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機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINYについて取り扱うブログです。ブルーディスティニーに関するいろいろなコラムを書いています。

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2008-12-03-Wed 01:22:31 │EDIT
最終話「茫星(ぼうせい)」


<ユウ・カジマ>
<待ッテイマシタ…アナタヲ!>

キャリフォルニア・ベースに向けて進軍中の連邦軍への、ジオン軍による長距離ミサイル攻撃。それを阻止せんと出撃したユウ・カジマの乗るブルー1号機はEXAMシステムを発動させ、恐るべき力でミサイル基地を壊滅させた。
ユウはその戦闘の最中、翼をもつ少女の幻影を見た。
---
フィリップ、サマナらはキャリフォルニア侵攻部隊に編入される。
連邦軍は大部隊を率い、ついにキャリフォルニア・ベースに攻め込んだ。
多数のMSが激突する戦場で、ドムに襲われたフィリップを救ったのは、遅れて駆けつけてきたブルー1号機であった。
そのまま3機の敵MSを撃破するブルー。しかし、ブルーはフィリップらにも銃口を向ける。
「オレにもわからない…だが、ブルーがお前たちも敵だと認識している」
<裁キヲ!罪深キ者タチニ死ヲ!>
ユウの頭に響く少女の声。
激しい攻撃の衝動を振り払うように、ユウは上空に向けて発砲した。
銃声が響く空。EXAMに引き合わされたかのように、マスドライバーの発射台にイフリート改が表れる。
「全ての者に裁きを。それがEXAMの力だ。マリオンの力、返してもらうぞ!」
イフリート改はブルーに斬りかかった!
それを皮切りに、2機は激しい一騎打ちに入る。
<ニムバス!><ユウ!>
ビームサーベルとヒートサーベルが激しくぶつかり、その瞬間、二人の脳裏に映像が飛び込む。
---
それは、マリオンという名の少女の記憶であった。
クルストと名乗る博士。
彼の期待に応えるため、戦争を早く終わらせるため、彼の研究に協力するマリオンだが、
クルストはしだいに彼女の能力に恐怖する。
「危険だ!いずれ彼らは我々旧人類を裁く日が来る…!そうなる前に、我々旧人類がニュータイプの力を利用させてもらう!」
マリオンは自分への激しい恐怖と憎悪を感じ、EXAMシステムの中に心を閉ざしてしまった…。
---
EXAM機同士の高速戦闘に、双方とも激しく消耗していく。
「ユウ!私に力を貸してください!全てのEXAMをこの世界から消し去るために!」
ユウはサーベルを抜き、イフリート改を斬り付ける!
しかし同時に、ニムバスはグレネード弾を放つ!
弾はブルーの頭部を直撃・大破させ、イフリートもまた、機体を爆発させ、散った。
「やった…のか?マリオン…」
ユウは意識を失う。
---
目覚めると、目の前に翼をもつマリオンの幻影が見えた。
「ありがとう。これで2つの私を消すことができたわ…残りはあと…」
「待ったマリオン!君を助ける方法を探そう!諦めるのはそれからでもいいだろ?」
EXAMを巡る激戦は、まだまだ続くだろう。
しかしともかく、一つの戦いは、終わったのだ。
頭部を失い、半壊したブルーに夕陽が照らされる。空には、宵の明星が輝いていた。

-----
※最新の設定に合わせ、あらすじ中では『キャリフォルニア・ベース』と表記しましたが、
漫画版が出版された当時では『カリフォルニア・ベース』という表記でした。

尺の都合からか、原作ゲーム2巻ステージ2「その名はブルー」、ステージ3「タイムリミット」は
1Pの戦闘描写にまとめられており、最終話のメインは、ステージ5「宿命の戦い」が下地です。

同じく尺の都合からか、これまでの話のペースに比べて最終話は若干駆け足気味な展開の印象があります。
しかし、それでも話はよくまとまっており、また、スピード感ある描写に読み応えがあります。

