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機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINYについて取り扱うブログです。ブルーディスティニーに関するいろいろなコラムを書いています。

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2009-01-21-Wed 03:40:01 │EDIT
先日のガンダムレガシーのコラムにありました、第2次ネオジオン抗争の頃のユウ・カジマの話。公式設定として認知された感がありますが、この設定は、原作ゲームの段階では存在していませんでした。
今回は、それが認知されていった経緯について解説してみたいと思います。

と、その前に。当ブログのスタンスについての話を。
ガンダムの設定というやつは、オフィシャル設定がありながらもそれは日々変化しており、また、未オフィシャル、および非オフィシャル設定でありながらファンの間で共通に認知された設定があるなど、混沌としているのが現状であります。
「知らない間に、いつのまにかこんな設定が」できている。
そういう思いはガンダム・ファンの方なら何度も経験したことがあると思います。
その是非はさておき、「いつのまに」の「いつ」をハッキリさせ、設定の変化した経緯についてまとめ、検証していくのが、このブログでやりたいことです。
まとめるのは、あくまで「THE BLUE DESTINY」についてのみ。
これは単に、僕がこの作品が好きなこと、この作品ならほぼリアルタイムで追っているので変遷についてある程度は知っているから、です。
(ガンダム全体について調べるのも面白そうですが、歴史がありすぎて、個人で行うのはほぼ不可能でしょう)

おそらく、このブログの情報はガンダム世界の検証には役に立たない情報になるかと思います。
しかし、ガンダムの劇中設定の検証サイトが多い中、ウチみたいなスタンスのサイトがあってもいいのではないか?
「いつのまに」の「いつ」が分からずモヤモヤするのを解消させるための情報というのも、必要なのではないか?
という思いで、やっています。
(でも、たまには劇中設定の検証なんかもやりたいですね)

-----

◆宇宙世紀0093年のユウ・カジマ
そもそも、「第2次ネオ・ジオン抗争にユウ・カジマが連邦軍として参戦した」という話はどこが初出なのか?これについては、原作ゲームをAランクでクリアした方なら、一つ思い当たるフシがあると思います。
そう、原作ゲームを最良の成績でクリアした場合に見られる、グッドエンディングです。
エンディングのナレーションにて「第2次ネオ・ジオン抗争の後、ユウ・カジマ大佐は軍を退役した」とハッキリ明言しています。
しかし、いじわるな見かたをすると「参戦したとは言っていない」とも言え、具体的ではありませんでした。

そして次に描写がされたのは、97年発行の小説版です。
ここで「ユウ・カジマ大佐は”ジェガン”に乗り、第2次ネオジオン抗争に参戦。”落下するアクシズに取り付き、ニューガンダムが発する光に弾き飛ばされた”」という、具体的な描写がされました。
これについて、小説版のあとがき、作者の皆川ゆか氏はこうコメントしています。
---
この小説のプロローグが『逆襲のシャア』のアクシズ落としで始まることに驚かれる方も多いと思います。
ただ、原作ゲームのエンディングで明らかになるように、主人公たちは単に一年戦争の中だけではなく、あの宇宙世紀の時代を生きた人間なのです。
プロローグの部分は、とりわけ、原作ゲームを評価Aでクリアされた方にニヤリとしてもらえればと思って書きました。

---
このように、ユウ・カジマというキャラクター像を深めるためとして、また、ひとつのファンサービスとして書かれたのが始まりでした。
そしてこの段階では、あくまで味付けとしての小説版オリジナル要素といった程度で、オフィシャルではありませんでした。
(※1)

そして小説版オリジナル要素であったものが広く認知されたのが、1998年より続く「Gジェネレーション」シリーズでした。
同作のストーリーは原作ゲームに加え漫画版、小説版の要素を取り入れて構成されており、
「GジェネレーションF」のブルーシナリオのエンディングにて、宇宙世紀0093年のユウ・カジマについて触れられました。

おそらく、原作ゲームよりもGジェネレーションでブルーディスティニーについて知った方も多かったのではないでしょうか?
Gジェネでまとめられた「THE BLUE DESTINY」の概要が広く認知され、その中にあった”宇宙世紀0093年のユウ・カジマ”も、同じく認知されていったと思われます。

その後、”宇宙世紀0093年のユウ・カジマ”はガンダム関係の書籍で触れられ、それが今日のガンダムファンへの認知に繋がり、”半ばオフィシャル化”していったと思われます。
また、各種ゲームの逆襲のシャアシナリオでも、ジェガンに乗ったユウ・カジマが登場するといった演出がされることがあり、それもまた認知へ繋がったのではないでしょうか。

