前回のコラムにて、イフリート改のヒートサーベルの解釈について話しました。その際、過去のイフリート改のイラストを見ているうちに面白いことに気づきまして…。
今回は、イフリート改装備のヒートサーベルについて。”設定の変遷”というわけではなく、さまざまなイラスト・立体物における解釈やアレンジの違いに注目し、調べてみました。
まず、剣の各部名称の説明から。
主にこの3点に注目してみました。
イフリート改のヒートサーベルは、おおまかにわけて3種類のパターンがあります。
まず、イフリート装備のヒートサーベル。
剣身は刃にあたる部分が白、そして身が黄色で背にはパイプがあります。柄頭には丸いデザインの物があります。
このサーベルを、便宜上”サーベルA”とします。
次は、原作ゲーム中のヒートサーベル。ポリゴン数の制限からか、サーベルAの鍔や柄頭の丸が省略されています。
こちらは”サーベルB”です。
最後に、グフのヒートサーベル。写真はジオノグラフィのグフカスタムのものです。
これは”サーベルC”とします。
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まず、”サーベルA”のパターン。
左より、ガンダムウォー第17弾。鍔は灰色です。
次にGAME'S MsV。形状、色ともにイフリートのものと同じ。
右端、ガンダムクロニクル0079-0083版。ヒートサーベルの発熱にあわせて鍔が発光しているように見えます。
次に”サーベルB”
左、設定資料集中のイラスト。ヒートサーベルというより、なんだかビーム系にも見えますが。
右、ガンダムウォー・ベースドブースター編(写真は同イラストの別商品)
このように、原作ゲーム中の雰囲気を重視したイラストもありました。
”サーベルC”
左は原作ゲーム中に使用されたイラスト。
中はPS2ソフト「機動戦士ガンダム戦記」のロード画面
右は同じく「ガンダム戦記」のゲーム画面
左よりガンダムウォー・ベースドブースター編より
右はガンダムクロニクル0079ポケットの中の戦争編
左2つはガシャポンのSDガンダムフルカラー。唯一、鍔が十字。むしろ”サーベルA”の鍔に近いか?
右から2番目はガンダムコレクション。
右端はプライズのキーホルダー。柄頭の丸はナシ。
まだまだありそうですが、とりあえず手持ちではこれくらい。
以上より”サーベルA”は3種類。
”サーベルB”は2種類。
”サーベルC”は7種類。
結果、イフリート改のイラスト・立体物では”サーベルC”、つまりグフカスタムのヒートサーベルがモチーフになることが多いと判明しました。
これは推測ですが…このようにさまざまな解釈がみられるのは、イフリート改の公式設定画で専用ヒートサーベルが描かれていないことが原因ではないでしょうか。
そのため、イラスト化や立体化する時に
A:「イフリートと同じ物を装備しているのでは?」→イフリートのヒートサーベル設定画にたどり着く→”サーベルA”
B:「設定画が存在しないから、原作ゲームのものをモチーフにしよう」→”サーベルB”
C:「ジオン軍の剣タイプのヒート兵器といえば、グフのヒートサーベルだな」→”サーベルC”
といった感じで解釈されていくのではないだろうか。
イフリート改のヒートサーベルは、絵師や造詣師の解釈によって、さまざまな形が生まれます。たかが武器一つですが、その解釈の違いに注目してみるのも、楽しみ方としてアリではないでしょうか。
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※補足※
ついでに、イフリートもしらべてみました。
”サーベルA”
ジオノグラフィ・イフリートに付属のヒートサーベル。基本設定のものと形は同じですが、色が灰色ほぼ一色。基本設定のもののようなカラフルなものではありません。
ガンダムウォー、カードビルダー、ガンダムクロニクル0079-0083編。
これらはカラフルなヒートサーベルになっています。
”サーベルC”
ガンダムクロニクルポケットの中の戦争編、同じく0083編。
イフリート自体にも、いろいろな解釈があるようですね。
[1回]
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