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機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINYについて取り扱うブログです。ブルーディスティニーに関するいろいろなコラムを書いています。

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2024-04-26-Fri 08:37:25 │EDIT
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2010-09-13-Mon 01:01:51 │EDIT
ブルーと陸ガンの設定画における頭部比較。
前回に続き頭部です。

※2枚並べた画像では左がブルー、右が陸ガン。
 重ねて比較した画像では、陸ガンが常に上で赤く半透明になっています。

-----
・頬



形状の違いは画像の通り。
(後頭部の項目でも触れますが、頬パーツは後頭部パーツと繋がっています)

---
・側頭部


トサカがつく部分、後頭部への曲線の角度が違います。
陸ガンの側頭部をブルーに無理矢理つけてみると、

その角度の違いがよくわかると思います。

また、ブルーは後頭部にも装甲があるため
人間で言う側頭部にあたる部分は狭くなっています。

---
・耳パーツ(この表現が合ってるかは疑わしいですが、他に言いようもないので)



付いているモノが違うので、当然形状も違います。
ブルーはバルカンポッドで、陸ガンは…吸気口でしょうか?
(設定上はここに”シュノーケル・カメラ”なるものが仕込んであるとか)

---
・首、襟


ブルーは丸みがかった首、陸ガンは角ばった首をしています。
大きさ自体は同じくらいみたいですね。

襟のパーツの形が違います。
また、ブルーは両襟の間に[H]のパーツがあります。
(人間で言うとネクタイのコブがある辺り)
[H]と首の付け根を基準に合わせてみると、
ブルーの襟は陸ガンより大きいことがわかります。

上の首を重ねた画と、

こちらの

頭部を重ねた画だと、重なり方が違っています。
首自体の大きさは変わらないのに、なぜだろうか?

ブルー、陸ガンともに
口、頬パーツを基準に首が描かれていますが
陸ガンはブルーより口、頬が若干大きいため、
このような重なり方になります。
では、なぜ頭部を重ねたときに全体的な大きさが一致しているように見えるかというと、
先にも述べたとおり、ブルーの[H]部が陸ガンより
大きいため、その大きさで辻褄が合っているわけです。

参考までに、陸ガンにブルーの首(赤い部分)を付けてみました。
口、頬でパーツが隠れてしまうのがわかります。

(全身設定画では首部分でも身長差がありましたが、
 それは陸ガンの首が小さく描かれていたという
 絵的なことが要因です
 頭部設定画では陸ガンの首がちゃんと描かれているため、
 全身設定画のときのような身長差は生じません)


---
・後頭部からの図で比較。


こちらも口部分のパーツを基準に合わせましたが…
微妙に角度が合いません。描かれた角度が違うからだろうか?
(角度が違うので、後頭部では画像を重ねての検証は行いません)

---
・トサカ後部、後部カメラ

前回のトサカ比較でも触れましたが、後部も形が違います。
後部カメラはトサカとくっつく位置([I]、[I'])が違います。

---
・後頭部

後頭部の形状が違います。
ブルーの場合、[J]の部分が側頭部~[K]からは独立した一つの装甲のように
なっており、それが被さるように付いています。

陸ガンの場合は頬から後頭部まで一つのパーツとなっています。
(上の画像では後頭部以外は暗くなっていますが)


-----
とまあ、違いはこんな感じです。
解説がわかりにくい所もありますが、
比較画像だけでも伝わって頂けたら幸いです
(特に首・襟に関する説明が下手でスイマセン)

次回は胴体の違いを検証します。
ブルー1号機と陸ジムの頭部の比較もやってみたいですが
顔ばっかり見てても飽きてしまうので(俺が)、
その件はまたの機会に…。
---
・近況
3万HIT超えました。
少しずつですが一日平均のHIT数が上がってきているのは
嬉しい限りです。
本当にありがとうございます。

拍手[0回]

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2010-09-03-Fri 01:00:27 │EDIT
ブルーと陸ガン、設定画における頭部の比較です。

ブルー3号機と陸戦型ガンダム(以下、陸ガン)。
設定画だとバランスの違いがよくわかる両機ですが、
イラスト、立体物だとパッと見て見分けがつかない方もいるのではないでしょうか。
(って、こんなニッチなブログを見てる方に限って
 そんな事は無いでしょうけど…)

