サイドストーリーズのTHE BLUE DESTINY編を原作ゲームや漫画版、小説版などと比較しつつ、変化した設定・新しい設定をまとめていきたいなと思います。
今回は第1話『戦慄のブルー』です。
[テンプレ]以下、セガサターンソフト機動戦士ガンダム外伝1~3を『原作ゲーム』。
高山瑞穂著の漫画版を『漫画版』。
皆川ゆか著の小説版は『皆川小説版』、原作ゲーム攻略本収録の千葉智弘氏による小説を『千葉小説版』。
サイドストーリーズ収録のTHE BLUE DESTINY編は『新ブルー編』と表記します。
また、基本的に『設定資料集』は原作ゲームの設定資料集を指します。
その他メディア、ゲームも参照していきますがウロ覚えな部分も多いので「ここはアレがモトネタでは?」みたいな指摘ありましたら、ドシドシ寄せて下さいませ。
[ここまで]・・・前回、うっかり忘れていた事やちょっと確認すればすぐわかる事を落としていたので、今回もそんなうっかりミスがあるかもしれません。ありましたら、ご指摘願います。
あと、原作ゲーム第1巻のセリフや場面を参照する際は
コチラをどうぞ。参考までに。
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◆第1話『戦慄のブルー』
原作ゲームの第1巻、ステージ1『月下の出撃』とステージ2『戦慄のブルー』に相当します。
・ユウの独白にて、オデッサ作戦以後から実験部隊の創設が語られる。
・ブリーフィング後、ミデアから降下する3機のジムのデモムービーから開始。
・ステージ1前半はジオン基地の攻撃。敵機全滅ののち、ユウ、フィリップ、サマナらの会話のデモムービー。ここまで原作ゲームのステージ1とほぼ同じ。
・デモ中にて、ブルー1号機が同基地に乱入。(ここから原作ゲームステージ2に相当)同部隊の陸戦型ジムを撃破し、EXAMシステムを発動させ、後半の戦闘スタート。
・暴走ブルーに一定のダメージを与えるとデモムービーに入る。各坐してゴーグル、機体各所のランプが消えたのち緑に点灯、後退していく。ユウたちの会話ののち、場面転換。
・ミデア改と、横たわるブルー1号機。そしてクルスト、アルフらの会話のデモムービー。
では、場面ごとに見ていきましょう。
◆ブリーフィング
・ユウの独白にて『ルウムの絶望の中で願い、手に入れた新たな力を、ついに行使する時がきた』とあり、新ブルー編におけるユウの特徴である”力への渇望”が、早速描写されていますね。
・MS転換訓練をフィリップ、サマナと共にしたとの記述あり。これは新設定でしょうか?他の媒体ではそのような設定は無かったかと思います。
(設定資料集及び皆川&千葉小説版だと部隊創設からの古参といった表現は見られました)
◆ミッション説明
・地図より、北米大陸の東部(シカゴ付近?)が舞台となっていることがわかります。
原作ゲームでは特に場所の明記は無く、皆川小説版では東部ヨーロッパ。千葉小説版でも「敵の基地はオデッサでの大敗のために補給手段を失い」といった記述があり、東部ヨーロッパであることが伺えます。
◆ゲーム開始時のデモムービー
ミデアから降下する3機。原作ゲームではミデアは登場せずMSだけ降下してきました。
原作ゲームでは特に言及されていませんでしたが、漫画版だと通常のミデア。皆川小説版ではミデア改を使用していました。
・モーリンより「他のチームも同時に包囲・突撃しますので・・・」といったセリフあり。
他のチームの存在、原作ゲームではイマイチ分かり辛かったですが、新ブルー編ではここでハッキリと明言されています。
漫画版では同部隊で出撃した機体あり(9名中5名死亡1名重症というセリフから、6機出ていたと思われます)。千葉小説版でも同部隊から出撃。皆川版では別部隊から出撃していた小隊がある、といった描写がありました。
なお、第2話のユウの独白にて「第11独立機械化混成部隊は三小隊ある」と解説されています。
◆ゲーム前半
・ステージは原作ゲームのリメイクといった感じ。原作にはなかった、敵襲のサイレンが鳴り響いている演出が印象的です。
登場する敵はザク、ザクS型、マゼラ・アタック。
原作ではザクと鹵獲された61式戦車が敵として登場していました。マゼラ・アタック、ザクS型は未登場です。
前半が終わると、原作にもあった「死ぬときはベッドの上と・・・」といったやり取り。そして暴走ブルー1号機が登場します。
◆ゲーム中デモムービー
同基地に乱入するブルー1号機。一瞬のうちに2機の陸戦型ジムを撃破します。
(なお、この陸ジムはここだけの登場でありプレイ中は味方機としても登場していません)
ここは原作ではジムコマンドでした。
(※1)
基地に乱入したブルー1号機のゴーグルは緑。2機の陸ジムを撃破後にEXAMシステムが起動しています。EXAM発動以前からパイロットのコントロールを失っていたのだろうか?(それとも演出か)。
