした。
今回は、それが認知されていった経緯について解説してみたいと思います。

と、その前に。当ブログのスタンスについての話を。
ガンダムの設定というやつは、オフィシャル設定がありながらもそれは日々変化しており、また、未オフィシャル、および非オフィシャル設定でありながらファンの間で共通に認知された設定があるなど、混沌としているのが現状であります。
「知らない間に、いつのまにかこんな設定が」できている。
そういう思いはガンダム・ファンの方なら何度も経験したことがあると思います。
その是非はさておき、「いつのまに」の「いつ」をハッキリさせ、設定の変化した経緯についてまとめ、検証していくのが、このブログでやりたいことです。
まとめるのは、あくまで「THE BLUE DESTINY」についてのみ。
これは単に、僕がこの作品が好きなこと、この作品ならほぼリアルタイムで追っているので変遷についてある程度は知っているから、です。
(ガンダム全体について調べるのも面白そうですが、歴史がありすぎて、個人で行うのはほぼ不可能でしょう)

おそらく、このブログの情報はガンダム世界の検証には役に立たない情報になるかと思います。
しかし、ガンダムの劇中設定の検証サイトが多い中、ウチみたいなスタンスのサイトがあってもいいのではないか?
「いつのまに」の「いつ」が分からずモヤモヤするのを解消させるための情報というのも、必要なのではないか?
という思いで、やっています。
(でも、たまには劇中設定の検証なんかもやりたいですね)

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◆宇宙世紀0093年のユウ・カジマ
そもそも、「第2次ネオ・ジオン抗争にユウ・カジマが連邦軍として参戦した」という話はどこが初出なのか?これについては、原作ゲームをAランクでクリアした方なら、一つ思い当たるフシがあると思います。
そう、原作ゲームを最良の成績でクリアした場合に見られる、グッドエンディングです。
エンディングのナレーションにて「第2次ネオ・ジオン抗争の後、ユウ・カジマ大佐は軍を退役した」とハッキリ明言しています。
しかし、いじわるな見かたをすると「参戦したとは言っていない」とも言え、具体的ではありませんでした。

そして次に描写がされたのは、97年発行の小説版です。
ここで「ユウ・カジマ大佐は”ジェガン”に乗り、第2次ネオジオン抗争に参戦。”落下するアクシズに取り付き、ニューガンダムが発する光に弾き飛ばされた”」という、具体的な描写がされました。
これについて、小説版のあとがき、作者の皆川ゆか氏はこうコメントしています。
---
この小説のプロローグが『逆襲のシャア』のアクシズ落としで始まることに驚かれる方も多いと思います。
ただ、原作ゲームのエンディングで明らかになるように、主人公たちは単に一年戦争の中だけではなく、あの宇宙世紀の時代を生きた人間なのです。
プロローグの部分は、とりわけ、原作ゲームを評価Aでクリアされた方にニヤリとしてもらえればと思って書きました。

---
このように、ユウ・カジマというキャラクター像を深めるためとして、また、ひとつのファンサービスとして書かれたのが始まりでした。
そしてこの段階では、あくまで味付けとしての小説版オリジナル要素といった程度で、オフィシャルではありませんでした。
(※1)

そして小説版オリジナル要素であったものが広く認知されたのが、1998年より続く「Gジェネレーション」シリーズでした。
同作のストーリーは原作ゲームに加え漫画版、小説版の要素を取り入れて構成されており、
「GジェネレーションF」のブルーシナリオのエンディングにて、宇宙世紀0093年のユウ・カジマについて触れられました。

おそらく、原作ゲームよりもGジェネレーションでブルーディスティニーについて知った方も多かったのではないでしょうか?
Gジェネでまとめられた「THE BLUE DESTINY」の概要が広く認知され、その中にあった”宇宙世紀0093年のユウ・カジマ”も、同じく認知されていったと思われます。

その後、”宇宙世紀0093年のユウ・カジマ”はガンダム関係の書籍で触れられ、それが今日のガンダムファンへの認知に繋がり、”半ばオフィシャル化”していったと思われます。
また、各種ゲームの逆襲のシャアシナリオでも、ジェガンに乗ったユウ・カジマが登場するといった演出がされることがあり、それもまた認知へ繋がったのではないでしょうか。

そして2008年の、漫画「GUNDAM LEGACY」。
マンガのシナリオはブルーの原作ゲームのシナリオ担当である千葉智弘氏が手がけており、その千葉氏が”宇宙世紀0093年のユウ・カジマ”を採用したことで、その設定は確固たるものになった、と言えるのではないでしょうか。