◆原作ゲームとの違い
・最終和の冒頭で、ミサイル基地の戦闘を終えたブルー1号機は排熱をした後そのまま飛び立っていますが、原作ではオーバーヒートしてその場に各座しています。
・原作ではキャリフォルニア・ベース攻略作戦にフィリップ、サマナに少し遅れて参戦し、共に戦っています。
そして、その段階ではEXAMが発動してないので、仲間を敵とみなしてしまう描写は無く、
ステージ5でイフリート改を相対することで勝手にEXAMが作動します。
(マンガ版では、フィリップを助けに入った段階で既にEXAMが発動している印象を受けます)

◆ミサイル基地での戦闘を終えたブルー。

ブルーがどのように排熱するかがわかる、貴重なカットです。
この後、ブルー1号機は飛び立っています。
(オーバーヒートするまでEXAMを使わなかったからか、単に話の構成の都合かな)


あ、こんな所でも排熱してる!
ここは、現在の設定ではビームサーベル・ラックになっている箇所ですね。

◆その他チェックポイント
キャリフォルニア・ベースに向けて行軍するシーン。
ここでフィリップらは、原作ゲームと同じ機体、ジムコマンドに乗り換えています。

胸にはオリジナルの犬マーキングあり。


ラストシューティングを彷彿させる、ブルー1号機の上空への射撃。


以前のコラムでも書きましたが、漫画版最終話で初めてブルーのビームサーベル収納位置が明かされました。
…が、現在では陸戦型ガンダムと同じ位置にある、という設定になっているようです。


◆書き下ろしカット

全身からブーストを噴かすイフリート改。
実にイカしたシーンですが、この見開きは単行本収録の際に書き下ろされたページです。

上のシーンに繋がる、直前のページ。単行本。

イフリート改がグレネード弾を発射して、このページは終わり。

次に、同シーンの雑誌掲載時のもの。

このページ内で1号機の頭部は破壊され、そのままエンディングシーンに繋がります。
(最終話収録の雑誌のみ所持していたので気づいたシーンです。もしかしたら、他にも書き下ろし&修正シーンはあるかもしれません)


-----
最終話のブルー1号機とイフリート改の戦闘は、実にカッコイイ!
ぜひコミックスを買って、読んでみて下さい!

以上で、漫画版は最終回です。
話がここで終わったのは、掲載していた雑誌「覇王マガジン」の休刊に伴うものです。
単行本としてちゃんと発売されたのは不幸中の幸いだと言えましょう。
高山氏には続きの構想もあったようで、旧コミックス版ではあとがきにて、少し触れられています。
(新装版には残念ながら未収録)

さて、コミックスはこれでおしまい。描かれることのなかった「裁かれし者」ですが…
実は、高山氏によって描かれた「その後」のマンガが存在します!

次回は、コミックアンソロジー「ギレンの野望」に収録された、その後のストーリー。
「バニングス・レポート」を紹介します。
君は、蒼き死神の残照を見る!

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2008-12-01-Mon 01:09:57 │EDIT
本日2回目…って、時刻は既に12時を過ぎてますが。
漫画最終回紹介の前に、先日ニュースで書いたカードが入手できたので、そちらを紹介。
(漫画最終回は、まだまとまってないので明後日あたりに…)

現在発売中の『カードダスマスターズ ガンダムクロニクル -U.C.0079~0083 MEMORIAL EDITION-』より、ブルー3号機を紹介。

オモテ。
二の腕と肩の付け根にあるパーツが通常の丸状でなく、平らにアレンジ。
また、宇宙用バックパックが見当たらないので、地上での戦闘シーンということか?
どちらにしろ、足が地面についてるような絵なのにバーニアを噴かしているのはチョット変かも。
また、脚のバーニア形状も若干違います。
背後に映るのは、カードビルダーのブルー2号機(ニムバス仕様)のイラストですね。


ウラ。
---
えーと、そのほか、特にコメントすることはありません。
どうせならもうちょっとカッコよく描いてほしかったな。
今回のブルー関連は、おそらくこの1枚のみ。
あとは映像作品、PS2の外伝関連ですね。
付属のカードビルダー用カード(というかバンダイ的にはこっちがメインか)は、ブルー2号機(連邦仕様)がありますがまだ未入手です。
シングル売りでも早速プレ値ついてるし…。

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2008-11-30-Sun 21:52:32 │EDIT
※今回は通常更新と違って、ガンダムエース1月号で入手したニュースのコラムです。

