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機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINYについて取り扱うブログです。ブルーディスティニーに関するいろいろなコラムを書いています。

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2009-10-07-Wed 18:44:30 │EDIT
『覇王ゲームスペシャル[71] 機動戦士ガンダム外伝Ⅱ 蒼を受け継ぐ者
 テクニカルガイドブック』
より、千葉智宏氏によるオリジナル短編小説「蒼き騎士の探求」をお送りします。
今回はエピソード3、4です。

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3.対決II

カリフォルニアベースに到着した時には
友軍は既に全滅したか退却してしまったようだが、私にとっては好都合だ。
これで、誰にも邪魔されず戦うことができる。
ミノフスキー粒子が充満した戦場を突き進み、ついに奴を発見した。
全身を蒼く塗装したモビルスーツ…。
間違いない。
クルストは自分のマシンを蒼く塗装するのが趣味で、
イフリート改も蒼く塗装された。
ただし、イフリート改は両肩のみ赤く塗られている。
私の倒した敵の返り血を示す、深紅だ。
連邦の蒼き死神!貴様の返り血も、そこ加えてやる!
同じ"EXAM"同士が共鳴したのか、マシンが低い唸りを上げ、
ついに両機は激突した!
ミサイルの応酬、そして近接での攻防。
敵のパイロットも、なかなかやるようだ。
"EXAM"の得意とする機動力を活かした高速戦闘が繰り広げられる。



…決着を着けたのは、敵機の攻撃だった。
ビームサーベルの三段切りをヒートサーベルで受け流したものの、
大きなダメージを受け、機体は片膝を着いた。
勝ち誇るように近づく、連邦の蒼い機体。
「ここで死ぬわけにはいかんのだ!」
その時、私の叫びに応えるように
イフリート改は腕を上げ、グレネードを発射した!
弾は敵機の頭部を吹き飛ばし、
機体は私の意志と関係なく撤退を開始した。
私に、騎士としての誇りを捨ててまで生き残れというのか!?
…よし、わかった。
お前を作り出したクルストに復讐の鉄槌を食らわすまで、
生きのびてやろうじゃないか。
私は機体から脱出した。
イフリート改はそのまま前進し、数百メートル先で爆発した。

数時間後、部下に救出された私は
連邦のEXAM研究所を発見したとの報を受ける。
私の心に一筋の光が差し込んだ。
「ついに見つけたぞクルスト…首を洗って待っていろ!」

---
4.襲撃

研究所の襲撃は、あっけなく終わった。
護衛のモビルスーツはなく、
EXAMマシンにもパイロットはいなかった。
クルストを発見した時、奴は銃撃戦による負傷で、既に虫の息だった。
久々に会ったクルストは、昔と変わっていなかった。
その目に宿った狂気を除けば…。
「ニムバス!貴様、なぜこんなことを!」
「あなたは祖国を裏切ったのだ。私は、裏切り者を許さない」
「バカな男だ。自分の狭い視野でしか、物事を考えていない。
 私は人類のことを考えて、亡命したのだ」
多量の出血により、博士は顔が蒼白になっていく。
しかし、瞳に宿る狂気の炎は、さらに強く燃え盛っていった。
「連邦に勝利をもたらすことが、人類のためだと言うのですか!?」
「その考えが『狭い』というのだ。
 ”EXAM”は、単なる戦争の道具ではない。
 ”EXAM”は、人類に残された最後の砦。これなくしては、人類は滅んでしまうのだ。
 …君には、分かるはずもない。
 あのマリオンですら、理解できなかったのだ。
 …いや、本当は分かっていたのかもしれん。だから、あの日…」
「暴走事故のことか」
「そうだ。あの暴走により、全てはうまくいった。
 アレを再現することが、システムの完成を意味するのだ。
 イフリート改に搭載されたシステムの完成度は高かったが、
 私の望む真の目的には、合わないのだ。
 …連邦に来て、システムは完成直前まで至った。
 ”ブルー”に搭載した”EXAMシステム”なら、
 真の敵と戦うことができる。
 …ニムバスよ。”EXAM”の真の力と目的を知りたいなら、
 あのブルー2号機に乗るがいい。
 きっと”EXAM”が、お前に正しい道を示すだろう…」
そしてクルストは、息を引き取った。

