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機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINYについて取り扱うブログです。ブルーディスティニーに関するいろいろなコラムを書いています。

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ガンダムCGワークス GUNDAM DIGITAL ARCHIVES

2011-09-23-Fri 01:33:09 │EDIT
先日、古本屋にてこんな本を見つけました。



「電撃攻略王スペシャル ガンダムCGワークス GUNDAM DIGITAL ARCHIVES」
発行:メディアワークス
初版発行日:1997年4月15日
企画:B-CLUB編集部

1997年までに発売されたゲーム、PCソフトにおけるガンダムのCGワークスを紹介する本です。
ラインナップは以下の通り。
・GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH (Mac)
・機動戦士ガンダム Ver.2.0 (PlayStation)
・機動戦士ガンダム (SEGA SATURN)
・機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルーディスティニー (SEGA SATURN)
・ガンダムタクティクス-MOBILITY FLEET 0079- (Pippin & Mac & Windows95)
・GUNDAM VIRTUAL MODELER PRO (Mac)


巻末には当時のバンダイ・デジタル・エンタテインメント、バンダイマルチメディア事業部へのインタビューが掲載されています。

当ブログ的には、やはりブルーに関する項目を紹介していきたいと思います。

-----




まず最初に掲載されているのが、これらのイラストです。
出典が明記されていませんでしたが、初出は当時バンダイより刊行されていた雑誌「B-CLUB」になります。それぞれ初出は
外伝1:Vol.131 96年10月号
外伝2:Vol.132 96年11月号
です。

(ブルー1号機のゴーグルが赤くなっていること注目なんですが、その辺の考察は今回は割愛。またの機会に…。また、外伝3に関するイラストがありませんが、B-CLUBにも外伝3イラストはありませんでした…確か。一応、確認はしたのですがイマイチ自信がありません。96年、97年当時のB-CLUBをお持ちの方、よろしければ情報プリーズ!)






ゲームのキービジュアルはじめ、劇中CGやイラストを掲載。
加えて、簡単ですが全ステージの攻略アドバイスが載っています。



---
巻末には、当時のバンダイマルチメディア事業部の浅沼誠氏、高橋一陽氏、稲垣浩文氏へのインタビューが掲載。
その中から、稲垣浩文氏へのインタビューを引用して紹介したいと思います。
ゲーム開発にまつわる、興味深い裏話が語られています。




※以下、赤字、青字は本文より引用(注釈含む)

インタビュアー(PS版ガンダム、SS版ガンダムの企画の話に続き)「外伝」シリーズは?この作品だけ、オリジナルですが?

稲垣:当時、セガさんで「バーチャファイター」を制作された時に開発された技術が、サードパーティーにも公開されたんです。それで、サターンで3Dポリゴンのアニメーションを表現するにあたって飛躍的な進歩があったんです。
で、いろいろと実験してみたんですが、ロボットを使ったゲームに打って付けだったんです。ロボットとなればバンダイの場合やはり「ガンダム」でしょう。
そこで、一番ユーザーがいるファーストガンダムでやることにしたんです。
ただ、今までと同じ「ガンダム」を作っても面白くないので、オリジナルにした訳です。サンライズさんが協力してくださったので、できたのです。
さらにそれを3部作で完結するようにしました。アニメのオリジナルビデオシリーズの感覚ですね。
「外伝」はシリーズ化することで、価格も低くおさえています。ただ、制作に入ってすぐにビデオで「08小隊」が出ることになって、ほとんどコンセプトが同じなんであせりました。
ただ、結果的には、この作品のおかげでいろんな設定が新たに産まれて、「外伝」は作りやすくなりましたね。
ガンダムというメカも、本来はアムロの乗った1機しかいないのですが、「08」で陸戦用ガンダムが出てくれたおかげで、「外伝」もその陸戦用ガンダムを改造した機体ということでブルーディスティニーを出すことができました。



インタビュアー:なぜ、コクピット・ビューになさったんですか?

稲垣:開発当時、サターンのソフトで、コクピット・ビューのゲームがなかったんです。
それと、プレイステーション版の「ガンダム」が、コクピット・ビューで評判が良く、サターンのユーザーもガンダムに乗りたいだろう、という点で。結果的に「外伝」のアンケートハガキでも、コクピット・ビューは、良いという評価を得ましたので。
しかし、東京おもちゃショーで、セガのブースに「ガングリフォン」が展示されていたのを見て、驚いたのを記憶しています。
(注・このソフトもコクピット・ビューを採用しており、「外伝」シリーズより先に発売されてしまった)



インタビュアー:それぞれのソフトの力を入れた点や、苦労話などありますか?
(中略)
浅沼(当時のバンダイメディア事業部開発課主任):「Version2.0」では、コクピットの設定がなくて。テレビ放送時には、きっちり設定されていないんですよ。
それで、よりリアルな物としてああしました。メインの画面が3分割されていますので、ちょっと見にくい部分もありますが、コアファイターのコクピットから考えるとあれが正解に近いはずです。

(中略)
稲垣:「外伝」シリーズも、コクピット・ビューですが、よりゲーム的なレイアウトになっています。メインの画面を大きくとっていますし。
もともと「外伝」でプレイヤーが操縦するブルーは、オリジナルの設定なので、多少自由にできたんです。
ただ、モビルスーツに乗っているという雰囲気を壊さない程度のアレンジですが。