そして2008年の、漫画「GUNDAM LEGACY」。
マンガのシナリオはブルーの原作ゲームのシナリオ担当である千葉智弘氏が手がけており、その千葉氏が”宇宙世紀0093年のユウ・カジマ”を採用したことで、その設定は確固たるものになった、と言えるのではないでしょうか。

-----
オフィシャル・非オフィシャルという厳密な線引きは難しいため、今回は主に「ファン共通の認知」という面から捉えて
記事を書いてみました。
まあ、Gジェネレーションシリーズで採用されたことが、既に「オフィシャル化した」とも言えますけどね。

次回は、「ギラ・ドーガの腕を掴んだユウ・カジマ」についてです。
これも小説版にあった描写です。が、これは扱いが非常に難しい要素だと思いましたので、
次回にて詳しく検証してみたいと思います。


-----
(※1)
そういった作者の意図について補足してみます。
以下は2001年に発売された「ガンダムオフィシャルズ」の刊行記念に行われた、サンライズの井上幸一氏との対談形式のインタビューからの引用です。
(記事全文はこちら
---
皆川 私が公式にしようとしているとか、サンライズに認めさせようどうこうと危惧を持つ人に対して言えることっていうのは、たとえば私がブルーのノベライスやってるじゃないですか。その主人公であったユウ・カジマがアクシズ落としのとき、ジェガンに乗ってるっていう創作をしているわけですよね。ゲーム会社の人に許可をもらってそういうのをつけて。私個人もあのシーンはすごく好きなんで、『GUNDAM OFFICIALS』にも入れたくなりますよ。でも、これは入れちゃいけないから、入れてないんですよ。

井上 この話は重要だよな。これはぜひ載せてほしい。

皆川 だから、その点が一つの規範として。ノベライゼーションで作ったブルーの私の作った設定っていうのは、入れなかった。ゲームの元々ある設定だけを使いました、っていうのは、私のこの本に対する規範。

井上 公式ってことを、ちゃんと真摯に受けとめるためにそういう選択をしたんだと思う。もしもこれがね、公式じゃないものだったら出版なんてできないからね。

---
小説版独自の設定は、あくまで”小説版”であり、ガンダムオフィシャルズには載せなかったという旨のコメント。
皆川ゆか氏的には”公認”ではあるが”非公式”な設定である、という認識だったことが伺えます。


引用元サイト:
『機動戦士ガンダム公式百科事典』オフィシャルサイト

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2009-01-11-Sun 03:52:50 │EDIT
今回は、先日発売された「GUNDAM LEGACY」の1巻より、ユウ・カジマのエピソード「RECORD 02 蒼き宇宙の彼方に」を紹介します。

ガンダムレガシーの詳細についてはこちらを参照。
-----
RECORD 02 蒼き宇宙の彼方に

宇宙世紀0079年、12月。ルウム戦役の残骸漂うサイド5宙域にて『裁かれし者』…。
2機のガンダム・タイプのモビルスーツが死闘を演じていた。
ユウ・カジマ中尉の乗るブルー3号機の攻撃により、ニムバスのブルー2号機は致命傷を負った。
ニムバスは叫ぶ。
「ここでキサマが勝ったとしても、戦いに終わりなど来はしない!!終わりなど…」
そして、2号機は爆発した。
ユウはヘルメットを脱ぎ捨てる。
勝負は決した。しかし、ニムバスの最期の言葉に、ユウは煮え切らない気持ちであった。

刻はめぐり、宇宙世紀0093年。
グリプス戦役より行方不明になっていたシャア・アズナブル。
ネオ・ジオンの総帥として表舞台に帰ってきた彼は連邦軍に宣戦を布告し、
地球連邦政府の拠点であるチベットのラサに小惑星5thルナを落下させ、これを壊滅させる。
そして次に、小惑星アクシズを地球に落下させようとしていた。
地球連邦軍外郭部隊ロンド・ベルは核ミサイルによる破壊を試みるも、失敗。
アクシズは地球への落下コースをたどっていた。

ユウ・カジマ大佐は地球連邦軍のMSパイロットとして、ジェガンのコックピットに在った。
部下と共にアクシズ落下を阻止せんと奮戦するも、ギラ・ドーガ隊の激しい襲撃にあう。
「いつまで人はこんな戦争を続けるつもりなんだ…」