貴様の望み通り、ブルー2号機は私がいただこう。
だが、貴様の目指した真の目的のためとやらには、使わない。
私は、私の信念に従って戦うのだ!
…そう、私はジオンの誇り高き騎士、ニムバス・シュターゼン。
誰のためでもない。信念の命ずるままに戦うのだ。

-----
※当時の表記に合わせて
”キャリフォルニア・ベース”は
”カリフォルニアベース”としています。
また、原文のセリフを要約してまとめたので
クルストが虫の息の割には饒舌に見えちゃうのはご容赦ください。

◆3.対決IIより
・ブルー1号機へのとどめ
  原作ゲームではニムバスの「マシンの性能差か…しかし!」のセリフと共に
 グレネード弾を発射し、頭部を破壊していましたが、
 短編小説版ではイフリート改…というか”EXAM”の意思で攻撃したようです。
 これはつまりマリオンの意思がやったことなのだろうか?
 ニムバスを助けたかったのか、
 それとも”EXAM”同士の戦いを続けさせることで
 システムの完全な消滅を望んだがゆえの行動だったのか?
 考え出せば詮無きことですが、そんな妄想をしてみるのも楽しいかと。

◆4.襲撃より
・ニムバスが2号機を得た経緯について、他メディアとの比較。
  この件は原作ゲームでは詳しく語られず、アルフからの報告で終わっていました。
 小説版では、おそらく自分が殺されることも分かった上で
 クルスト自身が2号機と研究所の所在をニムバスにリーク。
 2号機をニムバスに託すため、フル装備状態で待機させていました。
 これは連邦での研究に限界を感じたことと、
 EXAMを真の目的にユウは適さないと判断したための行動でした。
 漫画版ではダイジェストでしか描かれていませんが、
 クルスト自身はニムバスが”EXAM”マシンを使用することを
 危惧していた様子でした。
 今回の短編小説版では、研究所の襲撃は予想外としても、
 ニムバスにブルー2号機を託した、という経緯は小説版に似ている印象を受けます。

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次回はいよいよ終盤。
『裁かれし者』より、『蒼き騎士と眠り姫』をお送りします。
お楽しみに。

-----
その他の話
・『機動戦士ガンダム カタナ』連載開始!
『連邦愚連隊』の曽野由大xクラップスによる新連載開始です。
先月発表された仮タイトルは「機動戦士ガンダム刀 実録0084」でしたが、
上記のように決定しました。

宇宙世紀0084年。
一年戦争の傷跡深く残る地球では
戦後復興も遅れ、経済格差が広がりつつあった。

地球連邦軍 対破壊工作特殊捜査旅団
”BGST(バーゲスト)”が
連邦系カジノの現金輸送車の襲撃事件を追う中、
一人の少年が部隊の前に表れる…。

部隊は通称”任侠部隊バーゲスト”と呼ばれ、

まるでヤクザ映画のノリ。


ええ、どうみてもヤクザですw


主人公、イットウ・ツルギ。
少年のように見えるが、
実は連邦軍少佐の22歳。
かつてのバーゲスト隊長の息子である。


迫力の戦闘シーンも健在!

存続の危機が危ぶまれる部隊を
立て直すヤクザの若頭の人情モノ、ってな感じで話は進みそうです。
今後の展開に期待してます!

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その他近況とか
・モンスターハンター3
 ガンランスがないのがやっぱり物足りない。
・アイドルマスターDS(ディアリースターズ)
 なにこれ超おもしれぇ。

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2009-09-21-Mon 03:20:01 │EDIT
『覇王ゲームスペシャル[71] 機動戦士ガンダム外伝Ⅱ 蒼を受け継ぐ者
 テクニカルガイドブック』
より、千葉智宏氏によるオリジナル短編小説「蒼き騎士の探求」をお送りします。
紹介するのはエピソード2、3の予定でしたが
今回は2だけです。ゴメンね。