と、いうわけで細かいデザインの違いを検証してみたいと思います。
今回は”頭部”の設定画。
両機とも頭部のみの設定画が存在するので、
それを使っていきます。
(全身設定画では潰れていた
 陸ガンの首部分ですが、
 頭部のみの設定画だと首部分が描かれています)

-----
まず、2枚を並べてみましょう。
同じ形状のものがほとんどないので
かろうじて近い形をしている口まわりを基準に縮尺を揃えました。

よく似ているといわれる両機ですが、並べてみると…

ずいぶんと人相が違うのがわかります。
※以降、2枚並べた画像の場合は左側がブルー、右側が陸ガンになります。
 2枚重ねた画像では、陸ガンが常に上に被さっていて、
 赤色に着色されています。



口周りを基準とし、陸ガンを着色して重ねてみました。

口周りを基準に合わせた縮尺でしたが、
全体の大きさは、ほぼ合致しました。結果オーライ。

-----
パーツごとにみていきます。
・メインカメラ、トサカ

メインカメラの形状が違う。
陸ガンのものに比べ、ブルーのものは出っ張っている。
ブルーには、トサカに[A]のパーツが付いているのも特徴。

トサカ部分自体は同じ物に見えますが
重ねてみると違いが見えてきます。

[B]の点の位置が違う。
あと、トサカの上辺の角度が違いますね。

トサカ部自体の大きさは大体同じようです。

…余談ですが、トサカを基準に全体を合わせると

このように口のあたりがズレてしまいます。

---
・アンテナ


アンテナを留めるパーツは見ての通り形が違います。
アンテナ自体は…単純に角度の違いな気もしますが、ブルーのほうが厚いかな?

---
・額あて


ブルーは陸ガンに比べて、ちょっと小さい。

[D]、[D']を参照。
ブルーはバルカンポットがあるため、端が少し切れている。

[E]、[E']を参照。
ブルーは”へ”の字に角ばっているが、陸ガンはまっすぐである。

[C]、[C']を参照。
額あての正面の下向きの出っ張り、ブルーは眉間に付くぐらい近いが、
陸ガンは眉間から離れている
(同じ角度の設定画で、陸ガンだけ右目が確認できるのはそのため)

ためしに、ブルーの頭部に陸ガンの顔部分のみを重ねてみますと…

こうなります。
ブルーの設定画と同じように、右目が隠れました。
(あまり違和感が無いからわかりにくいですが、
 次の項目で切り出している陸ガンの顔部分を、
 そのままブルーに当てはめています)

---
・顔

大きさは同じ。
目の形が違います。[F]、[F']を参照。

[G]、[G']のパーツの形が違います。

重ねてみると…

目の隈取、口周りの形が微妙に違うのがわかります。

-----
次回は側頭部、頬、後頭部などを見ていきます。

(画像の加工に手間取ってまして、更新が滞り気味でスイマセン)

拍手[1回]

2010-08-08-Sun 23:46:33 │EDIT
前回の記事の勘違いの訂正と、
わかりにくかった箇所を修正して、書き直しました。

では、改めまして…

ブルーディスティニーと陸戦型ガンダム(以下、陸ガン)の
設定画におけるデザインの違いを、数回に分けて比較してみたいと思います。
(一部、前回と重複する箇所があります)

第1回は「頭身バランスの違い」です。

-----
まず、両機の設定画を見てみましょう。



これらの設定画から、ブルーの体格にはスラリとした印象、陸ガンにはどっしりとした印象を
持っている方は多いと思います。

両機を並べてみます。
パーツの構成のせいで、結構バランスが違うので
ほぼ同じパーツである肩、腰のマガジン、つまさきを基準に
縮尺を揃えています。


実は、頭身がこんなに違うんです。

陸ガンのパーツをバラして、ブルーに合わせる位置に置きます

こうなります。
陸ガンのパーツの間に隙間が出来ました。

これを、ブルーに重ねてみます。


陸ガン部分を着色。


着色部を半透明にして比較。


パーツ単位でみれば、両機の大きさはたいして変わっていない。
では、なぜ身長差がでたのか?
部位ごとに見ていきましょう。
(ついでに左右のバランスの違いも)

