ザ・ブルー第9~12話感想まとめ。
えーとですね、ブログ更新さぼっているうちにいろいろ展開進んだり第2巻が発売され話数調整がされていました。
とりあえず、前回更新の続きで6月号の第9話より雑誌掲載順に話を進めていきます
※話数調整
本誌・・・
6月号第9話『蒼き運命』
7月号第10話『ジオンの騎士』
8月号第11話『宿敵』
9月号第12話『宿敵(後編』
単行本2巻・・・
第9話『蒼き運命』(本誌9、10話)
第10話『宿敵』(本誌11話、12話)
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第9話『蒼き運命』(本誌6月号)
今回より、いよいよ原作ゲームでいうところの『蒼を受け継ぐ者』パートに突入します。
サブタイは原作ゲームはじめブルー関連ではお馴染みですね。
表紙は、ついに登場ジムコマンド。やっぱり11部隊といえばコレですよね。
・冒頭、ニューバーン基地へブルーを運ぶミデア改。アルフも搭乗しています。
それを狙うはラウとトレーダーのドム。前回入手したザクスナイパーのライフルを使用。
ラウのドムの肩を砲架にし、トレーダーが狙撃。「下手したら撃墜してしまうかも・・・」と、戦いを楽しむクセを見せるトレーダーーと、それを諌めるラウ。さあ、トレーダーの危うさがどんどん出てきてますよ・・・
ブルーを輸送するミデアを狙った者。これまでは、だいたいイフリート改がやってきています。
原作ゲームでは「あの蒼い奴め、いきなり撃ってくるとは」とイフ改であったと思わせるセリフあり。
千葉版、高山版ではイフ改。
皆川版では、ユウの推測でイフリート改が落としたかと推測。
サイドスではニムバス隊の同士のドム隊によるものでした。
また、このミデアにアルフが乗っていたかどうかは微妙に違います。
原作ゲームではアルフは乗っておらず、ユウらの部隊が救援に向かう際に基地からヘリで随伴し墜落したミデアに向かっていました。
皆川版ではミデアに乗っておらず、救出作戦終了後にブルー回収のため登場。
高山版ではミデアに乗っており、不時着時はたまたまブルーのコックピットにいたため助り事態の顛末を現場で見届けることになります。
サイドストーリーズではミデアに乗っており、襲撃された際に救敵の攪乱の指示を出す場面がありました。
加えて、ミデアの行き先も違いが。
原作ゲームではミデアの行き先は特に語られず。
サイドスでも不明でしたが、これより以前にアルフがユウにブルーのパイロットとして目をつける描写があったので11部隊へ輸送していたのかもしれないですね。
皆川版も不明。不時着し11部隊に救出された後、ニューバーン基地の部隊に回収されたため同基地に移送されています。
それからニューバーン基地で戦闘が起こり、そこでユウは初めてブルーに乗ることになりました。
高山版では、ブルー1号機暴走後に第6方面軍エネルギープラント基地(ニューバーン基地に相当)に移送され、そこから研究所に戻る際の空輸中に襲撃を受けています。
今回、たいち版ではユウのもとへ・・・11部隊へ届けるためニューバーン基地へ向かう途中に襲撃を受けることになりました。
・ニューバーン基地の11部隊に、墜落したミデア改の救出任務が下る。
恋人のジルがプレゼントしたお守りに浮かれるフィリップ・・・これやっぱり仕掛けありましたね。
第2小隊が先行して救出任務に向かいます。・・・って、第2小隊生きとったんかいワレ。
もともとあまり存在感はなく、暴走ブルーの件以後何も描写がなかったのでてっきり全滅したものと思っていました。第2小隊の存在、そして彼らがユウらより先に救出に向かう展開は今回が初めて。これまでのものは、ユウらの部隊が救出に向かっています。
なお、「なんにせよ命令があれば軍人である俺は従う」というユウのセリフはサイドスの同ステージでの独白でも同じ趣旨のセリフがありました。
・不時着したミデアを発見した敵部隊。機体はザク、ザクキャノンとデザートザク。