戦闘の中、通信が入る。
ロンド・ベルはアクシズの分断に成功するも、二つに割れた破片の一つが、大気圏への突入を開始したというのだ。
その報に、ユウは愕然とする。
『大佐、これ以上の作戦遂行は無駄です!残念ですが、アクシズの破片は地球へ…』
「無駄なものか!」
ユウは叫び、バーニアを全開にして、アクシズの先端へ向かっていく。

そこで彼が見たのは、アクシズを押し返そうとする多数のモビルスーツの姿だった。
中には、敵であるはずののギラ・ドーガまでいる。
『離れろ!こんな事に付き合う必要はない!』
何者かの悲痛の通信が届くが、1機もそこを離れようとはしない。
そしてユウもまた、アクシズを押し返そうとしていた。
「そうだよ、そうなんだ!誰にだってわかってることじゃないか!こんなところで地球に育む生命の歴史終わらせちゃいけないってことぐらい!!」
大気との摩擦熱とオーバーロードで、機体は限界に達していた。
「限界か…!」
その時、落下するアクシズの先端から激しい光が発っせられ、アクシズに取り付くMSたちを弾き飛ばしていった。
ユウはその光の中、人の暖かみを感じた。

…アクシズは光に導かれるように上昇していき、落下機動から外れた。
コックピットから出たユウは、ただそれを眺めていた。
そしてユウは、ボロボロになったジェガンを残し、母艦へと帰っていった。

---
初出は、ガンダムエース2004年9月号。
Wikipediaにもありますが、単行本化されるまで間があったのは、途中で長期休載があったためです。

ユウ・カジマのエピソードでしたが、EXAMやマリオン関連の話は全く無し。
おもに、宇宙世紀0093年の第2次ネオジオン抗争(逆襲のシャア)でのユウが話の中心になっています。小説やゲームで「逆シャア」のユウは描かれても、マンガという媒体で描かれたのはこれが初めてですね
(そもそも、第2次ネオジオン抗争にユウが参加していたことについては、原作ゲームのエンディングで軽く触れられたのが始まり。小説版でその詳細な描写がされ、以後は小説版を基準にして描かれていきました)

雑誌掲載時からの加筆・修正は特に無いですが、機体や人物の簡単な補足が追加されました。
雑誌掲載時にあったエピソードの解説特集「設定補完ファイル」は未収録。
これは2Pの解説で、ここで第2次ネオジオン抗争についてと、ユウ・カジマ登場作品である「THE BLUE DESTINY」の解説がされていました。
単行本で収録されなかった代わりに、各話の設定を解説する巻末特集「Decode of LEGACY」にて、1P、紹介されていました。

◆EXAM関連の描写
ユウ・カジマというキャラクターにとって重要な要素であるEXAM関連。なぜ、省かれてしまったのだろうか。
私見ですが、単純に物語の構成の都合のためだと思います。
察するに、話の核として描きたいのは「逆シャア」の頃のユウ・カジマの描写。
EXAM事件は既に過去のこととなっているので、そこをあえて描写するのは避けたためではないでしょうか。
また、ガンダム専門の漫画雑誌であるガンダムエースの連載とはいえ、
読者が必ずしも「THE BLUE DESTINY」を知っているとは限らない。
そのため、知らない人のためにEXAM関連の描写して話を詰め込みすぎてしまうよりも、あえてバッサリと切ってしまったのではないでしょうか。
いずれにしても、作品のファンとしては少しガッカリなところです。

◆ギラ・ドーガの腕を掴んだのは誰か?
このエピソードにて、ユウのジェガンが大気との摩擦で飛ばされそうになるギラ・ドーガの腕を掴むシーンはありません。
現在では半ばオフィシャル化した、「ギラ・ドーガの腕を掴んだのは、ユウのジェガン」という設定。
なぜ、その描写が無かったのか?
「尺の都合」といえばそれまでですが、もうちょっと考えてみますと…
詰まる所「半ばオフィシャル」程度だったからではないだろうか?

このあたりの考察もしてみましたが、文章にすると長くなりすぎた&本題と外れるので、また後日改めてUPしたいと思います。
(このブログ、後回しが多いですね。自覚してます。すいません)

◆ユウ・カジマ 23才
先ほども書きましたが、GUNDAM LEGACYは単行本化に際し機体や人物の簡単な補足が追加されました。
それによって、一つ、注目すべき記述が。
なんとそこで、ユウとニムバスの年齢が初めて明記されたのです!