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オフィシャル・非オフィシャルという厳密な線引きは難しいため、今回は主に「ファン共通の認知」という面から捉えて
記事を書いてみました。
まあ、Gジェネレーションシリーズで採用されたことが、既に「オフィシャル化した」とも言えますけどね。

次回は、「ギラ・ドーガの腕を掴んだユウ・カジマ」についてです。
これも小説版にあった描写です。が、これは扱いが非常に難しい要素だと思いましたので、
次回にて詳しく検証してみたいと思います。


-----
(※1)
そういった作者の意図について補足してみます。
以下は2001年に発売された「ガンダムオフィシャルズ」の刊行記念に行われた、サンライズの井上幸一氏との対談形式のインタビューからの引用です。
(記事全文はこちら
---
皆川 私が公式にしようとしているとか、サンライズに認めさせようどうこうと危惧を持つ人に対して言えることっていうのは、たとえば私がブルーのノベライスやってるじゃないですか。その主人公であったユウ・カジマがアクシズ落としのとき、ジェガンに乗ってるっていう創作をしているわけですよね。ゲーム会社の人に許可をもらってそういうのをつけて。私個人もあのシーンはすごく好きなんで、『GUNDAM OFFICIALS』にも入れたくなりますよ。でも、これは入れちゃいけないから、入れてないんですよ。

井上 この話は重要だよな。これはぜひ載せてほしい。

皆川 だから、その点が一つの規範として。ノベライゼーションで作ったブルーの私の作った設定っていうのは、入れなかった。ゲームの元々ある設定だけを使いました、っていうのは、私のこの本に対する規範。

井上 公式ってことを、ちゃんと真摯に受けとめるためにそういう選択をしたんだと思う。もしもこれがね、公式じゃないものだったら出版なんてできないからね。

---
小説版独自の設定は、あくまで”小説版”であり、ガンダムオフィシャルズには載せなかったという旨のコメント。
皆川ゆか氏的には”公認”ではあるが”非公式”な設定である、という認識だったことが伺えます。


引用元サイト:
『機動戦士ガンダム公式百科事典』オフィシャルサイト

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2008-09-09-Tue 01:46:42 │EDIT
「レッドアイズ・ブルー」のコラムにて紹介した、マンガ版に収録された1枚のイラスト。
これを見ているうち、改めて気づかされたことがありまして・・・。
それを今回の話題としました。

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あらためてこのイラストについて解説。
これはブルーの漫画版コミックス(97年に発売した、旧版)に収録された扉絵。
下の足の部分に「MIZUHO TAKAYAMA 96.6.29」と書いてあり、
このイラストが原作ゲームが開発中の段階で描かれたものであることが伺えるものだ。

さて、それを踏まえてもう一度イラストをよく見てみると・・・

現在のブルー1号機と、カラーリングが若干違う気がしませんか?
現在では全身ほぼ青色(紺色?)なのに対し、こちらのイラストではパーツの所々が白に近い水色に塗られている。



注目すべきは顔。拡大してみると額の部分のみが青色で、あとは白色である。


そして二の腕。前腕とは青色の濃さが明らかに違い、白っぽい水色である。

このようなカラー配置に心当たりがある方もいるだろう。
そう、設定資料集に収録されていた、ブルー2号機の初期設定カラーリング画である。



大河原邦夫氏によるカラー指定では上腕、顔の口まわりが白色だったが、ゲーム機の性能の都合で再現できず、
現在のカラー配置になったと設定資料集には書いてある。

そして、イラストにある1号機は、その2号機に近いカラーリングになっている。

・・・つまり、このイラストはブルー1号機の初期設定カラーリングなのではないだろうか?イラストの日付から察するに、漫画版を担当する高山瑞穂氏のもとには、おそらくかなり早い段階からブルーの設定画が渡っていたのだろうと思われる。このイラストも、初期設定画をもとに描かれたのだろう。

そういう意味では、このイラストは非常に資料的価値の高いものではないだろうか!?