以前も話しましたが、実は原作ゲームではEXAMが発動してもゴーグルは緑のまま。皆川&千葉小説版でも赤い発光描写はナシ。漫画版では、モノクロで分かり辛いですが、通常とは違う発光になっています(表紙及びイメージイラストから赤い発光であると思われる)。
この辺は過去記事にてまとめていますので、気になる方は左のメニュー『記事インデックス』より該当する記事を参照のこと。
◆ゲーム後半
ゲーム前半に続き、ジオン基地内での戦闘になります。
原作では、作戦が終了してミデアとの合流地点へ向かう途中でブルーに襲われており、ステージは平野。貨物列車と線路があるのみでした。
基地内で襲われるシチュエーションといえば漫画版ですね。皆川、千葉版では詳細な描写はありませんがおそらく基地内と思われます。
余談ですが、Gジェネをはじめその他のゲームでも原作ゲームステージ1と2が同一して扱われることは多く、基地内での戦闘シチュエーションとなっています。
◆ゲームクリア後デモ
ブルー1号機はゴーグルの発光を赤から緑に変えて撤退。EXAMの効果が切れてオートパイロットで帰投したという描写でしょうね。
ブルー1号機撃退後のユウたちの会話ののち、場面転換。
帰投したブルー1号機がミデア改のそばで横たわり、クルストとアルフが会話する場面に移ります。
ここからは原作ゲームには無かった描写です。
二人の会話にて新ブルー編におけるEXAMの設定、及びペイルライダーとの関係について重要な会話がされています!
・・・が、その辺の考察はまた後日とします。
(でないと、第1話がいよいよまとめきれなくなるのです・・・ごめんなさい一番期待してたのは多分この点ですよね・・・)
ここでは「ユウたちにブルー1号機を襲わせて実験していた事」「ブルーのパイロットにユウが選ばれた理由(原因)」が語られています。
ユウたちを実験台とした事。これは明確に語られているわけではありませんが、ブルー1号機が暴走して味方部隊を襲ったのにその事は全く意に介していないのが会話から伺われるので、実験台にしていたと推測できます。
ユウが選ばれた理由。クルストが「パイロットの質は上がらんかね?」との問いに「つい先ほど、候補者を見つけました」とアルフが答えています。暴走ブルーを撃退したユウに目をつけたことが伺えます。
実は原作ゲームにはこういった描写や説明はありませんでした。ユウが選ばれた理由は「ユウがブルーのパイロットになった」とナレーションで語られたのみだったのです。
ここは原作で消化不良な感があったので、新ブルー編で描写があったのは良いですね。
他はどうでしょうか。
漫画版では、アルフがユウたちの部隊がジオン基地を襲撃しているそばにブルー1号機を待機させ、ブルーの暴走を見越しての実験データの収集を行っている描写がありました。
(また、その件のデータが内部の者に削除されたことから「二重のモルモットにされた!」と確信する場面があります)
ユウが選ばれた理由については、「暴走ブルーを撃退したパイロットこそブルーにふさわしい」とアルフが目をつける描写がありました。
千葉版も、だいたい同じ流れでした。新ブルー編は、これらのやりとりがモトネタになっていると考えられます。
皆川小説版では、ユウたちの作戦に暴走ブルーが居合わせたことについてアルフは言葉を濁しており、やはりユウたちをモルモットにしたと伺える描写があります。
パイロットとして選ばれた理由は特に語られていません。一応、アルフが暴走ブルーを撃退したのはユウだったと気づく場面があります。
ユウのブルーでの初出撃は、補給のため寄った基地(※2)がジオン軍に襲撃された時。ユウは突然ブルーに乗るよう指示され、出撃。戦闘終了後、そのままパイロットに指名されています。
(なお、これはどさくさな流れではなく、同部隊がMS実験部隊としての役目を終えブルーの実験のための部隊として運用される事となる流れの中の出来事であり、部隊がブルーに関わること自体は決定していました)
なお、いずれの媒体でもこの場面にクルストは登場しておらず、この場面での登場は新ブルー編が初となりました。
◆機体について
前述の通り、ユウたちはRGM-79ジムで出撃しています。
原作ゲームではジムコマンド。漫画版ではRGM-79ジムですが、デザインに若干のアレンジがされています。皆川版では陸戦型ジム(挿絵では何故かジムコマンド)、千葉版では単に「ジム」と表記されていました。
(※3)
※1
原作にて暴走ブルー1号機に撃破された、2機のジムコマンド。実はこれ、原作においてはユウたち以外にも出撃した機体があった唯一の描写でした。
前述した通り、原作では他のチームの存在は特に解説があったわけでもなく、ここのデモムービー以外では登場していません。
