1ヶ月ほど更新をサボっていました。本当にすいません。
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前回までの簡単なまとめ
「ゲーム開発中は”赤目”になる設定だったが、途中で設定が変更になり、ゴーグルは緑のままとなった。しかし、97年に出版された高山瑞穂氏によるマンガ版の表紙では、”赤目”で描かれた」
ボツ設定だったはずの”赤目”が世に出た格好となりました。
それから”赤目”が、どのようにして定着していったか。
今回は、1997年以降のその変遷を追ってみます。
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ブルーの”赤目”が定着した原因について、もうお気づきの方もいるだろう。
それは98年にプレイステーションで発売された「Gジェネレーション」(以下、Gジェネ)である。
当時、あらゆるガンダム作品を網羅したシミュレーションゲームとして、ガンダムファンに大ヒットしたゲーム
「機動戦士ガンダム」を始め映像作品はもちろん、「THE BLUE DESTINY」のようにマイナー作品のシナリオもカバー。ゲームを通してガンダム・ワールドを追体験することができました。
迫力のCGムービーも作品の魅力であり、SDではありますが、初めて映像化を果たした作品も多くありました。
「THE BLUE DESTINY」はGジェネ第1作目から登場。
その中において、事件(と書くと大げさだが)は起きました。
EXAMが発動した際、ブルーが”赤目”になったのです。
そしてCGムービーでも同じく。第1作目では原作ゲーム2巻のラスト、イフリート改との対決がムービーになりました。
”赤目”のブルー1号機が戦う姿が印象深かった方も多いでしょう。
さらには、2号機&3号機まで。
Gジェネにおいて、なぜブルーは”赤目”になったのか?
それは、Gジェネで「THE BLUE DESTINY」のストーリーを補完するのに、小説版とマンガ版が参考にされたためだと思われます。
そもそもブルーの原作ゲームは3Dシューティングゲーム(※余談1)であり、ストーリーを展開するにも基本的にはコックピット画面。ゲーム中のデモムービーやステージ間のナレーションによる解説でも展開されますが、物語の全体が把握しづらかったり、詳細な設定部分が説明不足になってしまいました。
(ストーリーをどう伝えるかは開発スタッフも苦労したようで、設定資料集でもそのようなコメントがありました)
たとえば「機動戦士ガンダム」の場合は、ゲームでストーリーの再現をするにも、もともとが「アニメ」という映像媒体であり、ストーリーが展開された確固とした土台があるわけです。
しかしブルーの場合は再現をするべく土台が不安定であったため、小説版、マンガ版による補完があったのではないでしょうか(※余談2)。
私的結論:
原作ゲームのブルーはEXAM発動時にゴーグルの色に変化は無かったが、マンガ版の「EXAMが発動時すると目が赤くなる」という設定がGジェネシリーズで採用された。
また、もともとは1号機のみの設定だったが「EXAM発動→赤目」の流れから2号機と3号機も同じ演出がされた。
Gジェネシリーズに始り、さまざまなガンダムゲームにブルーが登場したときにもこの設定が反映。ガンダムファンの間に広く認識されていき、ついには公式扱いになった。
しかし元を正せば、マンガ版の”赤目”自体が原作ゲームのボツ設定だったため、ボツ設定が思わぬ形で復活、派生していったことになる。------
”赤目”の設定の変遷はこんな感じでしょうか。
Gジェネ出演で、思わぬ変遷をたどることになったブルー。原作がゲームでありアニメではなかったことが、多彩でバラエエィに富んだ変遷をたどる原因なのかもしれません。
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※余談1
ジャンル的にはそう分類されていますが、どちらかというと3Dアクションゲームと呼ぶほうがしっくりくる気がする。
※余談2
ストーリー、キャラクターの人物像などは主に小説版から。ビジュアル的な面はマンガ版から、といった感じに。
ビジュアル的な面では、マリオンの背中に天使の羽、ブルーのビームサーベル収納位置、そして”赤目”などが該当するでしょうか。
Gジェネシリーズが本家ブルーディスティニーシリーズに与えた影響というのは他にもあるので、そのあたりもいつか特集してみたいと思います。いつか。
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