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2.事故
(ニムバスの回想)
クルストの研究所はフラナガン機関の中でも特殊な部類であり、
普通の人間にニュータイプ並みの戦闘能力を持たせるシステムの開発を目的としていた。
ニュータイプの戦闘能力を純粋に抽出し、それをコンピューターにプログラムすることで
一般の兵士が操縦しても、ニュータイプと同じ動きができる、というものである。
実験には”MS-08TX イフリート”を使用。
高性能だが、操縦の難しさと生産性に問題があり、量産が見送られた機体だった。
EXAMシステムの能力を最大限発揮できるよう各部が改造され、
”MS8-TX[EXAM]イフリート改”と呼称された。
私はそのパイロットとして配属され、サポートにマリオン・ウェルチというニュータイプの少女が充てられた。
私がコックピットにつき、マリオンは外からEXAMシステムにサイコミュで指示をだす。
このようにしてニュータイプの動きを学習させていくのだ。
実験を繰り返す日々が続く。
戦場で勇敢に戦うのに比べて騎士としての血が疼くこともあったが、
それでも”国の役に立っている”という認識が私の支えになっていた。

ある日。
実験の中、私はマリオンに元気が無いのが気にかかった。
「この戦いが終わっても、人類の戦いの歴史が終わるわけじゃないのね…」
意味深な言葉。彼女に何かあったのだろうか?
そして直後の実験で…事故が起きた。
マシンが突如、所かまわず攻撃を始めたのだ。
私の制御を全く受け付けず暴走する機体。
その動きに耐え切れず、1分とたたないうちに失神してしまった。
暴走は、5分後にはあっけなく終わったらしい。
機体自体が動きに耐え切れずオーバーヒートしたためだ。
なんとか一命を取り留めた私だったが、一番の被害者はマリオンだった。
EXAMとサイコミュで繋がっていた彼女の意識が、戻らなくなってしまったのだ。
研究所唯一のニュータイプを失ったことで、プロジェクトは中止になると思われた。
しかし…
その3日後、EXAMシステムは完成した。
それを搭載したイフリート改は、マリオンがいないにも係わらず
彼女がサポートしていた時以上の性能を発揮したのだ。
…クルストは一体どんな魔法を使ったのだ?

あれ以来、実験では暴走を起こすこともなく、
EXAMの兵器としての有効性は高いように思われた。
だが、当のクルスト博士は現状に満足していないようだった。
「あれでは、まだ足りない。あの暴走のような力が必要なのだよ…」
博士の呟きを、私は聞き逃さなかった。

そして…博士はジオンを裏切り、連邦へ亡命した。

---
物思いにふける私を現実に引き戻したのは、
部下からの報告だった。
どうやら、連邦のEXAM搭載モビルスーツによって
友軍のミサイル基地が壊滅させられたらしい。
これにより、連邦のカリフォルニア・ベース侵攻部隊を
止める術はなくなった。

連邦のEXAMマシンが、既に稼動している。
思っていたより、事態は急を要するようだ。
奴はおそらく、このまま侵攻部隊に加わるだろう。
「よし、カリフォルニアベース向かうぞ。必ずそこに現れるはずだ!」




-----
EXAMシステム開発当時のエピソードが語られます。
・”ニュータイプと同じ動きができる”について
 これはEXAMシステムの特徴として記述されることが多い表現ですが、
 いまいち具体的ではありません。
 が、今回のエピソードにて具体的に書かれた箇所があったので、引用してみます。

『モビルスーツの動きは、銃を撃つ、歩く、など一つ一つの動作が
 あらかじめプログラムされている。そのプログラムされた動きを、
 パイロットが選び出し組み合わせることで、人間に近い動きをすることができるのだ。
 ”EXAMシステム”は、その一つ一つの動きを、人間からニュータイプの
 動きに置き換えたものだと思えば分かりやすいかもしれない
 (もっとも、ニュータイプも生身の運動能力は常人と
  変わるところはない)。
 銃を撃つ動作一つでも、的確に、素早く、ターゲットを
 捕らえることができるのだ』

・ニムバスとマリオンの関係
 原作ゲームではニムバス、マリオン両者の関係は描かれませんでした。
 その他メディアでは、どうでしょうか?
 漫画版ではマリオンに自身の劣等感を見透かされて哀れむ言葉をかけられ、
 小説版では、ニムバスはニュータイプへの劣等感の象徴としてマリオンを敵視、
 自らの力を示すため婦女暴行していました(明確な表現は無し)。
 この2つ以外で両者の関係が描かれる機会はほとんど無かったため、
 両者の関係は漫画版及び小説版のイメージが強い方も多いと思います。
 そんな人にとって、短編小説版で描かれる両者の描写はとても新鮮に映るかと思いますので、
 二人の会話を本文より引用してみます。