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もう一つ。
通常のカラーリングとは違うブルー1号機といえば・・・


そう、PS2ソフト「機動戦士ガンダム戦記」にて登場した、カラーリング違いのブルー1号機である。
このゲームでは、機体を選ぶ際に機体色を好みに合わせて2通りから選ぶことができた。
たとえば、ジムなら通常色とホワイトディンゴ隊カラーに。
ガンダムなら通常色と、キャスバル専用ガンダムの配色に、といった感じ。
そんなカラー選択で登場したのが、こちらのブルー1号機です。
このブルーの配色、例のイラストのブルー1号機の配色に近いものがあります。



盾の色も、イラストと同じ。


前腕と上腕は・・・白一色だからイラストとは違うか。

ブルー1号機をジムスナイパーⅡ・ホワイトディンゴ隊仕様のカラーリングに塗ったものかな?
と思っていましたが、
もしかしたら、開発者のお遊びで没カラーを復活させたものだったのかもしれません。

ちなみに、イフリート改のボツカラーはこんな感じですが

ガンダム戦記での色違いカラーは単なるザクカラーでした。残念。

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2008-09-03-Wed 03:50:18 │EDIT
前回の3回で、EXAM発動時の”赤目”の話はおしまい。
今回は、毎度お馴染みのしょーもない余談です。

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~第1回で立てた仮説について~

”当初はEXAMが発動するとゴーグルは赤色になるという設定で、
ゲームでも”赤目”で登場する予定だった。
そして”赤目”として開発が進められたが、マスターアップするまでに「EXAMが発動してもゴーグルの色は特に変化しない」という設定に変更になった。”

という仮説を第1回で立てましたが・・・。
理由なんて、考え出したらキリがないんですよね。

1:当初はEXAMが発動するとゴーグルは赤色になるという設定で、ゲームでも”赤目”で登場する予定だった。しかし、開発中のものをマスターアップする際に何らかのトラブル(バグ?)で、緑のままになってしまった。

2:当初からブルー1号機は赤色のゴーグルという配色だったが、ゲーム開発中に緑色に変更になった。つまり、そもそもEXAMが発動してゴーグルの色が変化するという設定自体が無かった

なんてのも、とりあえず考えつきましたが。
今回のコラムでは”赤目”の変遷を追うのみで、その発祥については言及できませんでした。
実際のところ、やっぱり開発者に直接聞いてみないことにはわかりません。
もしかしたら当時の雑誌の開発者インタビューなどで答えていたりするのだろうか?
もし、雑誌記事を保存しているなど、当時の状況がわかる資料をお持ちの方がみえれば、
ぜひ当ブログにご一報下さい。

-----
~B-CLUB 第131号~
”赤目”のブルー1号機を描いたイラスト、実はもう1枚あるんです。
それは96年8月(9月?)発売のB-CLUB、戦慄のブルーが特集された第131号です。
(B-CLUBとは、1985年10月から1998年2月にかけてバンダイ出版課から発行されていた模型雑誌。~ウィキペディアより)
以前、一度だけネットで画像を見かけたのですが、それきり。
そこで描かれたブルー1号機のゴーグルは、確かに赤かった。
古本屋で探しているのですがなかなか見つからない・・・。
バンダイが出版していた雑誌だけに、何か詳しい情報が載っているかもしれない。
目下、探索中ですので見つけたらブログで取り上げてみたいと思います。
ええい、いざとなれば国立国会図書館という手があるか!?

-----
~セット版での修正~

「97年当時では、”赤目”はボツ設定だった」とする根拠について、もう一つあったのを書き忘れていました。


こちらは、第1回でも紹介した96年9月に発売された原作ゲーム1巻の説明書。


そしてこちらは、1997年8月に発売された原作ゲーム1~3巻+おまけディスク付きで発売された時の、原作ゲーム1巻の説明書。

同じページですが、よく見ると96年版では”赤目”になっているブルーの写真が、97年版では発売されたバージョンである”緑目”のものに差し替えられています。
わざわざ修正されているということは、やはり”赤目”がボツ設定になっていたからではないだろうか。

-----
~暴走の表現~
暴走して目が赤くなるロボットといえば、劇場版パトレイバーの零式がありますね。
そういえば、高山瑞穂氏によるブルー暴走状態のゴーグル、零式が暴走した時と似ているような…。

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2008-08-26-Tue 00:09:04 │EDIT
1ヶ月ほど更新をサボっていました。本当にすいません。

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前回までの簡単なまとめ
「ゲーム開発中は”赤目”になる設定だったが、途中で設定が変更になり、ゴーグルは緑のままとなった。しかし、97年に出版された高山瑞穂氏によるマンガ版の表紙では、”赤目”で描かれた」