*(画像準備中)
人物について追加された補足の記述は、以下のとおり。
宇宙世紀0079年のシーン…
 『地球連邦軍 ユウ・カジマ中尉(23)』
 『ジオン公国突撃機動軍 ニムバス・シュターゼン大尉(24)』
宇宙世紀0093年のシーン…
 『地球連邦軍 ユウ・カジマ大佐(37)』

あれ?たしかユウの年齢は一年戦争時は20代中~後半だと設定資料集に書いてあったはずだが?
それですら明記ではなかったのに、LEGACYではハッキリと23歳と書かれました。
うーん、ちょっと若過ぎる気が…。
検証次第ではこの年齢でアリらしいですが。
(既に検証したサイトがありました。この辺についても後日)

ニムバスの「ジオン公国突撃機動軍」の記述について。
ニムバスの所属は、フラナガン機関。そのフラナガン機関がキシリア・ザビ少将の管轄。そしてキシリアは突撃機動軍のトップなの

でこの記述も当然といえば当然ですが、
こうやって明らかに明記された例は、LEGACYが初ではないでしょうか。

◆蒼いジェガン!?
漫画に登場する、ユウが乗ったジェガン。白黒印刷なのでわかいにくいですが、他のジェガンと比べ、若干色が濃いようです。
*(画像準備中)
色が違うのは、もしかして、ユウのジェガンが蒼いからなのか!?
…そうだとしても、LEGACY版アレンジと捉えるほうが妥当でしょう。

◆「人類は戦いをやめられないのか?」
※この項はちょっと本題からそれます
このエピソードで、ユウは「人類は戦いをやめられないのか?」ということについて自問しています。
先日紹介しました「バニングス・リポート」でも、バニングは同じようなことを自問していました。
2号機と3号機の戦いを目撃し、バニングは「人類の戦いの歴史は続くだろう」と、悲観的な結論に達します。
そして、その戦いの当事者であったユウ・カジマ。
彼もその段階では悲観的な様子でしたが、ニューガンダムから発した光につつまれ、
『「人は、変わってゆける」、そう信じられる希望がある』という結論に達します。
もし、バニングが第2次ネオジオン抗争まで生き残っていて、ユウと同じくあの光に包まれていたら、彼の結論も変わっていたのだろうか?
そんな勝手な妄想が膨らみます。
(…ええ、わかってますよ?あのバニングのエピソードは別にオフィシャルじゃないって)
ちなみに、「GUNDAM LEGACY」「バニングス・リポート」両作品について関連は特に無いと思われますので、
「人類は戦いをやめられないのか?」の自問というテーマが被ったのは、単なる偶然かと思います。

◆ハイブリッドな解説
巻末特集「Decode of LEGACY」の解説について。
1P程の解説になっていますが、その内容は漫画版(高山瑞穂版)、小説版、ギレンの野望シリーズの設定を複合したものであり、非常に興味深かったので検証してみます。

・所属部隊の解説
…所属部隊を『第11独立機械化混成部隊』と紹介。
…ジャブロー直属の実験部隊であること。
…2号機がジオンに奪取された以後は実質的に追撃・討伐部隊として機能していく
 →これらは小説版準拠の設定、表現。

・ユウ・カジマの乗機の解説
…トリアーエズ。『一説にはセイバーフィッシュ』と解説。
 →トリアーエズは小説版。セイバーフィッシュはギレンの野望
…RGM-79ジム。『ユウはこの機体でブルー1号機を倒した』という表記
 →漫画版。原作ゲームでは、このあたりの設定はあやふやである。小説版では陸戦型ジム。
…RGM-79Gジム・コマンド。『対ドム戦を想定した改良機』という表記→漫画版
 『一説には、蒼く塗装したユウ仕様機があった』という表現→ギレンの野望
…ブルー1号機、3号機→特記なし
…ジェガン。『アクシズを押し上げようとした』という表現→小説版

・人物紹介
…モーリン・キタムラ。『「蒼い稲妻」の二つ名を考えた』という表記
 →小説版。

「THE BLUE DESTINY」という作品が紹介・解説される場合、原作ゲームのみならずさまざまな媒体の設定が取捨選択・ミックスされる場合が多くある。
この巻末解説は、その好例といえましょう。

-----
その他余談。
単行本では「RECORD~」という数え方でしたが、雑誌掲載時は「episode~」でした。

こんなところでしょうか。久々に長い記事になりました。
もっと短く簡潔にまとめるつもりだったのに…。
しかも、漫画本編よりその他の話題の比率が高かったような気が…。

今回残した話題は2つ。
「ギラ・ドーガの腕を掴んだのは誰か?」
「ユウの年齢の検証と、既に検証したサイト様について」
これらについては、後日改めて取り上げます。


拍手[2回]