インタビュアー:「外伝」シリーズの制作はどうでしたか?
稲垣:「外伝」シリーズは、立て続けに3作を発表したのがきつかったですね。
1本1本の間の制作期間が短くて。しかも、そのままではなく、システム的にも毎回進化させていったので。それに3部作でデータを引き継げる形にしたのですが、これがやっかいでした。システムをいじっているのに引き継ぐというのが、結構大変でして。スタッフもわたしも、死にました。



インタビュアー:物語は、どのようにして決められたのですか?
稲垣:はじめはジオンでプレイするような物も考えていたんです。でも、ジオンでプレイすると、敵がジムとボールしかいなくなってしまうんですよね。
これではあまりに寂しいので、今の連邦側をプレイする形になったんです。
物語も3Dシューティングというシステムの性格上、あまり複雑な物ができなくて、はじめに作った物はあえなくボツにしました。
そのボツ物語から、仕様に合わせて組み直したのが、現在のストーリーです。
3部作ですので、プレイヤーが興味を失わないように大きな謎を設定して、引っ張る形になっています。





※ここまで※
---
初めて見る情報が幾つかありますが、ほぼ、「機動戦士ガンダム外伝 設定資料集」に収録された”スタッフ座談会”で語られていた内容と被っていますね。

と、いうわけで”スタッフ座談会”の内容から補足をしつつ、個人的に興味深かった点をいくつか。

>で、いろいろと実験してみたんですが、ロボットを使ったゲームに打って付けだったんです
この辺りはスタッフ座談会でも語られていますね。
ガンダムは無理と言われていて、試しにザクを作ってみたら出来たので「行けそうじゃん!」という感じだったみたいです。

>しかし、東京おもちゃショーで、セガのブースに「ガングリフォン」が展示されていたのを見て、驚いたのを記憶しています。
96年に東京ゲームショーが開催される以前は、おもちゃショーでゲームが展示されていました。
と、いうことはガングリフォンの展示は95年のおもちゃショーになりますかね?
そのころには「外伝」の企画はスタートしていたようです。
ガングリフォンは”ロボットシミュレーター”とか”戦場シミュレーター”といった趣きがあるため、
同じ3Dロボットものでもスピード感のある外伝シリーズは上手く差別化できているなあというのが、個人的感想。


>制作に入ってすぐにビデオで「08小隊」が出ることになって、ほとんどコンセプトが同じなんであせりました。
企画自体はブルーの方が先だったのか。08小隊のスタートを受けて始まった企画…かと勝手に勘違いしていました。
コンセプトが同じ、ってのは量産型MSで小隊を組んで戦うってあたりでしょうか。
加えて、「外伝」はコクピットビューということで複雑なストーリー展開が出来ないこともあり
当初はニュータイプ色の無いものを目指していたようでした(※1)。ミリタリー色の強いストーリー、という点も被ってしまっていたようですね。
結果的には、ニュータイプ要素のおかげで08小隊を差別化出来て良かったと思います。


>よりゲーム的なレイアウトになっています。メインの画面を大きくとっていますし。
 もともと「外伝」でプレイヤーが操縦するブルーは、オリジナルの設定なので、多少自由にできたんです。

ブルーのコクピットハッチが陸ガンのと形状が違うのは、この辺りが理由かも?
陸ガンのハッチのままだと、画面中央に線が入ってしまうから、そうならない形のハッチにしたのかも。
…と、いいつつブルーのハッチの形って陸ガン初期案のものと同じなんですよね※2。
初期案のハッチの方がゲーム的に都合が良かったから、そのまま使ったのかも・・・。





※1 ニュータイプ色の無いものを目指していた、というのは設定資料集、スタッフ座談会のアートディレクターのコメントより。
本文中にもある「はじめに作った物」で既にニュータイプ要素やEXAMの設定があり、
ストーリーはゲーム向きではなかったがそういった要素は残して再構成していった、という趣旨のコメントがあります。

※2 陸ガン初期案のデザインを流用したのがブルー、というのは有名な話ですね。
ハッチの形に限らず、初期案には陸ガンよりブルーに近い部分が多数みられます。
なお、陸ガン初期案のイラストは「大河原邦男 GUNDAM DESIGN WORKS」という本に収録されています。
当ブログでも、いつか特集してみたいと思います。いつか…。



-----
こんなところでしょうか。
「外伝」に限らず、90年代後半のガンダムゲーム事情が伺える本となっていますので
興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。



余談
>「Version2.0」では、コクピットの設定がなくて。テレビ放送時には、きっちり設定されていないんですよ。
あれ?設定は知らないけど、設定なら放送時には既にあったような気がしなくもない…
そういえばSS版ガンダムのアニメパートのコクピットデザインって確かカトキハジメがやってたはず。
やっぱりコクピット設定がないから、カトキハジメが新しくデザインしていたのかな?

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自己紹介:
「機動戦士ガンダム外伝 ブルーディスティニー」や一部ガンダム外伝系のネタを取り扱ってます。設定の考察よりも、設定の成り立ちや変遷を追ってます。まあ、参考程度に。

一年くらい更新を休んでましたが戻ってきました。

過去記事のは「カテゴリー」の「記事インデックス」、もしくはそれぞれの項目を参照。セガサターンソフト「機動戦士ガンダム外伝」の情報及び過去のブルー関連フィギュア、カード(2004年頃まで)についてはHP:蒼色一号を参照のこと。
メール:tdfuh1abg@hotmail.com(@は半角)
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