「覇王ゲームスペシャル 機動戦士ガンダム外伝」攻略本に
収録の小説版の特集も、今回で最終回です。
今回は「裁かれし者」の攻略本に収録の「蒼き騎士と眠り姫」で書かれた、
童話風のちょっと変わった短編を紹介。
さすがに原文丸写しはまずいなと思い、今まではこちらで
原文の雰囲気を損なわない程度に要約してきましたが、
今回は上手く要約できなかったので、
原文ママ引用し紹介。
(いろいろマズかったら対処します)
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『眠り姫』
昔、そんなに大昔ではない昔。
あるところに、一人のお姫様がいました。
お姫様は、騎士(ナイト)の力を強くする不思議な力をもっていました。
多くの騎士が、その力を自分の物にしようと、
お姫様に求婚しました。
しかし、お姫様は、騎士たちの誰とも結ばれることはありませんでした。
そしてある一人の邪悪な魔法使いによって、お姫様は、その力を奪われ、
永遠の眠りにつかされてしまったのです。
お姫様から奪われた力は、幾つかに分けられ、それぞれ蒼い武具の中に封印されました。
その蒼い武具を、偶然手にした2人の騎士がおりました。
一人は、お姫様と同じ国の蒼き騎士ニムバス。もう一人は、敵国の若き騎士ユウ。
2人は、お姫様の力を封じた蒼い武具に身を包むと、それぞれの理想と、
それぞれの正義のために、数々の戦いにおもむき、そして勝利を手にしました。
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『2人の騎士(ナイト)と鍛冶屋』
蒼き騎士ニムバスは、お姫様の力を封じた武具で、あらゆる戦いに勝利することができました。
しかし、彼の心は勝利に酔いしれることはありませんでした。
「果たしてわたしは、自分の力で勝っているのか?」
その疑問が、常に彼を苦しめていたのです、やがて彼は、一つの答えを見つけます。
「自分と同じように蒼い武具を使うものと戦い、その者に勝利すれば、自分は真の勝者となれる!」と。
若き騎士ユウも、数々の戦いをお姫様の力を封じた蒼い武具とともに戦い抜き、今では国の英雄として、祭りあげられていました。
やがて彼は、戦いの中で、自分に力を貸してくれる姫の存在を知ることになります。若き騎士ユウは、そのお姫様を見つけ出し、永遠の眠りから救い出そう考えるのでした。
お姫様の蒼い武具に関係した、もう一人の男がいました。その男の名は、アルフ。腕のいい鍛冶屋でしたが、野心家でもありました。彼は、邪悪な魔法使いの弟子となり、お姫様の力を封印した蒼い武具の力の秘密を解こうとします。
「その力の秘密を手に入れられれば、さらに強い剣や鎧が作れるはずだ」
彼は、さらに秘密にせまるために騎士ユウと一緒に冒険することにしました。
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*「蒼き騎士と眠り姫」では、
『眠り姫』のエピソードは冒頭より。
『2人の騎士(ナイト)と鍛冶屋』は、『2.マリオンⅡ』の直後に
挿入されています。
EXAMを巡る一連のストーリーが、西洋の童話風に語られています。
・目を引いたのが、この記述。
>「果たしてわたしは、自分の力で勝っているのか?」
>その疑問が、常に彼を苦しめていたのです、やがて彼は、一つの答えを見つけます。
>「自分と同じように蒼い武具を使うものと戦い、その者に勝利すれば、自分は真の勝者となれる!」と。ニムバスのこのような心情が描かれたのは、このエピソードが初めてではないでしょうか。
・童話風エピソードでは原作ゲームで言うところの
『蒼を受け継ぐ者』あたりまでしか書かれていません。
最後の決着あたりも、童話風で読んでみたかった気もします。
…本編の締めの文章である
>眠り姫は歴史の中で完全な眠りについたのだ。
>それは、安らぎに満ちたものに違いない。これは、ブルー本編と童話の両方をリンクさせて締めたのかなと
たった今ふと思った。
・ちょっと妄想を暴走させますと、
実はこのエピソードはターンAガンダムの時代(正暦)に語られている童話。
EXAMを巡る一連の事件が、長い長い年月を経て、形を変えて伝わって、
やがて童話となり…黒歴史に実際にあった事件とは知らず、
童話として語り継がれている。なんてね。
…「歴史の闇に葬られたはずの事件が、なんで語り継がれてんだ」だって?
そこを妄想するのがロマンなわけですよ。
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さて、原作ゲームのスタッフでもある
千葉智宏氏によって描かれた、もう一つのブルーディスティニー。
いかがだったでしょうか?
現在、広く知られるブルーのストーリーとは食い違う部分が多々ありますが、
描かれる機会の少ないニムバスやマリオンの視点が見られるのは、この小説のみ。
現在、この攻略本は絶版であり入手には古本屋を探すか
ネットオークション等を頼るしかないのが残念なところですが、
ブルーファンの方には是非読んでみて欲しいと思います。
関連記事…
『戦慄のブルー』編
その1その2『蒼を受け継ぐ者』編
その3その4その5『裁かれし者』編
その6その7その8その9*各エピソードは全て、それぞれの主人公の
一人称視点で描かれており、
要約でもそれに準じています。
『戦慄のブルー』編のみ3人称視点で要約してあるのは、
単に要約の方向性が決まってなかっただけです。
やっべ、”その1”って去年の6月に書いてたのか…
随分時間かかってスイマセン…
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