2009-01-02-Fri 01:30:20 │EDIT
新年、明けましておめでとうございます。
気づいたら、先月でこのブログも1周年を迎えていました。
週一回の更新を目指していましたが、よくペースが乱れてしまっていて、申し訳ない限りです。
今後も頑張って更新していきますので、今年もどうぞよろしくお願いします。


新年1発目はブルーのニュースを1つ、その他のニュースを1つ。
と言っても、ガンダムエース最新号のニュースなので既に去年の話題になってしまいますが…。

◆GUNDAM LEGACY1巻発売!
12月26日発売のGUNDAM LEGACY 第1巻(ガンダム レガシー 漫画:夏元雅人 シナリオ:千葉智弘、中村浩二郎)にて
U.C.0093のユウ・カジマのエピソード「蒼き宇宙の彼方に」が収録されました。
GUNDAM LEGACYは単行本の発行にあたり、書き下ろしやエピソードごとの加筆修正があるようですが、ユウのエピソードでは雑誌掲載時からの変更は特に無いようです。

ただ、本編中に機体及びキャラクターのプロフィールが追加されています。
これにちょっと、注目すべきものがありまして…
それについては今後詳しく特集します。
ガンダムレガシーではさまざまなキャラクターにスポットを当てていて、ユウのエピソードは
この1話限りかと思われます。
現在連載中の話は、「機動戦士ガンダム戦記」「ジオニックフロント」「宇宙、閃光の果てに…」のキャラの
戦後~Zガンダムの時代の頃のエピソードになっていますので、おそらくユウの登場は無さそうです。
(次号で最終回だし…)


◆ガンダムエース 2009年2月号の、「俺ら連邦愚連隊」にて
もう一つのニュースは…
当ブログで取り上げるネタはブルーディスティニーと、もう一つのアレ。
ですから、ネタバレ注意しようにもある程度、察してしまう人もいるかもしれませんが…

※今月号の「俺ら連邦愚連隊」のネタバレあり。文字色白にしてますので、読む場合は範囲選択して下さい。
ケータイから読む場合は、文字色関係なく問答無用で表示されてしまいます。ご容赦を。

---
今月の「俺ら連邦愚連隊」で、
な、なんと「ガンダムピクシー」がネメシス隊の追っ手として登場します!
「あれ?先月ではコアブースターⅡが追っ手じゃなかったっけ?」
そう、ユージたちはミデアで逃げてるので、航空機じゃないと追うことは無理。
それを、どうやってピクシーで追ってくるのか?

それは…『Gアーマーの中に入って、飛んでくるのです!!』
いやー、本当にぶったまげました。
ファーストガンダムの時のように、ピクシーがGファイター形態の上に乗り、ライトライナー&ジムストライカーに、ビームダガーで襲いかかるのです。
まさか、ピクシーが出るなんて予想外にも程がある!俺の心を鷲掴みだ!

さて、このピクシー。一体何者なんでしょうか?
まあ、パイロットは多分、あの人でしょう。ジムスナイパーカスタムに乗った、サウスポーの人(名前忘れた)。
Gアーマーに入っての登場も、今度出るマスターグレードのGアーマーの販促のためでしょう。
問題は、機体そのもの。
もともとピクシーは3機作られた設定がありますが、場所はそれぞれアジア、ベルファスト、アフリカ。
アジアは『死にゆく者たちへの祈り』で登場した機体ですから、ベルファストかアフリカの機体を、北アメリカまで運んできたことになるのだろうか?

カラーリングは通常のピクシーと違い、黒色となってます(白黒印刷なので確証はありませんが)
また、腕にサブマシンガンのマガジンが着いています。
これは、かつて発売されたピクシーのキーホルダーにみられたアレンジでした。
あのキーホルダーを参考に作画されたためなのだろうか…?
そういば、あのキーホルダーのカラーバリエーションで黒いピクシーがあったような…。
まさか、そんなマイナーなところからネタを引っ張ってきたのか!?
(キーホルダーについては、左の『カテゴリー』より『その他、ガンダム外伝シリーズ』の項を参照)


うーん、キャリフォルニア・ベースの和平交渉もあんな形で失敗してしまったし…。
どーなってしまうんだ、今後の展開は!?
あのピクシーの正体は!?ネメシス隊の運命は!?
もう、「連邦愚連隊」から目が離せないったらありゃしない!

