時には昔の話を。
今からちょうど10年前の2005年・・・GUNDAM FIX FIGURATIONでブルーディスティニーが発売され『THE BLUE DESTINY』の10周年を翌年に控えた頃。
当時ガンダムエース誌上にて徳島雅彦氏が連載していたコラム『ガンダムが1番!だけど、それだけじゃないよね!』の第20回で、徳島氏が自身の監督作品としてブルーについて触れていました。
基本的には「ブルーディスティニーとは何ぞや」という解説なんですが、これもひとつの記録として、また、10周年を迎えるタイミングで書かれたこのコラムを20周年を控えた現在に読み返してみるのも一興かなと思ったので、紹介してみます。
(出典:ガンダムエース2006年1月号 No.041)
どうやら、「ガンダム外伝 ブルーディスティニー」は来年で10周年を迎えるようです。いやぁ、初監督作品からもう10年です。長かったような、あっという間だったような・・・。そして、別に10周年記念というわけではありませんが、この本が出ている頃(12月下旬)に「GUNDAM FIX FIGURATION(以降GFF)ブルーディスティニー」が発売される模様です。手軽に購入できるホビーとしては初の立体化です(SDのプラモデルは発売済みですが、リアル頭身は初)。ジオン製の対NT用OS「EXAM」を搭載した、連邦軍製の試作MS「ブルーディスティニー」。GFFでは、その試作1号機である、ジムヘッドと、後にジオンに強奪されるガンダムヘッドの2号機をコンパチで再現したものになるようで、今から楽しみです(設定上は2号機と同型の3号機が存在しますが、機体のメインカラーが白なのでコンパチは無理のようです)。ジオンのNT研究施設で披験体となっていた少女、マリオン・ウェルチの意識を電子的に取り込んだことで偶発的に完成したシステム「EXAM」。ジオンの研究施設内で異端視されていた開発者のクルスト・モーゼス博士は、完成したサンプルを持って連邦に亡命。研究用に提供された先行量産型ジムへとシステムを組み込んだものの機体が耐え切れず失敗。急遽テスト機を陸戦型ガンダムベースのカスタム機へ移行することが決定するが、複雑な組み込み作業を伴うシステムの再移植は困難を極め、結果、初期に搭載したジムの頭部ごと新しい試験機に移植することで「ブルーディスティニー1号機」は完成した。(その後の2機の試作機はガンダムヘッドで製造される。)「EXAM」は、擬似NTシステムとも呼ばれ、オールドタイプのパイロットにNTと戦えるだけの反応補助を行うと共に、機体の限界を無視した機体制御を行うので、並みのパイロットやMSではハードが耐え切れないという欠陥品。さらに、NTとの精神感応や人の死などに過敏に反応し、過剰防衛行動により周囲の戦闘衝動を持った物体を敵味方関係なく殲滅する暴走状態(この際、パイロットを無視して自律行動することもある)に陥ることもあり、とても兵器としては使えないものです。超常的システムゆえの欠陥、しかし、使いようによっては多大な恩恵を得られるという部分は、高度な科学的な補助によって成り立ちつつも、その根幹がオカルトであることも含めて「終戦のローレライ」のローレライシステムにも通じるものがありますね。「ブルー」及び「EXAM」は1年戦争末期に、その全てが戦いの中で失われてしまいますが、後にZの時代で実用化された連邦軍の強化人間プランにそのノウハウの一部が生きた可能性は否定できないのではないでしょうか。今だからできる、物語まで補完した「ブルー 完全版」の制作は、機会があればやってみたい仕事の1つです。 (こちらはコラムに添えられた徳島氏によるイラスト)
(補足:『終戦のローレライ』は福井晴敏の架空戦記小説。2005年3月には『ローレライ』として映画化)
・そうなんです、10年前のブルー市場(?)はと言うと、BB戦士で武者ブルーガンダム、ブルー1号機&3号機が発売されてはいたもののリアル頭身は無く(厳密にはプライズとかガチャポンではあった)、GFFで初のリアル頭身での立体化を果たし、多くのファンを歓喜させまくっていました。
(まあ、あくまでGUNDAM FIX版ブルーの立体化なので頭部形状には賛否両論ありましたが・・・)
現在では、ご存知の通りHGUCで1~3号機が発売されており、いつでも手軽にブルーが手に入る時代になりましたが、当時は凄かったんですよコイツの反響。
・コラムの締めにある、「ブルー 完全版」。これは9年後に『サイドストーリーズ』という形で実現しましたね。当初はブルーの完全リメイクという企画でしがた、いろいろあってああいう形になりました。
(ま、サイドスには個人的にはいろいろ思うところあるのですが・・・)
と、いうわけで徳島氏の10周年時のコメントでした。
(ザ・ブルーについての更新が滞ってますが、まあ、近いうちに・・・すんません)
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