ザクキャノンは毎度お馴染みですがデザートザクの登場は今回が初。
原作ゲームだと砂漠迷彩のザク、高山版だと06JC(08小隊版ザク)、サイドスでは通常のザクだったりしました。
・「こちらニューバーン基地所属11部隊2小隊ホセ・リベラ少尉」とのセリフ。
たいち版の11部隊がニューバーン基地所属とハッキリわかる描写でした。
これまで本編では特に所属は明記されておらず、第6話に登場したフィッシュアイの部隊章にそれらしい表記があったのみ。
なお、単行本では1、2巻カバー裏のモーリンの解説にて11部隊の拠点がニューバーン基地とのセリフがあります。
皆川版以外、これまでの作品でユウらの所属は特に設定されていませんでした。
『第11独立機械化混成部隊』という名称の初出である皆川版では、文字通り独立部隊で特定の拠点を持たず作戦ごとに現地の基地・拠点で支援を受けて行動していました(皆川版のニューバーン基地もまた、そんな拠点の一つ)。
それゆえ部隊名に”独立”とついていたわけですね。
たいち版ではニューバーン基地所属となっており、”独立”では無いのでは、と思うのですが・・・。
軍事ネタには詳しくないのですが、これ実際のところどうなんでしょうね。
・ザ・ブルーMS紹介コーナーVol.7
ザ・ブルー版イフリート改とジム・コマンド。
イフリート改はVol.4からの再掲+線画、背部設定画を初公開。
EXAM発動時の発熱対策としてヒートシンクを追加したとの解説があります。
ジムコマンドはカラーで前後設定画。
解説にもある通り、ランドセルはジムコマンドG型のものでなくジム改(厳密にはD型ジム(寒冷地ジム)が近い形)のものになっています。
MGジム(旧)で追加されたバズーカラックも付属しています。
・今回の萌えポイント
一睡もせずブルーの整備にあたるアルフ。
ほんとブルーが好きだな、アルフさんw
アルフは女性が苦手・・・という勝手なイメージを持っていたので、女性士官と軽く会話するアルフは印象深かったですねw
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第10話『ジオンの騎士』(本誌7月号。単行本では9話と統合)
こちらのサブタイもお馴染みですね。
・フィリップの「だぁーらっしゃい!」からの会話はほぼサイドスの流れを踏襲。
たいち版では、先行した第2小隊の救援と恋人ジルの話題も含んでいる。
また、海のバカンスを楽しみにしていたとありますが、これは原作ゲームでは1巻ステージ4だと「いっちょ、海まで泳ぎに行かねえかい? 」といったセリフがあります。
また、新型(ジムコマンド)は11部隊で集めてきたデータでチューンされているとセリフあり。
てっきりユウはドミナンスでイフ改と戦う展開になると思ってたけどジムコマで出撃ですね。
ユウとニムバスの初戦のバランス調整な意味でのドミナンスかと思ってました。
なお、ドミナンスは今後フィリップの乗機として登場します。
・場面変わって、ミデアにたどり着いたニムバス隊。
ラウの「夜襲が裏目に出たな」というセリフはサイドストーリーズにもあり。
・ミデアを狙う友軍に撤退信号を放つよう指示するニムバス。これは今までのニムバスにはない行動ですね。
原作ゲームをはじめ、このシチュエーションではこれまで友軍の戦いを静観し全滅するころに顔を出してきます。
高山版では撤退する友軍を「敵前逃亡か?恥さらし共が!」と皆殺し。
皆川版、サイドスでは戦闘中のザクキャノンを撃破。
サイドス版、たいち版ともに積荷を友軍に奪われないための撃破でした。
部隊の秘匿性もあって結局友軍を撃破するわけですが、今作のニムバスは一応事前に警告するあたり従来のニムバスより比較的紳士(?)なようです。
・ミデアを襲った部隊は見慣れない機体を見て「どうせキシリアの息のかかった特務部隊といったところでしょう」と言います。
キシリアの特務部隊は外伝作品でのお約束、なんかメタなセリフでもありますねw。