---ネタバレここまで

さて、もう一つオマケのニュース。
今月のガンダムエースの付録のポスターが、SDガンダム三国伝。
左端に、馬超ブルーディスティニーの姿があります。


えー、こんなところでしょうか。
次回は、ガンダムレガシー収録のユウのエピソードを特集してみたいと思います。

拍手[0回]

2008-12-19-Fri 02:08:00 │EDIT
前回までで、漫画版ブルーのストーリーはおしまい。
今回は、一連の特集についての余談をまとめて掲載です。

◆マリオンの語りかけ
原作ではほとんど設定上のみの存在だったマリオンですが、漫画版では早い段階から登場。ユウの意識に語りかけています。
この”マリオンがパイロットの精神に作用する”というマリオンの行動は皆川ゆか小説版にも見られています。

※※※
漫画版では、EXAMに封じられたマリオンの意識というよりも、どこかにいるマリオン本人の意思がEXAMを介して語りかけた、という感じ。
小説版では、EXAMに封じられたマリオンの意識、その一部の感情のみがユウに流れ込むといった感じ。
漫画版と小説版で若干違いがありますが、ここでは”パイロットの精神に作用する”という要素のみに注目しています。
※※※

原作ゲームでは”機体性能を大幅に引き出すが暴走の可能性がある危険なOS”という、やや漠然とした設定であるEXAMシステムでしたが
漫画版や小説版にて、EXAMシステムは”マリオンがパイロットの精神に作用する”という要素が加えられ、マリオンのキャラクター性と、EXAM自体の設定に幅がつけられています。
(※余談1)

原作ゲームにおいて、設定上は重要だがゲーム作品である都合のため本編には登場しなかったキャラクターを、どうやて漫画・小説といった媒体で絡ませるか?
それを考えれば、マリオンにこのような設定が加わるのは自然なことだろう。
しかし、それが効果的に作用して物語に深みを与えているのは、高山氏・皆川氏の見事な手腕によるものだと言える。

このことはGジェネレーション等、後のゲームでも反映され、ブルーのシナリオの味付けとなっています。
現在、ブルーの設定として認識されている”EXAMを介してのマリオンの精神的な語りかけ”という要素は、それら後のゲームによって広く認知されたものであり、その源流を辿れば、漫画・小説版に行き着く。
もともと原作ゲームに無い要素が公式設定としてフィードバックことが多い”ザ・ブルーディスティニー”ですが、この”EXAMを介してのマリオンの精神的な語りかけ”も、その一つに挙げられると思います。

◆オートパイロット?
第5話「覚醒」にて、ブルー1号機はユウの叫びに反応して起動、ニムバスを撃退。これは、ただの暴走とは違うものとして描かれています。
以前の紹介では、マリオンがブルー1号機を介してユウを助けた、と書きましたが
実際のところ、この時のブルー1号機の行動は、いったいなんだったのだろうか?

ニュータイプにとって距離という概念は無く、どんなに離れていても意識は通じるというのはファースト・ガンダムからあったもの。
それこそエルメスのビットのように、マリオンがブルーを遠隔操作で動かしたのだろうか?
ん?MSの操作はビットより複雑だって?
…ごもっとも。
じゃあ直接操作したのではなく、遠隔でオートパイロットの迎撃システムを作動させただけなのか?
それでも理由としては弱いか…。
この、”ただの暴走とは違う、ブルー1号機の起動”については答えが描ききれないうちに漫画が終わってしまいました。
どんなものだったのかは、結局、読者の想像にまかせるほかありませんね。
(※余談2)

◆その他の形式のコミックス
漫画版ブルーは、実は5種類の単行本が存在します。
以前紹介しました2冊に加え、残りは
1つは、いわゆるコンビニ本として発売されたもの。
1つは、海外で発売された英語版、そしてドイツ語版の計3冊があります。
詳しくはこちらのサイトを参照のこと。
手元にコンビニ本があるので、簡単にそれを紹介します。


こちらは2003年に発売された”コンビニ本”のブルー。
特に書き下ろしは無し。
各話の収録分は同じ。余白ページのイラスト&コメント収録、あとがきは無し。

◆不完全なところ
コミックス収録分は、雑誌掲載時の原稿より、左右が若干切れています。
比較として、↓の画像を用意しました。

左より雑誌掲載分、旧バージョン、新装版、コンビニ本のそれぞれの同一シーン。
雑誌掲載時の、ビッグトレーとそれに乗る左側のジムで比較すると、わかりやすいでしょう。
ものによってバラつきがあります。これは、それぞれの本の規格サイズの違いが原因なんでしょうか?
雑誌掲載時に一番近いのはコンビニ本といえますが、それでも切れている部分は大きい。
残念ながら、雑誌掲載分そのままのバランスで収録されたものはないようです。