◆先日発売された「月刊ガンダムエース 2009年1月号」で現在連載中の漫画「オレら連邦愚連隊」にて、
ブルーディスティニー2号機が、チョイ役で登場!登場は一コマで、漫画本編に大きく絡む内容ではありませんが…。


※今月号の若干のネタバレ含む解説
登場は、ビッグトレーでのトラバーン中将とデノーメル准将の会話シーン。
EXAM搭載機であるブルーディスティニーの配備、そしてガンダム6号機や大兵力の用意があることをキャリフォルニア・ベースの基地参謀に示唆。それにより、和平交渉にて敵に降伏を煽ろうという二人の会話。
そこで、モニターにブルー2号機とガンダム6号機が映し出されました。
(ブルー2号機の絵は、HGUCパッケージのものですね)

劇中のセリフ、
「EXAM機(ブルーディスティニー)の配備については先方(キャリフォルニア)も手ひどい損害を被ったおかげで承知していたようだ」から「連邦愚連隊」と「ブルー」の前後の時間軸を照らし合わせると…
宇宙世紀0079、12月某日。地球連邦軍がキャリフォルニア・ベース攻略作戦を発動。
キャリフォルニア・ベースに向けて移動中の連邦の大部隊に向け、長距離ミサイル攻撃が行われる危険があった。
ジオンのミサイル基地破壊のため、数機の特殊工作ヘリとブルー1号機が出撃。
ブルー1号機は恐るべき性能を発揮し、たった1機でミサイル基地を壊滅させた。
セリフにある「手ひどい損害」とは、このブルー1号機によるミサイル基地壊滅のことと思われる。
現在の「オレら連邦愚連隊」の劇中の時期は、「ブルー」でいえば
原作ゲーム・ステージ3『タイムリミット』(ミサイル基地とダブデを破壊するミション)とステージ4『ジオン掃討作戦』(キャリフォルニアベースでのドムとの戦い)の間、ということになります。

モニターにブルー1号機ではなく2号機が映し出されたのは、
「あの恐ろしいEXAM機を、連邦は2機、作戦に参加させる準備がある」
というような意思表示からでしょうか?
(ブルー2号機が奪取されるのはキャリフォルニア・ベース陥落後なので、まだこの頃は連邦側にある)
---
「オレら連邦愚連隊」の部隊は一年戦争末期の北米。
ちょうどこの時機はユウ・カジマがブルー1号機で北米で活躍していた頃。
話の展開にキャリフォルニアベース攻略作戦も絡んできて、
もしかしたら何らかの形でブルー関連が登場するかも…なんて思っていたら、今回このような形で登場しました。
こういう、さりげないチョイ役出演は世界観の広さを感じられるので好きですね。

さて、史実ではキャリフォルニア・ベースへ連邦軍は攻め込むわけで、和平交渉は失敗することになりそうです。
もしかしたら、ネメシス隊も参戦するのか?(といっても、今のネメシス隊は、それどころじゃなさそうですが)
もしかしたら、ユウ・カジマもチョイ役で出演するのか?
そんでもって、やっぱりユウも濃ゆい絵柄で描かれてしまうのか!?
「オレら連邦愚連隊」、いろんな意味で、今後の展開に目が離せない!

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◆もうひとつのニュースは「GUNDAM LEGACY」の単行本、年末に発売決定!

「GUNDAM LEGACY」とは、「機動戦士ガンダム戦記」「宇宙、閃光の果てに…」の漫画版を手がけた夏元雅人氏&千葉智弘氏による漫画。
(詳細はWikipedia参照)
その第2話で、第2次ネオジオン抗争(逆襲のシャア)で戦うのユウ・カジマが描かれました。
「GUNDAM LEGACY」は2005年11月の掲載を最後に、単行本化もされぬまま休載が続いていましたが
今月号から連載再開、年末の12月26日には単行本第1巻が発売されます。
そして、その第1巻にユウのエピソードは収録されると思われます。
話は1話完結ですが、ユウが大佐でジェガンに乗っていたり、アクシズ落下阻止のためアクシズ表面に取り付くシーンがあったりと
小説版を意識した描写もあり、見所満載。ファンとしては必見です。

(どうも、連載再開&単行本発売決定の報はすでに先月号であったらしい。情報のキャッチが遅かったなぁ、俺…)