解説もなく「ユウたち以外のMSが出た?」と思ったらいきなりやられていたので、他のチームの存在の描写としては、イマイチ分かり辛い描写ではありました。
(下手すればやられたのはフィリップとサマナと勘違いされかねない)
その点を踏まえてかどうかはわかりませんが、新ブルー編ではモーリンのセリフ含め、明確に解説がなされていたので良かったと思います。
※2
基地の名前はニューバーン。新ブルー編では第3話の舞台であり、原作ゲームではステージ4、5に相当します。ニューバーンについては次回に。
※3
完全に個人的な考えですが・・・
以前も話ましたが、原作ゲームは「ビジュアル的にはジムコマンドになっちゃってるけど、設定的にはジムですよ」といったスタッフの思惑が伺えるので、今回新ブルー編にて本来の形に戻すことが出来たのではないか、と勝手に思っています。この推測の根拠については、またの機会に。
なお、新ブルー編では同部隊の別小隊が陸ジムを使っていましたが、なぜ同じジムではなく陸ジムなのかは特に語られていません。
◆いろいろと感想
・新たに語られる『新訳THE BLUE DESTINY』。OPに引き続き第1話のユウの独白にはとてもドキドキ、ワクワクしましたね。(まあ、その後いろいろ思うところはあったわけですが・・・)
・お話的に、原作から良い感じにリメイクされた第1話だと思いました。デモでミデアが出たり、他小隊の存在が明言されたりとしっかり補強された所も良かったです。
・このゲーム、基本的にストラクチャーは破壊できないんですよね。折角、暴走ブルーと基地内で戦闘なんだから、巻き込まれてボンボンとストラクチャーが爆発したらもっと恐怖感が出て良かったのにと思いました。(なお、ストラクチャー破壊不可については今後何回か愚痴る予定です)
・クルストとアルフの会話は「おお、クルストも来たか!」と膝を打った。二重モルモット、ユウの選出原因が語られたのは嬉しいところです。原作ゲームではこれがあやふやだったのが、惜しいと思ってたので。
ただ、このシーンの地面に横たわるブルー1号機は何とかならなかったのかと・・・。片膝をついて座っているとかじゃ、駄目だったのか?
横たわるならMS用トレーラーの荷台とかあるでしょ・・・。あと律儀にマシンガン持ったまま横たわってるのはマヌケだったので残念。
・諏訪部順一がユウのフィックス声優で固定された感はありますね。ハマってます。
フィリップの若本規夫、なんか原作やこれまでと比べねちっこい演技になっているような。特に「なんなのよ」のセリフ。
モーリンは原作ゲームと比べてだいぶ落ち着いた印象でした。設定的にもそうなっているようですね。
・アルフのキャラ付けに、若干の違和感が。スレイブ・レイス編にてペイルライダーを開発したオーガスタを「胸糞悪い連中だ」と言いつつ、今回はユウたちを実験台にしたことや暴走ブルーのパイロットについて特に意に介していない。ゲーム後半でEXAMの真相が分かって感情をあらわにする場面があり、千葉版アルフでありながら皆川版アルフでもある印象でした。
まあ、彼の中の越えてはいけないラインというのがあるのかもしれませんが・・・。
これを解説すべく、各媒体毎のアルフについてもまた後日まとめてみます。
・ゲームのシステム的なアレやコレは、いろいろなレビューで既に語り尽くされているので特に言及しません。まあ、そこまで悪いとは思わないですが、正直いろいろと惜しいなと思いました。
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第1話まとめ、こんな感じですかね。
・・・なんか新ブルー編のまとめというよりも「過去のブルーの物語、総おさらい」的な内容になってきたぞ。確認する事が多いから遅々として進まなねぇ。
しかも、前もって再考しておかなくてはならなかった事が多かったような・・・。今回だけで「後日まとめてみます」といった案件、結構あったような。
うーん、方向性間違えてるのかしらん・・・。
次回は第2話です。来週中には何とか更新したいです。
◆最後にコッソリとキモい話かつて自分は原作ゲームをプレイする時、「俺が・・・俺自身がユウ・カジマだ!」といったロールプレイ的な感じでユウに自分を投影してプレイしており、フィリップの「お互い、鉄の棺桶の中じゃ死にたくないよな」というセリフに対し「ああ、全くだ」と苦笑い気味に答えていました。脳内で。ですので今回、新ブルー編でユウ・カジマが「ああ、そうだな」と答えていたのには「あ!いよいよ俺の知らないユウ・カジマが始まってしまった!」って強く実感しました(何を言ってるんだ)。なお「俺がユウ・カジマだ!」のみならず「俺は漫画版ユウ・カジマだ!」「俺は小説版ユウ・カジマだ!」といった成りきりプレイもしていました。その際は各媒体毎の設定が適応され(中略)多分今後は「俺は新ブルー編のユウ・カジマだ!」といったプレイも(後略)[3回]