うーん…完全なバランスで収録した、という意味でも”完全版”が欲しいところです。

-----
※余談1
オカルトな要素のため、SF的な世界観のガンダム・シリーズでは若干浮いた要素にみられがちですが、それでも、原点である「機動戦士ガンダム」のニュータイプ描写の範疇のため、これはこれで良し、ではないでしょうか?
ただし、”機械(もしくはCPU)に意識が封じ込められる”という要素については、この限りではないかもしれません。
あ、でも「ガンダムセンチネル」のALICEシステムも似たようなものか?
いやいやアレは人工知能だからまた違うか…

※余談2
正直なところ、この展開については、いわゆる”イヤボーン”みたいで個人的にはちょっと安易さを感じるところです。
でも、コマごとに描かれる断片的に描かれたユウの過去がフラッシュバックする見開き1ページは好き。
特に、結婚するエイミーの横顔のコマ。
幸せなはずのにどこか寂しげな表情が気になっていて、おまけページのコメントを読んで「なるほど」と納得。
いい1コマを描くなぁ~と、勝手に悦に浸ってしまいます。

拍手[2回]

2008-12-11-Thu 00:56:30 │EDIT
「バニングス・リポート 蒼の残照」

U.C.0079 12月。
星一号作戦が発動し、連邦軍によるソロモン攻略戦が開始されようとしていた頃、
1機のシャトルが地上のジオン基地から打ち上げられた。
シャトルの目的地は、戦略的価値の無いはずの廃棄コロニー。
地球から撤退するジオン軍がソロモン、あるいはア・バオア・クーへ終結しつつある状況で
その動きを不信に捉えた連邦軍は、サウス・バニング中尉を廃棄コロニーの調査に向かわせる。

バニングは部下のベイト少尉、モンシア少尉らと共に”ジム”でコロニーに潜入する。
そこで彼らが見たのは、破壊された、多数のジオンのモビルスーツだった。
しかも、その残骸にはビームサーベルによる傷跡があった。
友軍機によるものなのか?そう思いながらも危険を感じるバニング。
その時、近くで爆発が起きる。
炎と煙の中に浮かぶ1機のMSの影。攻撃を加えようとするモンシアを制し、機体をよく見ると…
それは、ガンダム・タイプのモビルスーツであった。
こちらを向く、”ガンダム”
そこへ、通信が入る。
「ユウ!ヤツだ!2号機は外にいるぞ!!」
(ユウ…?それがパイロットの名か?これをあいつが1機でやったというのか?)
通信を受けた”ガンダム”は、コロニーの外へ飛び出していく。
それを追う、バニング。

そして、彼らはコロニー片の漂う宇宙空間で戦う、2機の”ガンダム”を目撃する。
1機は白、もう1機は蒼。
カメラが追いつかない程のスピードで繰り広げられる、激戦。
それはまるで戦うこと自体を楽しんでいるかのようだった。
もはや『戦争』でなく『決闘』。
その様子に、バニングは戦慄する。

白いガンダムのビームライフルが蒼い機体を撃ち抜く。
そして、爆発寸前の蒼いガンダムは白いガンダムに掴みかかり、双方が大爆発をした。

帰艦したバニングは報告書を上官に提出する。
「それで、勝ったのはどちらだったのかね。ムサシか?コジローか?
「それが、双方とも爆発してしまいまして…相打ちかと」
それを聞いた上官は報告書をシュレッダーにかける。
「バニング君。このことは他言無用だぞ わかったな?」
艦隊は、ソロモンへ向かう。
戦いは続く…。

-----
「バニングス・リポート」は1998年に「株式会社スタジオDNA」より出版された、
「機動戦士ガンダム ギレンの野望 コミックアンソロジー」に収録されました。




高山瑞穂氏によって描かれたものであり、漫画版ブルーディスティニーの最終回といえます。
ストーリーは、原作ゲーム「裁かれし者」のステージ4,5が下地となっています。
EXAM事件には関係の無い、サウス・バニングという第3者からの視点で見る「裁かれし者」。
そのため、作中では「ブルーディスティニー」という単語は登場せず、あくまで「ガンダム」と呼ばれます。
こういう構成もなかなか面白いですね。

