久々のブログ更新です。
・・・って、もう最新号発売ですね。更新大幅に遅れてますわ・・・。
遅ればせながら、ダムエーのザ・ブルー、7話と8話について。
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◆第7話『ニューバーン基地の攻防』
・原作ゲームでは1巻ステージ4『ジオンの猛攻』ステージ5『エースパイロット』に相当するお話。
原作ではジムコマンドで出撃し地上から侵攻するザク、水中から上陸したハイゴッグを相手に地上で戦います。たいち版では第6話にてアクアジムで出撃しズゴックらと水中で戦っています。
・表紙は野心むき出しネコ目巻き毛なトレーダー、対照的に落ち着いた雰囲気のラウ。そして2機のドム。両機の武装違いにも注目ですね。
・基地を襲撃するジオン、その先鋒はラウ&トレーダー。もともと襲撃作戦をとる予定だった第501MS装甲擲弾中隊にニムバス隊が便乗。
トレーダーの「騙してるみたいで気が引けますね」というセリフからニムバス隊は501中隊を利用している様子が伺えます。・・・が、後に501中隊のセリフ「少尉、ご自身の任務を」とあり、便乗されたことは承知の上のようです。
・これまでの作品に比べ、ニューバーンを襲撃する部隊に強く焦点を当てているのが印象的です。
なお、同様のシチュエーションでは高山版のニムバス隊は他の隊(水中用MSの部隊)にネタを流し襲撃させ囮として利用、部隊の全滅ののちニムバス隊が3機のドムで出撃しています。比べてみると、たいち版では共同戦線なので、囮に使うにしても幾分か良心的な感じですね。
・場面変わって、アクアジム&ドミナンスによる水中戦が決着。
サマナ「新型、使えますね!我々の活躍に基地の味方も大喜びでしょう! 」のセリフ。
原作ゲームでは「きっと我々の活躍に、基地の味方も大喜びですよ! 」となっている。
サイドスのセリフはたいち版と全く同じだが、たいち版でのこのセリフには”新型”に”ドミナンス”のルビが振ってあり、意味が変わっている。
サイドスではこのエピソードまでジムを使っており、ニューバーン基地で受領した新型機であるジムコマンドのデビュー戦となっている。戦いも地上。
サイドスでの”新型”はジムコマンドを指していたが、今回はドミナンスのことを指している。
たいち版における”新型”は、これまでドミナンスを指している言葉。
原作はじめ、これまでのユウらの部隊はジムの実験部隊として描かれていたがが、たいち版では、どちらかというとドミナンスの実験部隊という印象が強いように思える。
(ま、今回たいち版で搭乗しているアクアジムは新型機という扱いではないため、先のサマナのセリフをここで使おうとするならば”新型”がドミナンスを指すのも当然といえば当然ですがね)
・続くフィリップのセリフ「バーカ!MS乗りってのは他の連中から見ればエリートなのよ」はサイドス版と同じ。
原作はでは、さらに「こんなのは出来て当たり前だと思ってる。もし喜んでいるとしたら、技術屋連中だけよ。 それもな、勝ったことに喜んでるんじゃない。 また新しい実戦データが手に入ったことに対して喜んでるんだよ」と続いています。
フィリップから続くユウの「そう、これは~」のセリフはサイドス版とほぼ同じ。
(サイドス「~課せられた義務さ」、たいち版「~課せられた義務だ」)
・地上部隊侵攻を聞き焦るユウは機体乗り換えの時間を惜しみ、武装のみ変更しドミナンス水中仕様のまま先行してしまう。水中仕様のままでは機体が重く、ラウとトレーダーの連携によって被弾。爆発の中、ユウは天使のマリオンのビジョンを見る。
そして遠く離れたブルー1号機がユウの意識に反応、EXAMが起動する。
ここでの1号機は修理を終え、以前に誌面で発表された11部隊向け仕様に変更されている。
・第7話はMSのアクションも見所。
ズゴックの攻撃をかわし、ハンドアンカーでズゴックを掴み、その勢いで地上に上がると同時にビームピックでトドメ。水中から上がった瞬間には既に抜刀しているのが芸コマ。
ラウ&トレーダーのドムによる連携攻撃。特にラウがひるませてからのトレーダーがシュツルムファウストを手にとり発射、命中の一連の流れはグッときました。
一瞬入る、ペロリと舌を出すトレーダーも良い。
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◆第8話『EXAM共鳴』
・ハンガーに固定されているブルー1号機のEXAMが起動。暴走には達していないものの「人々の死の叫び」には遠い場所にあるので戸惑うアルフ。
そしてクルストは、ブルーの様子からニムバスの存在ともう1機のEXAMマシンが地上に下りていると予感し、怯えていた・・・。
※1
このブルー1号機の反応からクルストはイフ改の存在が近いと予感したこと。
イフ改のEXAMも起動していること。
そしてサブタイトル。
これが、EXAMの共鳴現象ということでしょうね。
※2
ニムバスの「EXAM・・・安心するがいい、お前の力は私が剣として使いこなしてみせる」のセリフに続き、剣に縛られたマリオン。これはニムバスが見えているビジョン・・・?