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2008-11-25-Tue 23:54:41 │EDIT
今回は第5話。
原作ゲーム2巻「蒼を受け継ぐ者」より、ステージ1「蒼き運命」が下地となっています。
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第5話「覚醒」

ユウらの前に表れた、ジオンのEXAM搭載モビルスーツ”イフリート改”、そしてパイロットのニムバス・シュターゼン。
ニムバスは一瞬にしてフィリップ、サマナのジムを葬り去る。
---
ミデアの格納庫ではアルフがブルー1号機の起動を試みるが、なぜか起動プログラムが実行されない。
(ブルーが起動を拒否しているとでも言うのか…!?」
ユウらのピンチに見かねたエイミーは何か戦力になるものを探しに飛び出す。
---
ユウのジムはイフリート改相手に善戦するも、イフリート改の繰り出す高速戦闘に圧倒され、ミデアに叩きつけられる。
ニムバスがジムに止めを刺そうと近寄る。
しかしそこへ、辛うじて飛んだ戦闘機で、エイミーが特攻をしかける!
ユウの目の前で戦闘機はイフリート改に激しく激突し、散った。
「エイミー!」
叫ぶユウ。
その時、ユウの激しい意識の奔流にブルーが反応し、起動する!
特攻を受けてなお、イフリート改はほぼ無傷であった。
高笑うニムバス。そこへ、ミデアの格納庫からバルカン砲の攻撃が飛ぶ。
ブルーがパイロット無しで動き出し、攻撃を仕掛けたのだ。
ゆっくりと体を起こすブルー。目の前の出来事に驚愕するアルフ。
ミデアの残骸を押し上げ、ブルーがニムバス、ユウの眼前に立ち上がった。
ブルーはイフリート改にマシンガン、ミサイルの掃射を仕掛け、ニムバスは高速移動で辛うじて避ける。
「あれが連邦のEXAM機!最高じゃないか!」
そこへ、ニムバスに本隊から撤退の通信が入る。連邦の大部隊が接近しているというのだ。
拒否するニムバスだが、強制的にオートパイロットにされ、イフリート改は撤退していった。
ブルーは銃を下ろし、足元にユウを見るかのように顔を向けると、そのまま活動を停止した。
一部始終を、アルフは見ていた。
「あれは暴走なんかじゃない!何者かの意思のコントロールを受けている…。説明してもらいますよ、クルスト・モーゼス博士!」
---
ユウ、フィリップ、サマナらは援軍と合流。そして、戦闘機の残骸から、奇跡的に一命を取り留めたエイミーを発見する。
エイミーはヘリで運ばれていった。
そこへ、アルフがユウらの前に現れる。
「全く、悪運の強い女だ…。お前達は今日から私の指揮下に入る。よろしくな、ユウ・カジマ中尉!」


-----


原作ゲームの同シーンでは、ユウ(プレイヤー)のジムによりダメージを受けたこと、連邦の増援が来たことでニムバスは自ら撤退していき、ミデアに積まれたままのブルー1号機を守りきった、というシーンになっています。

漫画版ではユウの感情に反応してブルー1号機が起動、ピンチの彼を助けています。
「あれは暴走なんかじゃない!何者かの意思のコントロールを受けている」
というアルフのセリフからの推測ですが、
彼を救ったのは、ブルー1号機というよりもマリオン自身だったのではないだろうか?
(次の話で明確にされることですが)マリオンは自身の解放をユウに求めていたため、ブルー1号機を、EXAMを介して操り、助けに入ったのではないでしょうか。
いずれにせよ、暴走以外の要因で無人で動くブルー1号機、というのは原作には無かった要素です。
原作のような単純に強いOSではなく、EXAMはマリオンの精神が深く作用するものとして描くことで、物語に深みがついています。
(この辺に関しては後日、詳しく)

---
※この項は単純に妄想の話になります

奇跡的に助かり、軍の救急ヘリで運ばれたエイミーですが、なぜ彼女は助かるという展開になったのか?
もしかしたら、それは今後の展開で植物状態のマリオンを登場させるためだったのかもしれません。
軍の病院に運ばれ、そこに入院しているマリオンと遭遇する…という感じで。
(原作では、EXAMの実験で意識を失ったマリオンは病院で植物状態のまま入院している、という設定があります)
ユウたちの物語の裏側で、このころマリオンはどうしていたか?どういう状況にあったか?それを描くための橋渡しとして
エイミーを病院に向かわせる展開にしたのかも…しれません。
残念ながら漫画自体は掲載雑誌の休刊に伴い打ち切られてしまいましたが、物語が続いていれば、そんな展開もあったかもしれませんね。
---
次回は最終回「茫星(ぼうせい)」です。
君は蒼き死神と戦場を駆ける!