---
1.頭と首まわり
頭頂部の形、メインカメラの形が違うので目を基準に合わせました。
ブルーには、陸ガンでは埋もれていた首が描かれているため、
それにより高さに違いが出てきます。

2.胸まわり
突き出た胸のコックピット部は幅がブルーが若干太く、
また、三角マークの位置・大きさが違うので
大体をあわせました。
左胸も同じく大体で。

3.胴まわり
ブルーの特徴である腹部のジャバラ状の円錐パーツにより、
若干だが陸ガンより身長が高くなっている。

[2011/4/29訂正]
よく検証したら大きさはほぼ一緒でした

4.腕
右腕、陸ガンのパーツがブツ切りになっていますが、
ブルーは右側にせり出て描かれてるので
陸ガンを重ねるとこうなってしまいます。
(よく見ると、ブルーは二の腕のデッサンがちょっとおかしい気が…)
左腕、二の腕はブルーと陸ガンで角度が違うので完全に一致しません。

陸ガンの両腕が上下にもブツ切りになっている事から、
ブルーは陸ガンより腕が長いことがわかります。
これは、ブルーがジャバラパーツのため胴と腰の間が高くなっているため、
それにバランスを合わせたものと思われます。

5.腰
フロントアーマー、マガジンが付く装甲の大きさがだいぶ違います。
ブルーのフロントアーマーに付いた謎の箱一個分が、
陸ガンのフロントアーマーとほぼ同じです。
(この箱、なぜこんなに大きいのか!?やはりここにはビームサーベルが入ってて
 大河原氏もそれを想定してデザインを…以下略)


股間部分も、ブルーは若干高くなっているのがわかります。

6.太もも
身長差が出た、最大の原因がここ。
両機ともフロントアーマーの底辺を基準に太ももが描かれているが、
ブルーはフロントアーマー自体が大きいため、
その差がブルーの身長を高くしている。
(それに加えて、単純にふともも自体が長く描かれていることも理由だろう)
陸ガンのフロントアーマーを基準にブルーのふとももをみると
ずいぶんと長く描かれていることがわかる。

7.膝、スネ、くるぶし
スネの内側の多角形のパーツは形こそ違うが、大きさがほぼ同じ。
その他も同じく、くるぶしの丸パーツまで、形状は違えど大きさはほぼピタリと一致。
(なお、多角形パーツはブルーは七角形、陸ガンは六角形。
 HGUC版ブルーは陸ガンと同じパーツで六角形になっている)

8.足
身長差が出たもう一つの部分がここ。
両機ともアンクルアーマー(足首を守る装甲)の
底辺を基準に足が描かれているが
ブルーのアンクルアーマーが陸ガンより大きくかかれているため、
そこを基準に描かれた足も陸ガンより大きくなり、
結果、身長が高くなっているようである。
(それにより、陸ガンでは見えなかった
 かかと部分がブルーは描かれている)

---
昨今のゲームや立体物、イラストでは
両機のバランスを上手く合わせているため、
(というか、ブルーのバランスを陸ガンに合わせて)
身長差による違和感は解消されているようです。
設定画でこれだけ身長差があると、
ブルーが陸ガンの改造機という設定に説得力がなくなってしまうので、
当然といえば当然の処置でしょう。
(設定画のバランスが好きな自分としては、ちょっと複雑ですが)

しかし、書籍や雑誌ではこれら設定画が使われることが多いため、
「ブルーはスラっと、陸ガンはどっしりと」といった印象は
これからも続いていくのではないか…と思います。


次回はパーツごとの形状の違いを見ていきたいと思います。


----------
※記事を書き直した経緯について…

「HGUCのブルーって設定画とバランス違うねぇ…HGUCの陸ガンに合わせた感じだし。
 具体的にどう違うのだろうか?
 まずは設定画における陸ガンとブルーの頭身バランスの違いを調べてみようかな」

そんな軽いノリで始めた、前回。
ひとまず、上下バランスから検証。
レイヤー機能使える画像編集ソフトがあれば便利と気づき
途中から「GIMP」に挑戦し、書き上げたのが前回のコラム。

