いわゆる『EXAN発動』と『暴走状態』って、ちょっと違ったはず…
と、いうわけで調べてみました。
※1/10 事実の確認に考察が混じっていたこと、見落としがあったため記事を加筆修正。なんかもう本当にスイマセン…あくまで、原作ゲームを始め”公式”と銘打った媒体から分かる範囲、推測できる範囲に限りましたので漫画版、皆川小説版、千葉小説版の要素は含んでいません。
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◆原作ゲーム『機動戦士ガンダム外伝3 裁かれし者』における解説※ゲーム中のアルフのセリフより抜粋。
「クルストの作ったEXAMには謎が多すぎる。
通常、システムは50%しか機能していない。
システムを100%使用すると暴走するからだ。
だがその暴走も、どうもあらかじめ仕組まれた節がある。
俺の整備した1号機・3号機には、暴走を止めるリミッターがつけてある。
おかげで、短時間ならシステムを100%使用できるわけだ。
しかしユウ。
奪われた2号機にはそれが無い。
2号機が暴走に入ると、機体やパイロットの安全など考えずに戦いを挑んでくるぞ」
(外伝3ステージ3「スペースコロニー」ミッション説明より)「ユウ。クルストは、高い戦闘能力を持つニュータイプが、
やがて人類と敵対する存在になると考えた。
だからEXAMシステムを開発したんだ。
EXAMは、一人のニュータイプの少女の精神パターンをコピーすることによって生み出され
高い戦闘力を発揮するシステムになった。
しかし・・・EXAMは大きな問題も抱えている。
いったんニュータイプの精神波に反応したEXAMは暴走状態となり、
敵味方関係なく襲い掛かる死神となるんだ。
しかし、
暴走さえ抑えられればこれほど優れたシステムは無いはずだ」
(外伝3ステージ4「EXAMの真実」ミッション説明より)「いかん、ユウ!エグザムシステムが勝手に入っちまったぞ!
オーバーヒートする前にそいつを倒さんと、無防備になっちまう!」
(外伝2ステージ5「宿命の戦い」のアルフのセリフより)
「まずいぞ、ユウ!EXAMマシン同士で戦うと、
お互いに相手をニュータイプと認識して、システムが作動しちまう!
そうなったら、
暴走状態になれる敵の2号機に対して、
リミッターの付いた3号機では不利だ! 」
(ステージ5「裁かれし者」ミッション説明より)◆『機動戦士ガンダム外伝3 裁かれし者』取り扱い説明書に収録、アルフのEXAMレポートより抜粋(一部修正)。イフリート改の能力に満足できなかった博士は、さらなる研究、開発に着手した。
そして完成したのが、”EXAMシステム”の暴走システムだった。このシステムは、”EXAM”が戦場でニュータイプを感知すると発動。
”EXAM”が、
その性能を120%発揮するようになる。
当然ながら、
マシンやパイロットの安全は無視される。また、
制御もきかなくなり、マシンがオーバーヒートするまで、敵味方関係なく襲いかかる。この状態は、何も知らない人から見れば”暴走”しているように見える。しかし、本当はプログラムされたシステムなのだ。
(中略)
わたしは、ブルー1号機を開発。ユウ少尉率いる実験部隊に襲いかかった事件をきっかけに暴走システムに気がついた。ただし、残念なことに全てを理解していたわけではなかった。
わたしは、事件の後、ブルー1号機にリミッターを装着。これにより、
ブルー1号機は、約5分のみ、暴走に近い状態になれるようになった(コントロール不能になる本格的な暴走に入る前にシステム自体が停止する)。
リミッターにより、
暴走状態をある程度コントロールできるようになったが、ニュータイプに反応して、暴走状態になる基本システム自体は、そのまま残ってしまった。
◆設定資料集、ニムバスの項目よりより引用パイロットとしての腕は、超一流。
ジオン内でもイフリート改を乗りこなせるのは彼だけだ。
◆設定資料集に収録のジェシカ・ドーウェンによる「EXAM REPORT」より抜粋暴走のメカニズムに疑問を持った彼(アルフ)は、独自に開発したリミッターを1号機に装着する。これは、故意に暴走状態を引き起こし強制的にコントロール、なおかつパイロットと機体が崩壊する前にシステムを強制的に止めるというものだった。
(中略)
3号機にはアルフの手によりリミッターが装着されていたが、2号機にはそれがなく、3号機は暴走状態となった2号機の狂気のような攻撃にさらされたようだ。
◆まとめ
・EXAMは通常、50%の性能で動いている。
・”暴走”はEXAMが120%で機能している状態。その際、機体とパイロットの安全は無視される。制御不能に陥り、マシンがオーバーヒートするまで動き続ける。
(2号機対3号機の戦いにおいて、ニムバスはEXAMが120%機能した、暴走状態のEXAMすら乗りこなすことが出来た)