 「どうした、マリオン」
 「ニムバス…この”EXAM”が完成すれば、戦いは終わると思う?」
 「…おそらくな。このシステムが量産化されれば、
  連邦との戦いは時をおかずして、ジオンの勝利に終わるだろう」
 「…でも、それで人類の戦いの歴史が終わるわけじゃないのね…」
 「なぜ、そんな事を言う?どうかしてるぞ。何かあったのか?」
 「いいえ、なんでもないの…さあ、実験をつづけましょう」

 マリオンの様子が気になって声をかけ、彼女の話を聞いてやるニムバス。
 従来のニムバス像からは想像も出来ない会話をしています。
 短い描写ですが、漫画版や小説版のように仲が悪かった様子はなく、
 むしろ実験を通してお互いに信用を置いていた、とさえ伺えます。
 公式・非公式はさておいて、こんなニムバスも新鮮で面白いですね。

-----
次回はエピソード3、4の予定。
ニムバスの視点から見た
ブルー1号機との対決、そして
これまた具体的に描かれる機会の少ない
連邦EXAM研究所襲撃の様子を紹介してみたいと思います。

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2009-09-11-Fri 01:38:56 │EDIT
本日2回目の更新。

SDガンダム BB戦士三国伝の外伝に登場する
BB戦士 No.347 馬岱(ばたい)ガンダムが
11月に発売予定とのこと。
ブルーディスティニーがモチーフになっているので
紹介してみました。
画像などはコチラ
過去に発売されたBB戦士のブルー3号機を素体として
新規パーツを当てたものになりそうです。

三国伝外伝の他のキャラも、過去のシリーズの
流用が多いようですね。
うーん、三国伝のBB戦士シリーズのクオリティと比べると、
過去の素体じゃ見劣りしちゃうよな…。

-----
◆近況
wiiとモンスターハンター3、買っちゃいました。

PSP版のポータブル2Gでは、ガンランス使いでした。
3でガンランスがリストラされたのが悔しかったので
「ガンランスの無いモンハンなんて、ガンキャノンのいないガンダムみたいなもんだ!」
と、意地をはってスルーを決め込むつもりでしたが、
友人宅で3のプレイを指をくわえて見ているのに
耐えられなくなりました。


ガンランスではなく、ランスでプレイしてますが…

なにこれ。使っててスゲー面白いんですけど!
3からの新要素、カウンター突きとか盾アタックとか、なんか新鮮。
しばらくは、またモンスターハンター漬けになりそうです。

拍手[0回]

2009-09-11-Fri 01:20:32 │EDIT
『覇王ゲームスペシャル[71] 機動戦士ガンダム外伝Ⅱ 蒼を受け継ぐ者
 テクニカルガイドブック』

より、千葉智宏氏によるオリジナル短編小説「蒼き騎士の探求」をお送りします。




ニムバスの視点でストーリーは進み、
ゲーム本編、マンガ版、小説版とも違うニムバス像が伺えて、
なかなか面白い話になっています。
プロローグ+エピソード1~4の計5章のうち、
今回はプロローグとエピソード1を紹介します。


-----
プロローグ

クルスト博士が”EXAMシステム”を持って
連邦に亡命した、その3日後。
私、ニムバス・シュターゼンはジオン軍ニュータイプ研究機関、
”フラナガン機関”の警備隊長より、命令書を受け取っていた。

キシリア閣下より直接下された、A級極秘命令。
『亡命したクルスト博士の拘束…もしくは殺害。
 ”EXAMシステム”搭載マシンの奪取…もしくは破壊』

クルスト博士はその理論の異端性からフラナガン機関内でも冷遇されており、
ろくな研究施設も与えられていなかった。
そして、研究成果である”EXAMシステム”も、上層部には欠陥品の烙印を押されていたため
「実用化のめども立たないシステムなど、連邦にくれてやってもいい」
というのが警備隊長の本音であった。
が、ニュータイプ関連技術は軍の極秘事項であり、その流出には違いないため
上層部が慌てるのも無理はなかった。

隊長は「作戦成功の暁には最前線に戻れるよう取り計らってやる…」と話し、
私の過去に触れる。
かつて私は、ある戦闘中に退却命令を出した隊長機を破壊し、戦闘を継続。
敵を撃退するも味方も全滅させてしまった。
それが原因で、冷遇される研究所に左遷されたのだ。