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2008-11-18-Tue 04:00:25 │EDIT
今回より「蒼を受け継ぐ者」編。
第4話「魔神(ましん)」をお送りします。
あいかわらず、もうちょっと省略したあらすじが書けないかと自分でも思いつつ突っ走ります。

-----
第4話「魔神」

ジオンの、とあるニュータイプ研究所。
ここに配属されたニムバス・シュターゼンは新しい愛機「イフリート改」と
ニュータイプの少女、マリオン・ウェルチを紹介される。
「自尊心。劣等感。野心。挫折感 哀しい人・・・ですね」
マリオンはニムバスを一瞥し、こう言い放った。
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地球。森に潜むギャロップでは、ニムバスが出撃を待つ。
「私を哀れむ必要は無い、マリオンよ…私はむしろ幸福感すら感じているのだ!」
イフリートが飛び立つ。
それに呼応するかのように、整備ドッグで横たわるブルー1号機はカメラアイをほのかに光らせた…。
---
2度に渡るジオンの猛攻を凌いだ連邦軍基地に、静かな夜が訪れる。
MS格納庫にて、ユウは士官学校時代の同期、エイミーと再会していた。
オデッサ作戦に空軍のエースとして参加。「荒鷲」の異名がつく活躍をしたエイミーだったが、戦闘機の限界を感じていた。
モビルスーツへの転向を勧めるユウだが、それでもエイミーは飛ぶことにこだわる。
「超音速で空気を切り裂いていく。その先にフランクが待っている気がして…」
フランク・マイスター。同じく士官学校の同期であり、彼女の亡きの夫である。
ただの感傷であることは、彼女自身わかっていた。
同じころ、アルフはMS実験部隊を預かる朴大佐とコンタクトをとり、ユウをブルー1号機の専属パイロットとして実験部隊から引き抜く交渉をしていた…
---
翌日。輸送部隊はブルー1号機とデータ収集班を乗せ、出発した。
アルフは不敵に笑う。
(楽しみだよ、君がどうブルーを乗りこなすか…!)
---
実戦データ収集のため作戦地域に向かう実験部隊に、緊急任務が下る。
さきほど飛び立った輸送部隊が敵の攻撃を受け不時着したというのだ。
ユウたちは、救出に向かう。
---
墜落現場で、アルフとエイミーは奇跡的に無事であった。
しかし、数機のザクがミデアを囲んでいた。
エイミーは、輸送部隊を撃墜したのは彼らでなく正体不明の蒼いMSだったと話す。
ザク隊もまた、何者の仕業かはわからなかった。
ミデアに積まれた連邦の新型MS発見に浮かれるザク隊へ、ユウたちは奇襲をかける。
浮き足立ったザク隊は次々と撃破されるも、アルフはブルー1号機の起動準備をする。
エイミーの話から、アルフは何かを警戒していた。
ユウたちの圧倒的な猛攻にザク隊は退却をするも、ジオンと思われる、見慣れぬMSが立ちはだかった。
ザク隊は救援を要請する。しかし…
「キサマら敵前逃亡するのか?この恥さらし共があ!」
ニムバスは一瞬にして、ヒートサーベルで3機のザクを葬り去る。
「何て奴だ、味方を!」
「また、蒼いMSか…!」
味方であるはずのザクを葬った、ジオンの蒼いMS。ユウ達に戦慄が走る…!
-----
原作ゲーム1巻ステージ5「エースパイロット」のその後、第1話エンディング。
そして原作ゲーム2巻ステージ1「蒼き運命」を下地に構成されています。