その後。
陸ガンをバラして切り貼りしてたら思った以上に
違う箇所が多く、ヒーコラ言うハメに。
 始まりだけは軽いノリで、
 知らないうちに(レイヤーが)厚くなって…

作業の途中で、脚のバランスの考察を勘違いしていたことが判明し、
「だめだこりゃ」というわけで
イチから書き直しました。

ややこしくなってスイマセンでした。

拍手[1回]

2010-07-24-Sat 01:57:19 │EDIT

[7/31追記]
よくよく調べてみたら、
足の位置に関する考察を間違えていることが判明しました。

この記事も大変わかりにくいものになっているので
後日、間違いを訂正しつつ記事を書き直したいと思います。


とりあえず、この記事は削除せずに残しておきます…。


ブルーディスティニーと陸戦型ガンダム(以下、陸ガン)の
設定画におけるデザインの違いを、数回に分けて比較してみたいと思います。


-----
◆頭身のバランス
まず、両機の設定画を見てみましょう。


これらの設定画から、ブルーの体格にはスラリとした印象、陸ガンにはどっしりとした印象を
持っている方は多いと思います。

両機を並べてみます。
パーツの構成のせいで、結構バランスが違うので
ほぼ同じパーツである肩、腰のマガジン、つまさきを基準に
縮尺を揃えています。


実は、頭身がこんなに違うんです。

陸ガンのパーツをバラして、ブルーに合わせてみます。
おおよその比較になりますが…

こうなります。パーツ間に上下の空白が出来ました。


基準としたラインごとに、検証してみましょう。

ライン1、頭頂部。
実は頭頂部の合わせどころが微妙に違いますが、これはトサカ部の形状の違いが理由。
(その辺の詳細は別の回に)
陸ガンでは埋もれていた首パーツが描かれているため、
それにより高さに違いが出てきます。

ライン3、腰
腰の高さ違いは、ブルーの特徴である腹部のジャバラ状の円錐パーツによるため。
これにより、若干だが高くなっている。
ついでに、ライン3の両腕を見てみましょう。
前腕の間接の付け根あたりの横線。ここと、
ブルーの手首に合わせたライン4参照を基準に
陸ガンの腕を合わせていくと、右腕は手首で、
左腕は二の腕で分かれることになります。

ライン5の膝とライン7の足先
ここを基準に見ると、膝から足までにかけて大きさはたいして変わらないのがわかります。
しかし、陸ガンの”太もも”を切り出してみると、
ブルーの太ももよりだいぶ短いのがわかります。

両機に身長差がある最大の理由は、これの長さと位置の違いによる。
(ブルー太ももが長い原因については、別の回に。
 今回は位置についてのみ言及します)

ライン6が、ブルーの膝関節パーツの付く位置。
それに陸ガンを合わせてみると、違いがよくわかると思います。
膝関節がつくのは、スネから膝の間、内側にある多角形のパーツの上部付近になります。
(ブルーは7角形、陸ガンは6角形)
ブルーの多角形のパーツは、同位置にある陸ガンの多角形のパーツより
縦に長くなっているため、膝関節の付く位置が陸ガンより高くなってしまう…というわけです。



昨今のゲーム、立体物、イラストでは
両機のバランスを上手く合わせているため、
(というか、ブルーのバランスを陸ガンに合わせて)
身長差による違和感は解消されているようです。
しかし、書籍、雑誌などではお馴染みのこれら設定画が使われるため、
「ブルーはスラっと、陸ガンはどっしりと」といった印象は
これからも続いていくのではないか…と思います。


最後に、これらバラしたパーツをブルーに被せてみましょう。

こんな感じになりました。


ブルーの、向かって右側を基準に陸ガンパーツを被せましたが…
何か違和感を感じませんか?