一般兵でもなんとなく察してしまうあたり、キシリアの特務部隊はたくさんいるのかも知れんね・・・
・ラウ、トレーダーと連携し次々とMSを撃破するニムバス。
前述の通り、これまでニムバスが友軍・連邦を排除するタイミングは少し違うので、
「連邦・ジオンが戦う中、戦場にいる者全てを排除しようと混戦の中に乱入するニムバス隊」というシチュエーションは今回が初となります。
友軍機を全滅させてからのニムバス隊のセリフは、ほぼサイドスを踏襲。
「EXAMの名のもとに葬ってやる!連邦の雑兵共々な!」と、原作ゲームからの決めセリフを放ちます。
そしてユウらと遭遇。
イフリート改からの殺気から暴走1号機を連想しフィリップらに注意を促すユウ。セリフは微妙に違うが、ほぼサイドスの展開を踏襲してます。
ミデア内部からユウの活躍を見るアルフ、というシチュエーションは高山版とほぼ同じ。
そして・・・
ユウとニムバスの戦いで激しく舞う砂塵。フィリップとラウ、トレーダーとサマナ、そしてアルフ。
”蒼き運命に囚われた者たち”の戦い。そして、その目撃者たち・・・といった赴きもある良いカットですね。
・EXAMを巡り、ついに対峙したユウとニムバス。
ジムコマンドでイフリート改に肉薄し、ユウの腕前に驚嘆するニムバス。
ラストはマリオン、ブルー、そして剣を構え対峙するユウとニムバス。こういった描写はマンガならでは、とても格好良い引きですな。
・MS紹介Vol.9は新装備ガンターレットを装備したラウのドム。
設定されたモビルスーツを自動で攻撃する自律砲台。エイリアン2のセントリーガンのような武器ですね。
もちろんこれは今作が初めての登場です。
宇宙世紀モノでこういった自律兵器はちょっと珍しいですね。
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第11話『ジオンの騎士』(本誌8月号。単行本では10話と統合)
ニムバスの心象風景が描かれる。
ユウとニムバスの一騎打ち。さまざまな感情が交錯し、ブルーの中マリオンが反応する・・・。EXAMシステムとしての反応ではなく、マリオンの意思が見られるのが印象的。
マリオンが感じ取った「虚栄」「雪辱」「歓喜」「狂気」。これはニムバスの感情?それとも二人の感情か?
なお、高山版ではマリオンは初対面でニムバスの感情を「自尊心」「劣等感」「野心」「挫折感」と読み取っていました。
ブルーの中のマリオンが、剣に囚われた自分自身のビジョンを見る。
囚われたマリオンの姿は、ニムバス自身のイフリート改に搭載されたEXAMシステムの中のマリオン・・・?
とても抽象的でもあるので、このあたりは色々と妄想が膨らみます。
ユウのジムコマンド、ニムバスのイフ改の一騎打ち反応し介入するブルー1号機。
こういったシチュエーション、描写はは高山版にもありました。
※画像は高山版
・高山版でのブルーの反応はマリオンなのかEXAMシステムとしてなのかは暈している。たいち版では、マリオンの感情の爆発にEXAMが反応したとも捉えられる描写がされている。
ブルーが起動し、自ら拘束を解きミデアの外壁を破り、固定武装の頭部&胸部バルカンでイフリート改を攻撃する。
これは高山版でも印象的だった描写で、たいち版でもやるかなーやるよなーと思ったら本当にやりおった・・・
・右の脚部ミサイルポッドに被弾。すぐさま脚部追加装甲ごとパージするニムバスの描写が芸コマ。
今後のイフ改でミサイルポッドはどうなるのか。補充されるのか、それとも物資不足で左のみになるのかはちょっと気になるね。
・たいち版で印象的なのは、ユウのブルーの捉え方。ミデアから姿を表したブルーを見て「やはりお前だったのか」と言う。機体をまるで一人の人間のように捉えている。
ブルーを見、悲痛なマリオンを感じるユウ。警戒するフィリップらに「敵じゃない」と言うユウ。ユウは「”彼女は”敵じゃない」という意味で言っており、ここでは、既にブルーの中のマリオンを感じ取っているように伺える。