◆高山瑞穂版「ザ・ブルーディスティニー」の結末、その断片。

ユウ、ニムバスらの戦闘中の会話もあります。そのすべてを抜粋してみましょう。
(あくまでストーリーはバニングの視点であり、会話シーンとして詳細に描かれたわけではありません)

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「はははは!うれしいぞユウ。キサマとの戦いの中でEXAMはますますパワーをみなぎらせている!」
「ニムバス!お前はなぜ解ろうとしない!彼女は…マリオンは解放されたがっているのに!」
「フフフ…キサマこそ解っていないようだな。マリオンがEXAMから解放されるとはどんな意味なのか」
「彼女がそれを望んでいる!だからオレはそれを実現させてやりたいだけだ!」
 (ビームライフルの直撃)
「マリオンが…彼女がお前を選んだ…ということか…」
「ニムバス…今からでも遅くはない。協力してほしい、彼女を助けるために…」
「だが私は認めん!ふははははっキサマも一緒に来てもらうぞ!マリオンと共になあ!」

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「マリオンの解放」という確固たる目的を持ち、決戦に挑むユウ。
そして、最後の最後までニムバスを見限らず、彼に協力を申し出るユウが描かれます。
現在、一般的に認知されたブルーのストーリーは主に小説版(及び、それを下地とした各種ゲーム)からの印象が強いため、
このユウの行動がとても意外なものに感じられます(※余談1)。

漫画版「裁かれし者」が、ちゃんと描かれていれば、最後の決戦はどのように描写されただろうか?
そして、どのような結末を迎えていたのか?
その断片を、ここのシーンから伺うことができるのではないでしょうか。

◆バニングの自問
バニングは劇中にて「人は戦うことで進化する生き物なのか?」ということについて自問しており、炎の中から浮かぶブルー3号機の姿を見て「その進化の果てに辿りつくのは、地獄かもしれない」と、一つの結論を出します。
(※余談2)

◆不死身の第4小隊
サウス・バニングを始め、「機動戦士ガンダム0083」よりアルファ・A・ベイト、ベルナルド・モンシアが登場。
ア・バオア・クーの戦いを経て、後に「不死身の第4小隊」と呼ばれる彼らですが、第4小隊の最後の一人、チャップ・アデルはなぜか未登場です。

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これにて、高山瑞穂氏による、漫画版ブルーディスティニーはお仕舞いです。
1ヶ月以上かけて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
正直、自分の文章力の無さから、漫画版の面白さや漫画版独特の要素など、どこまで伝え切れたかは解りません。
やはり、百聞は一見にしかず。
今なら新装版も定期的に書店に並び、入手し易いと思いますので、ぜひ漫画版を買って、楽しんでみてください!

「裁かれし者」編については、このような変則的な形となってしまったのは、残念なところ。
収録されたのもアンソロジーであり、現在は入手困難となっています。
(古本屋などでは、たまに見かけますが…)
しかし、物語が形となり一応でも決着が着いたこと。これも不幸中の幸いと言えるでしょう。

願わくば、「裁かれし者」編まで描ききった「完全版」が、
いつの日か出版されますように…。


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※余談1
皆川ゆか小説版では、どうだったのだろうか?
小説版では、最後の決戦では兵士としてでなく一個人として「ニムバスを殺す!」と思い、戦っていました。
漫画版と小説版。
それぞれで語られたストーリーの基本は同じでもその味付けは大きく違うのであり、それぞれのユウの心情が違うのも、また道理である。
ましてそれが、2号機対3号機という総決算のシーンであるなら、なおさら。
同シーンでありながら、全く違うユウの心情。
それを比較して読んでみるのも、また一興かと。

※余談2
この問いについては、偶然にも「GUNDAM LEGACY」のユウ・カジマのエピソードでも触れられています。
若干、論点が違いますが「人は戦わずにはいられない生き物なのか?戦いの運命は永遠に続くのか?」というもので、
ユウは落下するアクシズに取り付く連邦・ジオンのMSたち、そしてνガンダムから放たれた光の中で、一つの結論を見出しています。

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「機動戦士ガンダム外伝 ブルーディスティニー」や一部ガンダム外伝系のネタを取り扱ってます。設定の考察よりも、設定の成り立ちや変遷を追ってます。まあ、参考程度に。

一年くらい更新を休んでましたが戻ってきました。

過去記事のは「カテゴリー」の「記事インデックス」、もしくはそれぞれの項目を参照。セガサターンソフト「機動戦士ガンダム外伝」の情報及び過去のブルー関連フィギュア、カード(2004年頃まで)についてはHP:蒼色一号を参照のこと。
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