ボツ設定だったはずの”赤目”が世に出た格好となりました。
それから”赤目”が、どのようにして定着していったか。
今回は、1997年以降のその変遷を追ってみます。

-----
ブルーの”赤目”が定着した原因について、もうお気づきの方もいるだろう。
それは98年にプレイステーションで発売された「Gジェネレーション」(以下、Gジェネ)である。
当時、あらゆるガンダム作品を網羅したシミュレーションゲームとして、ガンダムファンに大ヒットしたゲーム
「機動戦士ガンダム」を始め映像作品はもちろん、「THE BLUE DESTINY」のようにマイナー作品のシナリオもカバー。ゲームを通してガンダム・ワールドを追体験することができました。
迫力のCGムービーも作品の魅力であり、SDではありますが、初めて映像化を果たした作品も多くありました。

「THE BLUE DESTINY」はGジェネ第1作目から登場。
その中において、事件(と書くと大げさだが)は起きました。


EXAMが発動した際、ブルーが”赤目”になったのです。


そしてCGムービーでも同じく。第1作目では原作ゲーム2巻のラスト、イフリート改との対決がムービーになりました。
”赤目”のブルー1号機が戦う姿が印象深かった方も多いでしょう。


さらには、2号機&3号機まで。

Gジェネにおいて、なぜブルーは”赤目”になったのか?
それは、Gジェネで「THE BLUE DESTINY」のストーリーを補完するのに、小説版とマンガ版が参考にされたためだと思われます。

そもそもブルーの原作ゲームは3Dシューティングゲーム(※余談1)であり、ストーリーを展開するにも基本的にはコックピット画面。ゲーム中のデモムービーやステージ間のナレーションによる解説でも展開されますが、物語の全体が把握しづらかったり、詳細な設定部分が説明不足になってしまいました。
(ストーリーをどう伝えるかは開発スタッフも苦労したようで、設定資料集でもそのようなコメントがありました)

たとえば「機動戦士ガンダム」の場合は、ゲームでストーリーの再現をするにも、もともとが「アニメ」という映像媒体であり、ストーリーが展開された確固とした土台があるわけです。
しかしブルーの場合は再現をするべく土台が不安定であったため、小説版、マンガ版による補完があったのではないでしょうか(※余談2)。

私的結論:
原作ゲームのブルーはEXAM発動時にゴーグルの色に変化は無かったが、マンガ版の「EXAMが発動時すると目が赤くなる」という設定がGジェネシリーズで採用された。
また、もともとは1号機のみの設定だったが「EXAM発動→赤目」の流れから2号機と3号機も同じ演出がされた。
Gジェネシリーズに始り、さまざまなガンダムゲームにブルーが登場したときにもこの設定が反映。ガンダムファンの間に広く認識されていき、ついには公式扱いになった。
しかし元を正せば、マンガ版の”赤目”自体が原作ゲームのボツ設定だったため、ボツ設定が思わぬ形で復活、派生していったことになる。
------
”赤目”の設定の変遷はこんな感じでしょうか。
Gジェネ出演で、思わぬ変遷をたどることになったブルー。原作がゲームでありアニメではなかったことが、多彩でバラエエィに富んだ変遷をたどる原因なのかもしれません。

------
※余談1
ジャンル的にはそう分類されていますが、どちらかというと3Dアクションゲームと呼ぶほうがしっくりくる気がする。

※余談2
ストーリー、キャラクターの人物像などは主に小説版から。ビジュアル的な面はマンガ版から、といった感じに。
ビジュアル的な面では、マリオンの背中に天使の羽、ブルーのビームサーベル収納位置、そして”赤目”などが該当するでしょうか。
Gジェネシリーズが本家ブルーディスティニーシリーズに与えた影響というのは他にもあるので、そのあたりもいつか特集してみたいと思います。いつか。

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2008-07-11-Fri 01:39:47 │EDIT
引き続き、ブルーのEXAM発動状態の特徴である”赤目”についてです。
今ではおなじみになっていますが、原作ゲームでは”赤目”になる演出は無く、そのような設定の記述も無い。
しかしながら、ゲーム開発中当時の写真では”赤目”になっている。
これはどういうことなのか?
前回では「ゲーム開発中は”赤目”になる設定だったが、途中で設定が変更になり、ゴーグルは緑のままとなった」と仮説を立ててました。
今回は、その仮説の補足をしつつ、原作ゲームのセールスとほぼ同時期に展開されたマンガ版、小説版について触れてみたいと思います。

あ、とりあえず先に言っておきますが、設定変更の理由についてはわかりません。
こればっかりは、開発者に直接聞かないと。
もしかしたら過去に雑誌等のインタビューで答えているかもしれませんが・・・