しかし、あの局面で退却してしまったら、後続の部隊が背後を敵に晒すことになる。
自分の判断は正しかった、と主張するも
「”騎士”を自称する、君らしい立派な御意見だな…」
と、警備隊長は皮肉を返す。
私は、感情を殺した表情でそれを受け流し、部屋を退室した。
しかし、内心は怒りに満ちていた。
<『最前線に戻してやる』だと?要するに、クルストともども厄介払いがしたいのだろう…>

下衆な男だ…。
そして、それより許せないのがクルストだ。
自分が命を削って集めた”EXAMシステム”のデータを持ち去り、
ジオンを、自分を裏切り、連邦に寝返ったのだ。
拘束などしない。必ず見つけ出し、八つ裂きにしてやる。
騎士としての誇りにかけて…

---
1.対決

諜報部の情報から、連邦の”EXAM”マシンを積んだ輸送機を発見。
撃墜するも、墜落ポイントには何も知らない友軍のザク隊が先回りをしていた。
任務の秘匿性ゆえ、隠密行動を要求される私にとっては
邪魔者以外の何者でもなかった。
最悪、”EXAM”マシンに気づかれた場合、
たとえ友軍であろうと撃破しなければならない。
やるなら、油断している今しかない。
手に汗が滲む…迷うことはない、これは任務なのだ。

その時、墜落現場に現れた連邦軍が攻撃を仕掛けた。
不意を打たれ、友軍はあっさり全滅。
なんと不甲斐ない…。ザク隊への怒りが沸く。
しかし、これで姿を隠す必要も無くなった。
連邦相手なら、何のためらいも無い。
「”EXAM”の名の下に、お前らを葬り去ってやる!」
愛機、イフリート改を駆り、私は連邦のジム隊に襲いかかった。

イフリート改は、推力だけならジオンでも
トップクラスの性能を誇る。
並大抵の操縦技術で扱える代物ではなく、
私の操縦と、”EXAM”システムのサポートをもってして、
恐るべき性能を発揮することができる。
私は1分もたたないうちに、3機のジムを撃破した。
連邦軍とは、この程度のものなのか?
腰抜けのパイロットに、脆弱なモビルスーツ。
こんなものを手に入れるために祖国を、そして私を裏切ったのか?
クルストへの怒りが湧き起こる。
次々と敵機を撃破する中、1機だけ手ごわい相手がいた。
”EXAM”の動きに食らいつくジム…
こいつに手間取るうち、連邦の援軍の接近をキャッチした。
その数、10機以上。
既に戦闘が始まって3分が経過していた。
残り2分の稼動時間で奴らを相手にするのは、いささか不利だ。
「クルストよ、次に会うときが貴様の最後だ!」
私は撃墜した輸送機を残し、いったん退却をした。

-----
◆プロローグより
地球へ降下する直前のニムバスの様子が描かれます。

・隊長殺害のエピソード
 ニムバスのキャラクター紹介につきものの
「撤退命令を出した隊長を殺害」というエピソードについて
 少しだけ詳細に語られています。

 マンガ版・小説版などからくる従来のニムバスの人物像では
 「それでもジオン軍人か!恥を知れ!」といった理由で
 隊長機を撃破したイメージがありますが、
 短編小説版ではもっと別の理由が語られます。

 「隊長を殺害してまで撤退するわけにはいかなかった理由」として
 「後続の部隊の危険にさらさないため」とあります。
 これを”味方のための自己犠牲”とするならニムバスは本当に騎士道精神に従って
 行動した、と言えます。

 従来の人物像である「強烈な自己正当化から騎士を自称するニムバス」
 ではない、ちょっと新鮮なニムバス像が伺える興味深いエピソードとなっています。

・警備隊長とニムバス
 警備隊長は、EXAMシステムを未完成なシステムと見てますが、
 対するニムバスはシステムと、搭載した機体は十分に機能するものだと
 反論する場面があります。
 とにかく、この二人は仲が悪い。
 ニムバスが厄介者扱いされていた様子が伺えます。