「囚われの乙女よ」とのセリフからもわかるように、ニムバスはマリオンを憐れんでいる様子が伺えます。
マリオンの犠牲をもって生み出されたEXAM。その力を行使することがマリオンへの、せめてもの償い・・・と考えているのでしょうかね。
マリオンを憐れむニムバス。マリオンの犠牲を無駄にしないと誓うニムバス。これらはサイドスでもみられましたね。
今回、たいち版ではサイド版より深く掘り下げて描かれていきそうです。
被弾の衝撃で操縦桿から手を離すもマリオンの導きで再び握り直し、超反応で至近距離の攻撃を避けるユウ。これまでの作品で、マリオンがユウに精神的な干渉をするのは基本的にブルーに乗っている時・・・EXAMマシンに乗っている時でした(例外あり)。
たいち版ではEXAMの有無に関わらず干渉しています。そして、積極的にユウを助けようとしているのが印象的です。
ドミナンスとユウ、同じポーズに。ユウが機体に共鳴し過ぎている・・・?
メカニックをザクマシンガンで銃殺し「フーッ間に合いましたね」と爽やかな笑顔をみせるトレーダー。
さりげなく入った描写ですが、これ結構重要なシーンだと思うんですよね。
第2話で、ユウはジムの100ミリマシンガンで敵の砲台を撃つことをためらいます。
MS相手に太刀打ちの出来ない砲台相手に、この圧倒的な力は行使できない。いたずらに敵兵を殺すことは任務ではない・・・とし、敵兵が逃げるのを待った後に砲台を破壊しています。
対して、トレーダー。
スパイとの受け渡しがあるため、他のメカニックらに目撃されてはマズい。時間も限られている。こういう状況であったためザクマシンガンでメカニックを銃殺することも止む無しではありました。
しかし、そこに一切の躊躇はなく、時間を間に合わせることが出来た安堵の爽やかな笑顔さえみせました。
武器も持っていない生身の人間を、MSの圧倒的な力で殺したトレーダー。
前述のユウと対照しているのが、際立っていますね。
ユウもトレーダーも、強大な”力”を欲するもの。しかし、戦いへの心情は全く違います。そんな二人が次に激突した時、どうなるのか・・・。これは面白い展開になるかもしれませんね。
※3
・11部隊に潜入していた女スパイ・・・!
第8話後半で判明しますが、彼女はフィリップの恋人ジル。この名もおそらく偽名でしょう。
・・・って、これはちょっと出来すぎた展開では!?
11部隊にブルーが配備されるの事になったのはアルフ側が仕向けた遭遇戦がきっかけで、そこから11部隊に配備が決定したのも偶然から。
アルフ側・・・あるいは、オーガスタ側からのスパイならまだわかりますが、なぜジオン側から?トレーダーはスパイの素性を知らなかったことからニムバス隊に直接関わる人物ではないかもしれませんが・・・ちょっと出来すぎな展開ではないかと思いました。
もうひとつ気になるのが、第5話でアルフに11部隊の情報を流していた人物。
あれはジルなのか?それともアルフ側から送り込んだ別のスパイ?
うーん、この辺は今後の展開待ちですね。
イフリート改の空中戦!
ニムバスの言い回しがガトーっぽくてワロタ
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第8話にて、原作ゲーム第1巻『戦慄のブルー』編はおしまい。
次回より『蒼を受け継ぐもの』編になります。
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※1
クルストがニムバス&イフ改が地球に来たことを知る、もしくは地球で初めてニムバスに再会し地球に来ていた事を知った時のリアクションも各媒体ごとに違い、とても面白いです。
原作ゲームでは詳細な描写なし。
高山版では2号機を奪ったニムバスにEXAMの危険性を訴えます。
皆川版では「そうか、あれ(イフリート改)が降りてきているのか」と冷静に答えたものの、EXAMマシンをニムバスに託すために情報をリーク。自らは殺される覚悟で2号機を奪わせます。
サイドスでは2号機を奪ったニムバスに対し「連邦で一緒にEXAMを完成させよう!処遇は私がなんとかする!」と、ノリノリで誘ったりしています。
今回のたいち版ではEXAMの様子からニムバスとイフリート改が地上に下りていると予感し、激しく怯えています。
実際に対面した時、どうなってしまうのでしょうかね・・・。
※2
ちょっと「?」と思ったのは、第7話のラストからの繋がり。
前回ラストのEXAM起動はユウの被弾にマリオンとBD-1のシステムが反応したと思われる描写がされていました。
読者的には”ユウが原因で起動した”と読み取れる描写なのに、クルストは地上のイフリート改が原因だと予感する流れは、少し引っかかるものがありました。いやまあ個人的な感想ですが。
※3
加えて注目していきたいのが、今後ユウがEXAMを起動させた作戦で描かれる描写。
生身の兵士に向かってMSから発砲・・・といえば、皆川版に描写があります。
EXAMシステムを起動したブルー1号機で敵ミサイル基地を沈黙させた。
作戦は完了したが、EXAMの影響下にあったユウは自分に向けられた”敵意”に対し、反射的に胸部バルカンを発砲する。殺したのは、岩陰に隠れていた生身の兵士。得物は歩兵用のただのマシンガンだった。
もし、たいち版でもこのような描写があれば、第2話で生身の敵兵を見逃したユウの描写が、これまた対照として浮き上がってくるのではないか。あの第2話の描写は、伏線なのだろうか?
そんなところも注目してみたいですね。
[2回]
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