ユウがマリオンを認識するタイミング。ブルーが異色の機体と認識するタイミングは媒体によって違っていて、たいち版はとても早いのが印象的。それぞれのタイミングを改めて比べてみるのも面白いだろうね。
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第12話『ジオンの騎士』(本誌9月号。単行本では11話と統合)
ジルさん暗躍。何気にアルフ萌え回。
・ユウとニムバス。前回に続き、それぞれのイメージにある”マリオン”が精神的に衝突しているような描写。
・ジルからの通信で連邦の増援を察知し撤退するニムバス隊。
今まではニムバスが増援を察知して撤退してたパターンなどいろいろ。
撤退後のユウらのセリフは概ねサイドスと同じ流れ。
「ありがとうユウ・カジマ少尉!ブルーを守ってくれた礼を言う」とのアルフのセリフ。これまでのアルフ像には無かった爽やかさ。たぶん歴代アルフで一番人当たりが良いねこれw
これまでのアルフ像といえば、研究・MS開発一筋で”人付き合いは苦手である”といったもので、千葉氏によると「オールドタイプの代表」としての役割をもつキャラクターでした。今回たいち版では人付き合いは苦手ではなく人並みである印象を受けます
たいち版シナリオ担当でもある千葉氏自身がアルフというキャラクターに変化をつけてきています。これがどういった作用をもたらすかは今後の展開の楽しみの一つですね。
・ジルとの会話で、まるで我が子を見守る父親のようにブルー愛を語るアルフ。これだけで御飯3杯いけちゃう。
・ジル、アルフの会話よりブルーにオーガスタ系の技術が使われていると説明される。これまで少し匂わせてきていたが、明言されたのは今回が初めてではないだろうか。
・アルフの語るブルーシリーズの展望。ブルーと連携をとるための特別な陸戦ジムはフィリップとサマナに充てられるか?。そしてユニコーンとジェスタみたいな関係になるのかな。
シルエットで描かれた1号機。バズーカらしきものを装備、左手にはFAガンダムのビーム砲に着いてる盾・・・?
そして2号機、腰まわりが少し変わっているような・・・?
・ところで自分、ジルはニムバス隊が送り込んだスパイかと思い込んでたけど、ラウとトレーダーは面識が無かったようだし、”同士”って呼んでいるから違うんだろうね。ジオンが送り込んだ多くのスパイのうちの一人がジルで、今回ニムバス隊に接触したのが偶然彼女だったてところかな。
ジルがオーガスタ系の技術をアルフにカマかけしてたのが気になった。整備員に化けてたから、もともと技術系の情報を盗んでいたのか?・・・実はグレイブが送り込んだ二重スパイで、EXAM技術を独占したいからアルフとクルスト、ニムバスをも手玉にとっている・・・なんて妄想。
・一つ、どうしても気になったのは第2小隊の隊長が生き残ったこと。
つまり、ニムバスがジムを葬り損ねたことになる。
小隊長のジムが小破し行動不能に陥っているので、戦略的にはアリだろうが、この場面でニムバスが敵を仕留め損ねているのは、イマイチに感じる。
本編初登場でジム、タンク部隊を華々しく葬っていただけに。
なぜ第2小隊の隊長が生き残る展開になったかを考えたんだけど、戦闘終了後にフィリップとモーリンのコミカルなシーンを用意しているので、部隊に死者がいたらコミカルどころでは無くなってしまうから・・・なんて思いました。
もう少し突っ込むと、ガンターレットは面白い武器ではあったが、こういう小細工なしでも他を圧倒するニムバス隊が見たかった思いもありますね。
最後に余談だけど、原作ゲームでテム・レイへの対抗心が伺えるアルフが、RX-78系の余剰パーツが元になっている陸ガンという機体をベースにブルーを作ったことは、彼なりにいろいろ思うところがあったのかな・・・とふと思った。
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