そう、左右のバランスが違うため、
片方を基準にあわせると片方がずれてしまうんです。
特に腰あたりが顕著ですね。

パーツをもっと細かくバラして左右を合わせて被せてみたい所ですが…
画像の加工に疲れたので、この辺にしたいと思います。
次回はブルーと陸ガンの左右のバランスの違いについて
レポートします。

-----
おまけ。
ブルーにあわせて陸ガンの身長を無理矢理引き伸ばしてみた。


陸ガンにあわせてブルーの身長を無理矢理縮めてみた。

拍手[0回]

2009-05-04-Mon 01:11:53 │EDIT
久々にまともにブルーのネタです。
前回の記事より、気づけば4ヶ月。間を空けて本当にスイマセン
関連する前回の記事は以下二つです。

GUNDAM LEGACY-RECORD 02 蒼き宇宙の彼方に

宇宙世紀0093年のユウ・カジマ その1
-----

宇宙世紀0093年のユウ・カジマが定着した経緯は「その1」で書きました。
その中で、現在でもファンの間ではたまに
「逆シャアのクライマックス、アクシズに取り付くも飛ばされそうになるギラ・ドーガの腕を掴んだジェガンのシーンがあったが、実はあのジェガンにはユウ・カジマが乗っていた」
と、話題になることがあります。
「そうだったのか!」と思う方、「おまえは何を言っているんだ」と思う方、さまざまと思いますが、
今回は「ギラ・ドーガの腕を掴んだジェガン」について話をしてみたいと思います。

◆その初出
そもそも、その話の出どころはどこなのか?
これは「宇宙世紀0093年のユウ・カジマ」を描写した、小説版がモトとなっています。
その描写を抜粋してみましょう。

大気の上層と触れ合う機体は、いっそう震動していた。風圧が、俺の傍らのギラドーガを小惑星の表面から引きはがすのが見えた。
とっさ、俺は敵機の腕を掴んでいた。だが、支えきることはできなかった。
ギラドーガはアクシズの表面を跳ねながら、後方へ飛んでしまう。



『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のクライマックスのワンシーン、ギラドーガの腕を掴む、名も無き連邦兵のジェガンのパイロットをユウ・カジマとした描写です。
「その1」でもあったように、この時代のユウ・カジマの描写自体が作者からのファンサービス的なものであったため、この手を掴む描写も同じくファンサービスだったと思われます

◆小説版「THE BLUE DESTINY」のフィードバック現象
ここで、小説版「THE BLUE DESTINY」の影響力にも触れてみたいと思います。

「THE BLUE DESTINY」という作品は、原作ゲームの段階で詳細な設定(※1)が無かったため、小説版では独自の設定を新規に加え、補完していました。
そして「THE BLUE DESTINY」がガンダム関連書籍などで紹介される場合、詳細な設定が記述された小説版が引き合いに出される場合が多くみられました。
そしてファンサイドで作品を語りあう場合も、同じく小説版が引き合いにだされることが多く、小説版の設定=作品の設定として
認知され、「半ばオフィシャル」化する現象がおきたわけです。
(代表例として、ユウの所属する実験部隊がの名称が『第11独立機械化混成部隊』という設定)


話は戻りまして…
「ギラ・ドーガの腕を掴む、ユウのジェガン」この描写は原作ゲームには無い、小説版独自の描写。
ファンサービス的なものであって公式ではありませんでした。

そのはずでしたが、これもまた引き合いに出されることが多かったため、
「ギラ・ドーガの腕を掴んだのは、ユウのジェガン」というのが広く認知され、「半ばオフィシャル」化していきました。

その駄目押しが、『Gジェネレーション』シリーズ。
*(画像準備中)
ギラドーガの腕を掴むも、離れてしまったジェガンの、1枚のイラスト。
ゲームではこのジェガンにユウが乗ったとは明言されてませんでしたが、これによって「逆シャアのあのシーンでは、ユウがあのジェガンに乗っていた」という話が広く知られていったと思われます。

-----
※以下、当て推量な個人的意見となります

◆富野監督の意図
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のラストシーン。
ジェガンに乗ったパイロットは、敵であるはずのギラ・ドーガが飛ばされようとした時、
思わず手を伸ばす。
アムロの意思に共感し、アクシズに取り付いた者たち。
「地球を守る」という意思が一つになったあの瞬間、それぞれのパイロット達に連邦とネオジオンの区別、
敵・味方の区別はなかった。
名も無きジェガンのパイロットはその象徴であり、一連のシーンはその縮図である
…というのがあのシーンの監督の意図と思われます。

だとするならば、あのパイロットに名前があっては、いけないのではないだろうか?