こちらは97年出版の漫画版ブルーの単行本の表紙(※解説1)。

こちらでは”赤目”になっています。

同じく漫画版中表紙より。

こちらもゴーグルは、赤。
そして注目したいのは、足に書いてある日付です。

拡大(※解説2)。
「MIZUHO TAKAYAMA 96.6.29」とあります。

原作ゲーム1巻の発売は、96年9月。
そう、このイラストはゲームの発売よりも前に描かれているのです。


当時、最新のガンダムゲームとして発表された「戦慄のブルー」。
おそらく、そのメディアミックス企画として始まったのが漫画版ブルーであり、
作者の高山瑞穂氏にはゲーム開発中初期の段階から詳細な資料が渡っていたと思われます。
このイラストの日付から察するに、ゲーム発売の3ヶ月前では”赤目”の設定であり、それをもとに描かれたではないでしょうか。

というわけで、ブルーディスティニーという作品の歴史で最も初期にあたるこのイラストが”赤目”という事実から、
ブルー本編であるゲーム以外のメディアから、前回立てた仮説の補足をしてみました。

-----
”赤目”の設定は完全に無かったことになったのか?
おそらく、97年当時の段階ではYESだろう。

その根拠として、前回にもありましたゲーム説明書のイラスト、設定資料集のイラストと記述を挙げましたが、
もうひとつ根拠があります。

それが、二つの小説版ブルーです。

皆川ゆか氏によって書かれた小説版は97年2月より執筆が始まっています(※解説3)。
そして8月に発売となった小説版において、EXAMが発動してブルーのゴーグルが赤くなる描写は、一切ありませんでした。
たった一行で解説できる現象であり、なおかつ、演出的にはとてもオイシイ設定であるに、無いのです。

そしてゲームのシナリオを担当した千葉智弘氏によるもう一つの小説版においても、”赤目”はありません。
原作ゲームスタッフによる小説でも無かったということは、”赤目”の設定が自体がボツになっていたからではないだろうか。

-----
これらの話をまとめると、

当初、ブルーはEXAM発動時に”赤目”になる予定であり、高山氏のイラストでも当然、”赤目”で描かれた。
そして開発途中で”赤目”の設定は変更になり、ゴーグルは緑色のままということになり、ゲーム発売に至る。
ゲーム説明書、設定資料集、小説版でも”赤目”には一切触れていないことから、この設定は完全にボツになっていた。

ということになります。

ここで、ひとつ気になる点が一つ。
”赤目”で描かれていた漫画版ブルーの初版は97年2月。
これは小説版、設定資料集発売の前である。
ブルーが”赤目”という設定で無くなっているのに、表紙では”赤目”。
そのため、これは「漫画版オリジナルの描写」であると言える。
むしろ「漫画版オリジナルの描写という事になってしまった」とでも言うべきか。
高山氏的には”赤目”の設定は「生きていた」、もしくは「設定が変更したことを知らなかった」ということだろう。

-----
さて、この「漫画版オリジナルの描写」。
ブルーの没設定が思わぬ形で生き残り、世に出てしまった格好となる。
この事が後に、思わぬ形で広がることになるわけで・・・

次回は、1997年以後のブルーの展開について。
さまざまなゲームに登場するようになったブルーから、どのように”赤目”の設定が普及していったかを追ってみます。


-----
※解説1
こちらは1997年に発売されたもの。高山瑞穂氏による漫画版ブルーは2005年に新装版で再販され、その際表紙は新しく描き下ろされている。

※解説2
なんで拡大図では文字で隠れてないかと申しますと・・・。2003年に、いわゆる「コンビニ本」で再販された際の裏表紙もこのイラストで、そっちの方が見やすかったからです。
また、漫画版は講談社より発行されていた覇王マガジン96年10月号~97年3月号で連載されました。それ以前の日付でもあるため、おそらく連載告知用、もしくは新連載のカラー表紙用に使われたイラストと思われます。

※解説3
その辺の詳細については左カテゴリ内「コラム・設定の歴史」より「ビームサーベル・ラック 収納上手はどちら? その2」を参照。

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自己紹介:
「機動戦士ガンダム外伝 ブルーディスティニー」や一部ガンダム外伝系のネタを取り扱ってます。設定の考察よりも、設定の成り立ちや変遷を追ってます。まあ、参考程度に。

一年くらい更新を休んでましたが戻ってきました。

過去記事のは「カテゴリー」の「記事インデックス」、もしくはそれぞれの項目を参照。セガサターンソフト「機動戦士ガンダム外伝」の情報及び過去のブルー関連フィギュア、カード(2004年頃まで)についてはHP:蒼色一号を参照のこと。
メール:tdfuh1abg@hotmail.com(@は半角)
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