・EXAMシステムは100%までなら制御可能である。
・1号機・3号機による「EXAM発動」は100%で機能している状態。これはアルフが取り付けたリミッターによる効果で、120%まで機能することを抑えて、暴走状態にならないようにしている。限界は5分。それを過ぎると暴走状態になってしまうため、リミッターが5分で機体が停止させてしまう。
・リミッターは1号機、3号機に装着されている。2号機にはリミッターは無い。つまり1号機、3号機が暴走状態になることは無く、2号機はEXAMを発動させると100%を超え120%で機能し、暴走状態になる。
◆考察
・通常時もEXAMは50%で機能している。いわゆる「EXAM発動」は、厳密には「EXAMシステム100%稼動」といった表現が適切なのかもしれない。
(ただ、100%稼動時には電子音声で「EXAMシステム、スタンバイ」とアナウンスが入っていて、通常時は発動時と別OSで動いている
とも考えることができる。が、それだとアルフの説明と矛盾してしまう…)
・イフリート改は暴走しない。
暴走はクルストが連邦に亡命した後に完成させた機能であるためだ。
加えて、1号機対イフリート改の戦いにおいて、アルフはオーバーヒートによる1号機の停止は危惧しているが、両機の暴走については言及していなかった。
(ただ、千葉小説版だとイフリート改にも暴走に近い描写は確認できる)
・”120%”という表現は、安全を確保しつつ機能させられる”100%状態”を基準としているためか。
(なお、皆川小説版ではシステムそのものではなく、機体の稼動について”100%”、”120%”といった表現がされている)
◆余談
・漫画版では、上記の「EXAMシステム、スタンバイ」というアナウンスは「EXAMシステム、起動プログラム読コ込ミ終了。発動マデ、アト…」と、具体的なアナウンスになっている。漫画版だと、通常時とEXAMシステムは別OSで動いていると考えられそうだ。
・2号機と3号機の対決は同性能機同士の対決とよく言われているけど、EXAMが120%機能できる分、2号機の方が性能が上だったとも言えるか。
・有利・不利で言うなら、アルフのセリフにある通り、制限時間付きの3号機は不利な状況だった。性能の差と制限をハネのけて勝利したユウさんパねぇ。
・ニムバスがなぜ、暴走状態を制御できたか。設定資料集の記述だとパイロットとしての技量が理由、とも読み取れるが、ちょっと説明不足な感が。
小説版では、それに加えて「精神的な強さ」を理由としており、設定とドラマの両方に深みをつけていた。これは上手い手法だと思う。
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そもそも、こんなこと調べようと思った発端は、PVで見たEXVSのブルーのEXAM発動の描写からなんです。
ひとつは、躁状態でブルー1号機を操るユウ。
暴走状態のEXAM機を操るニムバスの表現を、暴走状態のEXAMを扱ったことが無いはずのユウで描写していて、それに違和感を感じました。
ふたつめは、EXAM発動状態の1号機のモーション。
これは、漫画版で1号機が暴走してユウたちに襲い掛かった時の描写を参考にしていると思われすが、ユウが1号機に乗るころにはリミッターがついていて暴走にはならず、暴走状態の時のような”野蛮な”戦い方はしていなかった。
それなのに、ゲームではユウが乗っているのに暴走時の動きをしている…。これもちょっと変では、と。
『もしや、いわゆる「EXAM発動」と「暴走」をごっちゃにしているのでは?これはちょっと設定を洗い出してみる必要があるのでは』
そんなことを思ったわけですよ。
しかしながら、これはあくまでPVを見たときの違和感でした。
実際にプレイしてみると…
ユウは躁一辺倒ではなく、アレはあくまで演出の一つだった。
漫画版暴走のモーションはやっぱり設定的に違う気がするが、使ってみて非常に気持ち良く、爽快で、格好良かった。
そもそも、派手なモーションや演出がウリのガンダムのお祭り的ゲームで、細かい設定云々を指摘するのは物凄く
野暮だよなあ…と、思い至りました。
と、いうわけで今回の記事はEXVSへの批判的意図は全くありません。
ただ、せっかく設定を調べたからブログのネタにしよう…ってわけです。
EXAMの暴走、漫画版と小説版を引き合いに出すともっと面白い比較になりそうで…特に、EXAM発動状態の動きの描写とかマリオンの描写とか違いがあって面白いのですが…
まあ、今回はこの辺で。
あ、遅くなりました。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
[10回]
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