◆1.対決より
・友軍機への攻撃というシチュエーション
 輸送機確保のため、友軍機を撃破するべきか、否かという状況に陥ります。
 漫画版、小説版ではアッサリと友軍を撃破したニムバスですが、
 短編小説版では葛藤する場面、そして「これは任務だ」と、
 自分に言い聞かせる場面があります。
 これも、従来の人物像と違う面ですね。
 …かつて隊長機を攻撃したときも、このような葛藤があったのだろうか?
 ニムバスでそんな妄想をしてみるのも、ちょっと新鮮な感じです。

・EXAMのサポート
 EXAMシステムは、具体的にどのような働きをするのか?
 いまいち明かされない要素ですが、それについても
 少しだけ詳細に描写があったので、それを抜粋してみます。
『イフリート改のヒートサーベルは、その武器そのものの威力は、
 グフのヒートサーベルと大差ない。
 しかし、わたしの操縦テクニックに”EXAMシステム”の
 サポートが加わることにより、剣をふる角度、スイングするスピードが
 もっとも威力の高まる形になる』

-----
短編小説版のニムバス像はどこまでオフィシャルなのか?…というのはさておき、
新たな人物像が次々見えてくるので、なかなか面白い内容となっています。
次回はエピソード2と3を紹介予定。
なんと、マリオンを心配して気遣うニムバスが描かれます。
お楽しみに…。

拍手[1回]

2009-09-02-Wed 00:55:46 │EDIT
電撃ホビージャパン最新号、2009年10月号に
イフリート・ナハトのスクラッチ作例あり。
イラストやゲーム画面写真では分かりにくい箇所までよくわかる
カッチョイイ作例が載ってます。

今までちょっと分かりにくかった
ナハトのバックパックでしたが
今回の作例のおかげでギミックなどが判明。
その他、いろいろ面白いことがわかったので
まとめてみました。

ナハトと通常イフリート(以下、素イフ)の
比較記事はコチラ

---

バックパックはこんな感じです。
右写真:ななめ上からのアングル。排気ダクトの形が判明しました。


スラスターにフタがあり、開閉するギミックがあるようです。
(記事では「設定画のものを再現」と、コメントあり)

---
作例の他にも注目すべき記事がありました。
なんと、ナハトの後姿のイラストが掲載されたのです。
(コレ、自分は初めて見るんですが
 もしかして世に出るのは今回の記事が初なのかな?)


素イフとナハト、立ち姿、後ろから。
細かい違いは以前の記事を参照していただくとして、
バックパックの形に注目。

素イフの物と、全く同じなんです。

これまで、当ブログでは
「ナハトのバックパックは、素イフの物に追加パーツを施している」

と予想していましたが…
なぜかイラスト画では、素イフと同じ物を背負っている。

どういうことだ?
(加えて、徹底的に塞がれていたはずの四角バーニアが、
 イラスト画だとバックパックのみ塞がれていない)

今回の作例記事で、ナハトを作ったモデラーは
「設定画のものを再現」と、コメントしていました。
ということは、バックパックの設定画が2種類存在するということになるのだろうか?

うーん、気になる。
この辺の結論は、今後の情報待ちになります。


参考までに、

ナハトのイラストと、ゲーム画でのバックパック比較も。

---
◆オマケ
・3連ガトリングの作例もアリ。

グフカスタムが使用していたものと同じのようです。
(作例ではスクラッチ)

ガトリング砲を籠手(こて)で覆う、という構造。
この構造は公式?それともこれはモデラーの解釈?
これも続報待ち。


…続報待ちばかりで、コラムとしてのオチが弱いのはご容赦ください。
決定打が出てからまとめればいいんですが、
情報が小出しになっている現状を、あーだこーだ言って
楽しんでしまうのが当方の悪いクセでして…。


・ガンダムバトラインにピクシー再び登場

バトラインにピクシーは既に登場していますが、
新ブースターパックで、新規イラストで再登場するようです。

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自己紹介:
「機動戦士ガンダム外伝 ブルーディスティニー」や一部ガンダム外伝系のネタを取り扱ってます。設定の考察よりも、設定の成り立ちや変遷を追ってます。まあ、参考程度に。

一年くらい更新を休んでましたが戻ってきました。

過去記事のは「カテゴリー」の「記事インデックス」、もしくはそれぞれの項目を参照。セガサターンソフト「機動戦士ガンダム外伝」の情報及び過去のブルー関連フィギュア、カード(2004年頃まで)についてはHP:蒼色一号を参照のこと。
メール:tdfuh1abg@hotmail.com(@は半角)
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