◆エイミー・バウアー・マイスターについて

漫画版オリジナルキャラのエイミー・バウアー・マイスター大尉。
漫画形式だと小説形式よりも構成、尺に自由が無いのですが、彼女の登場により短い描写でユウ・カジマの過去がうかがえ、キャラクターに幅を持たせてることに成功しています。
(エイミー自身も良いキャラなので、何かの弾みでオフィシャルに還元してくれないかなと密かに願っていますw)

---
◆ニムバスとマリオンの関係
冒頭より。
ニムバスはコンプレックスの塊であり、それをマリオンに見透かされる。おそらくマリオンと協調することは無かったと伺える描写です。
皆川ゆか氏も小説版で、二人の関係をそのように書いていました。
原作ゲームの「ニムバスはプライドが高い」という設定から、
それは自らのコンプレックスの裏返しだった、という解釈を皆川ゆか氏、高山瑞穂氏の両名がしたということになります。
ストーリーの幅を広げる上でこういうキャラクター性を付加しているのは、とても上手いと思う。
(※余談1)
---
◆フランク・マイスターについて
実は、原作シナリオ担当の千葉智弘氏が書いた小説版で、彼の名前が登場しています。
(そこでは姓はなく、「フランク」と表記されていましたが)
1年戦争開戦より少し前。ユウとフランクの乗る宇宙戦闘機が哨戒飛行中、ザクに遭遇。
ザクは戦闘機には不可能な動きでユウらを翻弄し、撃墜する。
その際フランクは死亡するもユウは奇跡的に生還。ユウはMSの恐ろしさを身を思って知るというエピソードがあります。
漫画版と同じく戦闘機パイロットであり、既に死亡している、ということが一致しています。
エイミーとユウのエピソードは、千葉氏小説版のエピソードを膨らませたものなのだろうか。
---
◆朴大佐
漫画ではMS実験部隊を預かる人物としてたった1コマ登場。しかし、この人物も要チェック!
皆川ゆか小説版にも同名の人物がパイロットとして、パク准尉という名前で登場しています。
もしかして親子とかいう裏設定があったのか?なんて勘ぐりたくなりますが、
パク准尉に、連邦軍に親類がいるといった描写はありません。
(パクの連邦軍志願を語る会話のすぐ直後に、パク自身が、軍属であるモーリンの父について触れているので、単に描かれなかったわけでもなさそうです)
したがって、そういった裏設定みたいなのは無さそうです。
小説版の彼の命名について「ガンダム作品で韓国系の名前はなかったので、使ってみた」とコメントしています。
ですから、名前が被ったのは単なる偶然のようです。
(要チェックと言った割には、単に重箱の隅を突いただけでした…)
---
◆ザク隊
ミデアを発見したザク隊は敵前逃亡を図ったためニムバスにやられちゃいます。
原作ゲームでは、ユウらが撃破した後「友軍は全滅か…」と言いつつニムバスが登場します。
細かいところですが、その辺が違いです。
ちなみにザク隊の構成はザクキャノン×2、ザク×4、ザク隊長機。
ザクの意匠は08小隊版のザクがモデルのようで、肩のシールドにスパイクがあります。

-----
こんなところでしょうか。

次回は第5話「覚醒」をお送りします。
君は蒼き死神と、戦場を駆ける!

-----

※余談1
面白いことに、千葉氏小説版では、ニムバスとマリオンは協力的に描かれていました。
漫画版、小説版、そしてGジェネ等のニムバスがお馴染みとなっている今からは考えられない、優しいセリフがあったりします。
(マリオンに元気が無いのを気遣うニムバスなんて、今じゃ考えられない!)
千葉氏の当初の構想から、ニムバスというキャラクターは徐々に変わっていったのだろうか?
そのへんを考察してみるのも面白そうなので、また後日特集してみたいと思います。

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「機動戦士ガンダム外伝 ブルーディスティニー」や一部ガンダム外伝系のネタを取り扱ってます。設定の考察よりも、設定の成り立ちや変遷を追ってます。まあ、参考程度に。

一年くらい更新を休んでましたが戻ってきました。

過去記事のは「カテゴリー」の「記事インデックス」、もしくはそれぞれの項目を参照。セガサターンソフト「機動戦士ガンダム外伝」の情報及び過去のブルー関連フィギュア、カード(2004年頃まで)についてはHP:蒼色一号を参照のこと。
メール:tdfuh1abg@hotmail.com(@は半角)
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