名がないことであのパイロットは象徴になりえたのだと思う。
名前ならまだしも、さらにあのパイロットに「ユウ・カジマ」という一個の人物の個性が加わると
”ユウの意思で行われた行為”ということになってしまう。

そういう意味では、小説版の描写は、富野監督の意図を捻じ曲げたもの、と言えるかもしれません。

◆ユウがそこにいたという証
ユウがギラ・ドーガの腕を掴むという描写は、あくまで、ファンサービス。
宇宙世紀0093年、アクシズ攻防戦に彼が参加した描写に映像で動きのあるシーンを使えば、
読者は映像でも”ユウがそこにいた”というのを感じることができる。
まして、特に印象の深いシーンならば、なおさら。
小説版はそういう意図で書かれたのではないか?と思います。

そしてユウがあの行為を行うという展開ができたのは、
小説版が
「サンライズ”公認”であるが、”公式”とは限らない」というスタンスで描かれたから、ではないでしょうか。(※2)
(ガンダム公式辞典のインタビューでもその意図は伺えます)
だからこそ”公式”の映像作品である『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のワンシーンに、富野監督の意図を変えてでも独自の演出ができたのではないでしょうか。

たまにネットで「あのジェガンのパイロット論争」を見かけ、そのたびに
「勝手に設定を後付された!」という意見がありますが、
肯定派も否定派も、あの小説版が”公式”ではないという事実を見落としているような気がします。

もっと身も蓋もない言い方をすれば

「これはこれ、それはそれ」。

あくまで楽しんでもらうのが意図であって、著者である皆川ゆかに
「ギラドーガの腕を掴んだというのはユウだった、ということに決定しました!」
という意図は、微塵もなかったのではないでしょうか。


◆結論
公式設定としては
「ギラドーガの腕を掴んだジェガンのパイロットは、ユウでは無い」。
これは、確定だと思います。


しかし、小説版を読んだ自分としては…
小説版の冒頭の描写にド肝を抜かれ、ユウがたしかに宇宙世紀に生きた証として
描かれた一連のシーンに感動したのは、まぎれもない事実。
あのパイロットがユウであった、と信じていたい。
でも、アレが名無しのパイロットであるからこその感動も、わかる。

だから、あくまで
「これはこれ、それはそれ」。


「あのパイロットはユウですよ!」と声高に叫ぶのではなく、
信じたい人が信じればいいし、それを強要する必要も無いものだと、僕は思います。
-----
※1
ここでいう「詳細な設定」とは、小説という媒体で物語を展開するにあたり必要だった詳細設定。
また、それはガンダムファン、マニアが求めるレベルの設定でもある。
原作ゲームの設定に不備や手落ちがあったという意味ではありません。

※2
”公式”と”公認”について。あくまで自分なりの解釈。個人的見解なので、多少の誤解があるかもしれません。
”公式”は、いわゆるサンライズ認定の、公式設定。
ここでいう”公認”とは、要するにガンダムを題材に商売することをサンライズに”認めて”もらった状態を指します。
それでもサンライズからチェックが入り、ガンダムの世界観から大きく外れることは許されず、”公式”にも成り得ない。
しかし、だからこそ”公式”との面倒なつじつま合わせの必要がなく、ある程度設定を自由に作り出せる。



-----
前回のコラムより4ヶ月以上間を置いたわりには
結局、言いたいことをうまくまとめきれなかった感があります。
この辺の問題はまたいつか再考してみたいと思いますが、今はこれが精一杯。
もっと精進します…

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自己紹介:
「機動戦士ガンダム外伝 ブルーディスティニー」や一部ガンダム外伝系のネタを取り扱ってます。設定の考察よりも、設定の成り立ちや変遷を追ってます。まあ、参考程度に。

一年くらい更新を休んでましたが戻ってきました。

過去記事のは「カテゴリー」の「記事インデックス」、もしくはそれぞれの項目を参照。セガサターンソフト「機動戦士ガンダム外伝」の情報及び過去のブルー関連フィギュア、カード(2004年頃まで)についてはHP:蒼色一号を参照のこと。
メール:tdfuh1abg@hotmail.com(@は半角)
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