さて、前回に引き続きサプレッサー付き100ミリマシンガンの話です。
今回は、設定の変遷、設定の歴史について書いてみたいと思います。
GUNDAM FIX(以下FIX)で初登場、ということでFIX版ブルー1号機の歴史を
辿ることになります。
※以下、ややこしくなりますが
FIX版は、あくまでGUNDAM FIXで描かれたイラストのブルー1号機。
GFF版はGUNDAM FIX FIGURATIONで発売されたフィギュアのブルー1号機を指します。
その初登場は、95年~98年にわたり月刊ニュータイプで連載された「GUNDAM FIX」の連載第29回でした(97年5月号)。
その後、時を経て2005年12月下旬にGFFにてブルー1号機が登場するわけですが、
実は、この間にもう一つの”カトキ版ブルー1号機”が存在しています。
それは、2003年9月に発売されたデザインワーク集
「カトキハジメ デザイン アンド プロダクツ アプルーブド ガンダム」のブルー1号機です。
この本は2002~2003年を中心にカトキハジメが手がけたプラモデル、GFFの開発画稿をすべて収録したもので、開発段階のカトキ氏の詳細な指示なども含めて掲載されています。
そして、実際の商品開発と同様の作業で新規に作りおこしのトライアルモデルが製作され、商品開発の過程の解説するという企画が掲載されました。
その際にトライアルモデルとして選ばれたのがブルー1号機だったのです。
こちらは、当時のガンダムエース(2003年10月号)に掲載された広告です。
(管理人はこの本をまだ入手していませんので、資料としてこちらを用意しました。
しかも、スキャナが絶賛故障中&デジカメが手元にないのでケータイでの撮影です。
スイマセン)
詳細なカトキ氏による指示が書いてあり、100㎜マシンガンとは違う造形を
目指した様子が伺えます。
このトライアルモデルとGFF版、は同じFIX版ブルーの画を出発点として立体化されましたが
実際はそれぞれ違った造形に仕上がったのが面白いですね。
(このトライアルモデルがGFF版ブルーの開発に関わっている、
というわけでは無さそうです)
さて、話は戻って2005年12月。ご存知GFFでブルー1号機が発売になりました。
こちらが、その際付属していたマシンガンです。
実はこのマシンガン、100㎜マシンガンの特徴である折りたたみストックが小さすぎるという
欠点があります。
上の写真に注目。ストックが銃より短いため、引っかかってしまう。
トライアルモデルでは充分な長さだったのに…
(これ、オモチャとしては欠陥ではないでしょうか…)
ちなみに、付け根を軸にして回転するようにはなっていないため、
一度外して付け直しています。もしかしたら、ハナっからストックを展開できるようには作ってないのかもしれません。
そして、2007年秋。それまではあくまでカトキ版ブルー1号機の装備であったサプレッサー付き100㎜マシンガンが、本編のブルー1号機が使用していた、という解説で登場しました。
前回紹介した、カードビルダーのウェポンカードですね。
さらに、同年11月29日。
PS2ソフト、Gジェネレーションスピリッツにおいて、なんとブルー1号機が
サプレッサー付き100㎜マシンガンを使用していたのです。
う~ん、やはりこの設定は公式設定として完全に採用されたことになったのでしょうか。
実際のところ、何をもって”公式”とするかは難しいところなんですが、
今後、この100㎜マシンガンがブルーの装備として登場していくかもしれません。
実は、もう一つ似たようなケースがあります。
それは、フルアーマーガンダムです。
GFFの第1弾として登場したフルアーマーガンダム。
その際、左の盾に2連装ビーム砲の予備砲身と専用ラックがオリジナル設定として立体化されましたが、それがGジェネスピリッツ本編に登場しているのです。
砲身をパージし、予備砲身を装着。かなりカッコいいシーンです。
こちらも、カトキ版アレンジが公式設定にフィードバックした例と言えるでしょう。
※余談ですが、BB戦士で発売されたフルアーマーガンダムにも、予備砲身&専用ラックが付いていました。
サプレッサー付き100mmマシンガンの設定の歴史は、こんな感じです。
次回は、ウンチクや余談をさらに語ってみたいと思います。
FIX版、GFF版ブルー1号機の歴史については
また別の機会に追ってみたいと思います。
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